表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
81/513

真田幸隆が説く

織田軍に対する包囲を解いてはいないが 両軍ともに武装も解除しており殺気立っている者はいない

関ケ原の十九女池のホトりに陣を張り 両軍の主だった武将が集められる


「我等は、本陣より見て居っただけですが あの城ほどもある怪鳥は、一体何だったのですか!?」

興奮気味に床几〈折り畳みのできる椅子〉より腰を浮かし 聞いてくる 浅井長政

「余も気になるが、それよりも浅井に与えた あの弓はなんじゃ!? 1キロほども飛んでおるではないか!?

あんな物を使われては、戦にならぬではないか!!」

さらに興奮気味にまくし立てる 朝倉義景

「気持ちは、わかりますが どうぞ落ち着いてください この場は、僭越ながら武田家が家臣·真田幸隆が仕切らせて頂きます 何を今更と思われるかと思いますが、この場に我等が対峙する切っ掛けとなりましたのが

将軍足利義昭公より織田信長に幕府に対し野心あり、よって尾張を討てと言う内容の御内書が各諸侯に出されました

それを受けて局地的に争いが起き、我が武田軍も西上作戦を開始します

東美濃に攻め入り 三方ヶ原にて徳川·織田の連合軍を破り そこで我が殿、武田信玄のこの国を思う気持ちに賛同された 徳川家康殿が手を取り合う事を約束されます

そして今年の正月に家康殿が岐阜城を訪れ、織田信長殿に武田と手を取り合う事を上申し 激昂した織田信長殿の

手により落命 我が武田軍は、残された徳川諸侯と手を取り 尾張に攻め入り 今に至る訳ですが

本来であれば、我々武田、朝倉、浅井連合軍と織田軍で雌雄を決するという事になる筈でしたが とんだ横槍が入りました

先ほど目撃された怪鳥 あれは竜種です」

「竜じゃと!? 伝説上の生き物では、なかったのか!?」

立ち上がり声を荒げる 朝倉義景

「落ち着いて下さい 今から皆さんに、信じ難い報告をいくつかしますが すべてがこの命に掛けて事実ですので

心して聞いて頂きたい あの竜の登場で尾張だ加賀だと争っている場合ではないという事です 

この国が一つになって臨まなければ この国が簡単に滅ぼされるという事を肝に銘じていただきたい

まず1つ目が、ここ数年の織田信長殿の比叡山焼き討ちなどの目に余る暴挙の一因に異国の邪教による呪いが

関係しているという事です 今は、その呪いも解けたのですが、その呪い自体が竜に影響を与えているようです

その呪いを解かれたのが、こちらに居られます 天女様に御座います」

「ただの巫女ではないのか!?」そう言った途端 周囲からギロリッと睨まれる 朝倉義景

「口を謹んで頂きたい 朝倉義景公 あの竜の火炎の一吹きで負傷した数百名の兵たちを治療と言うより

完全に回復してくださったのも天女様です それだけでなく、あの竜を追い払われたのも天女様とお仲間たちです」

そうだ そうだと頷く顔ぶれに織田信長、明智光秀も居り 目を合わせて驚く 朝倉義景と浅井長政

「噂には、聞いておりましたが真にそのような お力をお持ちだったとは。。。」

浅井長政がエヴァを見て 何かを言いたそうにして口籠る

「見て頂いたほうが早いのですが。。。よろしいでしょうか? 天女様」

「何をお見せすれば、わかりやすいのでしょう? この池の水をお湯にしてみましょうか? ブルートお願いします」

「え? 俺が?」 《ブルートすいませんけど派手にお願いしますね ドカンッと》念話で伝える エヴァ

《しょうがないな》 

両の手の平を空に向け 詠唱を唱える「我が盟約に従い、集いたまえ炎の精霊よ、全てを焼き尽くす 猛る灼熱の炎よ」 ブルートの頭上に直径2メートルは、あろうかという炎の玉が渦を巻く 【豪爆炎】!!!!!!

真上に撃ち出された炎の玉が螺旋を描きながら上昇する さらに大きさを増し、弧を描いて急降下し十九女池に突き刺さる

バッシャンンンンンンン!!!!!!!! ジュュュュュュュッ〜〜〜!!!!!!! 猛烈な水飛沫と水蒸気を立ち上げながら ぶくぶくと一瞬にして沸騰する 池の水  大口を開けて立ち尽くす面々

「こんなものでどうでしょう?」ニコニコしながら 朝倉義景を見る エヴァ

「こ こ こんなもの あの竜にぶつけてやれば終わるのではないのか!?」

「そうですね。。。人でしたら千人でも一瞬で蒸発しますが あの竜には効果はありませんね 残念ですが」

「そ。。。それほどなのか? あの竜は。。。??」  「それほどですね〜」

「と言うか、織田軍は、こんなのと戦おうと。。。」浅井長政が気の毒そうに義兄を見る

「戦は、まだ終わってはおりませんでしたな どうされますか? 織田信長殿??」

意地悪そうに織田勢に目を向ける 真田幸隆






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ