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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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ブルート

『俺が、この世界に来て2ヶ月が過ぎた この世界で目覚めたときに俺が見たものは

上半身だけの姿で湖畔に横たわるアラン そして湖面に半身を沈め意識の朦朧としたベヒーモス

意識を一瞬で覚醒させ 絶命寸前のアランと意識を取り戻しそうなベヒーモス

その2体に同時に魔法を飛ばす アランを【永久凍土の純氷】で包み、その中を【生命の水】で満たし仮死状態とし

ベヒーモスには、自身の使える最強の封印魔法【完封鎖の呪い】で封じ込め湖底に沈める この判断は、間違ってはいなかった筈 もし仮にベヒーモスを殺す事を優先していたら アランは死んでいただろうし

アランの処置を優先していたら ベヒーモスが目覚めていたかもしれない あれが最善 しかし残り僅かだった

魔力を使い果たし アランの延命の維持とベヒーモスの封印の維持は無理だと判断するが

この転移された世界の肌がひりつくほどの魔素の濃さにギリギリではあるが 両方を維持することが可能だと悟る』


それからのブルートは、アランを隠すために残された魔力をやり繰りし 少しずつ少しずつ土魔法で洞を作り

アランを隠し 生命の水を注ぎ続ける

そしてベヒーモスの封印に魔力を注ぎ続ける 

術者が離れる事で封印が弱まる性質の為に この地より離れることが出来ず

満たされることのない魔力では、ベヒーモスにとどめを刺すことも叶わない

一撃で倒せなくては、戦いが長引けばブルートもアランもこの場で命を散らすことになる

わずかな望みを託し、念話をルイとエヴァに飛ばすが反応は無い

この世界に来ていないか 念話の範囲外にいるという事だろう 

念話の範囲などせいぜい5キロ程しかないのだから



『昨日 東の地で起きた凄まじい魔力の奔流に刺激され この湖の湖底で封印してきたベヒーモスが目覚めたようだ あとどのくらいの時間 奴を封印出来るかはわからない あの魔力の原因がルイとエヴァだったら?

アランを連れて探しに行けばエヴァの回復魔法なら、時間は掛かるがアランは助かるだろう しかし間違いなく

ベヒーモスは目覚める まったく関係のない世界に俺のせいでベヒーモスを解き放つ事になる

被害は出るだろうが、もしかしたら4人が揃えばベヒーモスを倒すことが出来るかもしれない

しかし、もしもあれがルイとエヴァでなければ。。。アランは死んで、ベヒーモスが解き放たれる

これが最悪の結果だな 俺一人では、ベヒーモスに勝てないだろう。。。

さて どうしたものか?』


皮肉な事に数日前にルイは小谷城に鳩小屋を設置するために行っている

もしその時 どちらかが念話を試していたなら。。。。。。。


窮地に立たされているブルート そこから東に80キロほどの鳴海城にて

土魔法で土台、建造物の造作を終えたルイ

羽柴秀吉兄弟とその配下500名は、新たな鳴海城に入り整地、清掃、河原より取ってきた砂利を中庭に敷き詰めるといった作業に従事していた

「本当にこんな城を3日間で作るとは。。。夢でも見ているようだな。。。」

「お〜〜い 手の空いてるもの3人ほどで沓掛城に食料を取りに行ってくれ! 大急ぎでな!!」

「この壁に狭間[矢や鉄砲を外部に向け撃つための穴]を、どうやって穴を開けるんだ?」

「天女様に加護を授けていただいたのみを使え! 簡単に開けれるぞ!」

「砂利が足らねえぞ!! そこの大八車でもっととってこい!!!」

「天女様はどこだ〜 指を切っちまった!」

「馬鹿野郎!! つばでも付けとけ!!! 天女様にそんな汚い指見せるな!!!」

と こんな具合に大忙しであるが

ルイは、お雪ちゃんとうさぎを狩りに

エヴァは本多忠勝と徳本を連れて城下にて団子を頬張っていた




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