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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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ベヒーモス改

「臆するな!距離を取り 弓を持つものは、一斉に射掛けよ!!」武田信玄の怒声が飛ぶ

「盾隊、お館様を守りつつ後退じゃ!! わしが殿シンガリを務める安心せい!!」

馬場信春が槍を構えながらベヒーモスと対峙し、じりじりと後退していく

囲まれている事を嫌ったベヒーモスが土牢の欠片を 長く強靭な尾で自分の周囲に群がる者たちに向け弾き飛ばしていく 高速で飛翔する欠片を 次々と払い落としていく風魔党の面々

一際大きな欠片を 強化された槍と筋力で弾き返す 馬場信春

「がっはっはっはっは まだまだわしでも、お館様一人くらい守れるんじゃ!!」

残った土柱の上に立ち 体内の気を巡らす 本多忠勝の双眸がカッと見開かれ 火炎を吐こうと首を捻る

ベヒーモスのこめかみに向け[蜻蛉切り]を突き出す! ガクンッとベヒーモスの首から上が仰け反り中空に向け

火炎が撃ち出される その隙きを逃すまいと風魔小太郎をはじめ風魔党の面々がベヒーモスを捕らえようと鎖鎌を放ち 四肢に絡みつかせる

その拘束を煩わしそうに体を捻り、空中へ逃れるため翼をはためかせようとするベヒーモスにエヴァの唱える

【重力魔法✕10】がのしかかる 重さに耐えきれず腹を地面に着けたベヒーモスに【極冷氷結】ブルートの

上位氷魔法がベヒーモスを氷の結晶に閉じ込めようと脚先から凍らせていく

動きの鈍ったベヒーモスに四方から矢の雨が降り注ぐ カンッ カンッ カンッ カンッ まるで金属に当たった

ような音をたて地面に落ちていく矢

重力魔法でベヒーモスを押さえ続けるエヴァの額に汗が流れる

「以前より強くなっていますね 魔力をどんどん持っていかれます 強化魔法を使いすぎたようです」

「エヴァ お前は、アランを守る事に専念してくれ あとはルイや皆と何とかする!」


鎖鎌を槍に持ち替え、氷で脚を地面に貼り付けらられたベヒーモスに向かい風魔党の面々が槍を扱く

「こいつは、硬すぎるだろう!! どこかに弱点はないのか!!!???」風魔小太郎が叫ぶ

フンッとベヒーモスが鼻息を立て、脚を固定している氷に亀裂が走る タテガミを逆立て

真紅のベヒーモスの体表が灼熱の朱へと変わっていく まるで背中に載せられた大きな石でも振り払うかのように

大きく身震いをし、自由を取り戻すベヒーモス

「皆!退いてくれ!!」ルイが大声で叫び ルイが黄色の光に包まれ[童子切安綱]をベヒーモスに向けて構える

ルイの狙いを読んだブルートがベヒーモスの左前足に向け【氷結】氷魔法を放つ と同時に土柱の上から

黄色い光の尾を引かせながら射出されるルイ 【一穴天心】自らの体を矢に変え敵を穿つ奥義である

ドッ!!バッシュッ!!! ガッ!!!!

ベヒーモスの左足の付け根に深く突きっ立った太刀を横に払い骨まで達した音が響く

崩れ落ちそうになる体を支え 咆哮を上げるベヒーモス グオオオオォオォッォォォォ!!!!!!!

腹の底まで響き渡る咆哮に腰が砕ける者 尻もちをつく者 小便まで漏らす者 

後ろ脚に力を溜め 一瞬で飛び立つ バサッと翼を広げ 左前脚から血を滴らせながら東の空に向かい翼をはためかせる ベヒーモス

背中に背負っていた強弓[5人張り]を引き絞る 本多忠勝の弓から 3本の矢が放たれる

吸い込まれるように追尾していく矢がベヒーモスの尾に払われる

その後をルイの隼が追って行く


「皆。。。無事か??」血に濡れたルイが辺りを見渡す

「天女殿! 天女殿!! 助けてやってくれ!!!」馬場信春を抱えた 武田信玄がエヴァを探し 声を荒げている








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