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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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童子切安綱

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その天女の後ろを浮遊しながらついて来る、大きな氷塊 

「お館様、こちらが私の大切な仲間であるブルートとアランです よろしくお願いしますね」

そう言いながら、髪の毛をボサボサに伸ばした 寸足らずな百姓の服を着た長身の男とフワフワと浮遊する氷塊を指差す

「ブルートです! 貴方が親方様ですね エヴァとルイが、大変お世話になりました 本当に本当にありがとうございました」武田信玄の右手を両手で掴み 今にも泣き出しそうに顔をクシャクシャにしながら 握った手をブンブンと上下に振りまくる

「いや 天女殿に世話になったのは、わしのほうじゃ してアラン殿は。。。どこじゃ?」

いつの間にかルイが、覆い被さり中を覗き込んでいる 人の丈ほどもある氷塊を指差す ブルート

「アラン! よかった。。。本当に生きていたんだな! あの時に死んじまったと思ったよ。。。」

安心したのか ぺたりっと地面に座り込み 涙ぐむ ルイ 

「ブルートも独りでアランを守って、ベヒーモスまで縛り続けて。。。ごめんな気づかなくて」

皆に釣られて 氷塊を覗き込む 織田信長

「「「「上半身だけの大男!!!!????」」」」

「生きていますよ 2週間ほどで再生出来ると思うのですが この辺の造形がごにょごにょごにょ」

ブルートに後ろから口を塞がれるエヴァ 

「な、何をするのですか!」 この男、天女様に馴れ馴れし過ぎると思っている 徳本とその他数十名。。。


『俺は、一体何を相手に戦おうとしていたんだ!? 本物の竜に天女に龍神殺しに上半身だけの大男に謎の男

 夢だな うん! きっと悪い夢を見ているんだ!!』信長が現実逃避に没入仕掛けたとき


「貴方が織田信長ですね!! 実に不快極まり無いですね!!!」

エヴァが表情も変えずに、言い放つ

すると、隣に立つ山県昌景の持っている太刀をスルリと抜き 舞うように信長との距離を詰めると

あまりにも美しい流れるような動作で上段から信長の頭頂部に向け、一刀両断にせんと太刀を振り下ろす

ぎゃっ! そんな声が聞こえた気がした 刃先を地面にめり込ませたまま動かないエヴァの背後に両断された

赤いマントがパサリッと落ちる

双眸を見開きながら、己の額に手をやり その手の平を見つめる 織田信長

はっと我に返り 駆け寄る 明智光秀と柴田勝家 「殿!!」


「嫌なものを切りました」

「わしは、何ともないが。。。何が起きたのじゃ?」

信長の表情が、憑き物でも落ちたような どこか穏やかな面構えに変わっている

「貴方、そのマントを、どこで手に入れたのですか?」

両断されたマントを足の爪先でツンツンとしながら聴く

「それは、数年前にポルトガルの宣教師だという男が献上品だと持ってきた物だ 黒人の宣教師なので珍しくてのう よく覚えておる」

「それは、呪われたマントですよ どこかの邪教によって沢山の生贄の血を吸わされた品ですね しかもとても強力な 推測ですけど、貴方を取り込んで この国に邪教を広める足掛かりにしたかったのではないですか?」

するとマントから、赤いモヤのようなものが立ち昇り

霧散していく

「そして、この太刀ですけど 出自はご存知ですね?」

「ああ それは[童子切安綱]だ かの[酒呑童子]を切った刀だな」

やはりそうだったのかと顔を見合わせるルイと山県昌景

「とても強い怨念の込められた太刀ですが あのマントを媒介にして目覚めてしまったようです 貴方が自制が効かなくなった

一端がこの太刀にあるんですよ というわけで、この太刀は没収です 魔剣と化しています 普通の人間では、扱いきれません」

そう言うと 剥き身のまま[童子切安綱]を、ルイに投げる







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