玉藻前語る
遅くなりました
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「たまものまえ。。。?」
《そうさ、玉藻前 私の正体がバレてからの通り名だね ご覧のように妖狐の化身でね、気が満ちると妖光を発することからついた通り名さ 数百年ぶりに話を出来る相手に会えて嬉しくてね、随分と昔の話になるけど聞くかい?》
「うん 俺も話しのできる人外は、久しぶりでね かなり高位の物の怪ということだろ? ぜひ聞いてみたいな。。。。 ごめん物の怪は失礼だったか?」
《まぁ いいさね、そんな事は 400年以上も昔の話だね。。。私はね、時の最高権力者である鳥羽上皇に見初められてね 4人の子供を授かったのさ もちろん正妃では、なかった私は
権力に取り憑かれた魑魅魍魎が跋扈する政界で自分の子供を天皇にするために策を練るのさ
競い合う相手は、何人も居たわけだが 当時で800歳を越える
私の智謀を駆使し 何人もの政敵を蹴落とし 私と鳥羽上皇の長男である体仁親王を、この国の頂点である天皇に立てることに成功するのさ
私自身も上皇の后としては、異例中の異例ではあるけど
女の身として、この国の最高権力者·皇后にまで上り詰めるんだ 息子が天皇で私が皇后 あの瞬間、間違いなくこの国のすべてをこの手に掴んだのさ
自分でも、わかっているのだけどね 妖狐の性なのかね。。。手に入れた権力を絶対に手放したくないのさ
その後も養子にした子を天皇に立てたし
裏から操れる人間を天皇にするために大きな内乱も起こしたりね
ちょっとやりすぎちまったようで、当時の陰陽師共に目を付けられちまってね。。。
長い戦いの末に、那須野で大勢の武士と陰陽師に囲まれた私は、殺生石に封印されちまったのさ》
うんうんと頷きながら聞いているルイ
「それが、どうやってここに居るんだ?」
《私にも、よくわからなかったんだけどね。。。
400年以上びくともしなかった封印が去年の暮れにいきなり綻んだんだよ
今まで、この世界になかった力が突然この世界に流れ込んだようだね それが元々あった妖力に干渉して封印が壊れたらしい
あんたのその太刀も、おそらくは同じ時期に覚醒したはずだよ
その原因が琵琶湖の底に居た‘竜’だと思っていたんだけどね。。。
あんたなにか知っていそうだね?
まぁとにかく自由になれたのはいいんだが、あの竜の存在が不快で仕方ないんだよ
おそらくは、私のような霊体には我慢のならない存在なのは間違いないね 私の国をすべて蹂躙しかねない存在だってことだ》
「そうか。。。あいつは、俺たちが責任を持って始末するから
もう少し我慢してくれるか? ところで玉藻前あんたは、もう悪さはしないのだろうな? 場合によっては、黙って帰らせるわけにいかないぞ」
《私の大事な人達も皆 死んじまってるしね もう悪さはしないよ 影から子孫を見守ろうかと思っていたけど
あの竜の始末が先さね あんたのような異端も何人か居るんだろ? あたしで助けになれる事が、あれば言っておくれ》
「それは頼もしいな、この【童子切安綱】のような妖力を持った武器がいるんだが知ってるか?」
《あんたらなら、使いこなせるんだろうね? もうこの国の人間に使いこなせる奴など一握りだからね宝の持ち腐れか。。。
鬼を宿した太刀なら鬼丸と鬼切りだね2振りとも東北の最上家に在るはずだよ》
「東北か。。。遥か北の地だな、行ってみるか お前は、これからどうするんだ? 良かったら一緒に来るか?」
《そうさね内裏内も結界が生きていて入れないし 竜の最後も見たいしね付いて行くよ》
そう言うとフワリッと地面に降りる 玉藻前
「おい 尻尾が2本あるぞ!?」
《そうさね妖力が溜まると9本になるよ》
「連れて歩けないだろ 1本にしてついてきてくれ それと名前は、玉な」
《な!? それは猫の名前じゃろ!!》




