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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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鳴海城落城2

鳴海城落城から一夜明け

誓願寺で目覚めるエヴァ 

昨日は、昼に休息をとり 回復した、わずかな魔力で負傷者に治療を施し 夕刻 誓願寺に入り

泥のように眠った おかげで魔力は全回復したようである

「お腹が空きました。。。」昨夜は夕食も摂らずに眠ったようで猛烈な空腹に目を覚ます

誰が用意したのか 枕元に置いてある煎餅に手を伸ばしボリボリとカジ

その音を聞きつけ 本多忠勝が襖越しに声を掛ける

「天女様おはようございます 朝食のご用意が出来ています 本堂まで起こしください」

「おはようございます 忠勝殿すぐに参ります」


「あの 山県殿、我らもここで朝食をご一緒するのですか?」本堂に呼ばれ来てみると目の前に膳を用意される

羽柴兄弟

「ふむ ここで纏めて食えと和尚に言われているのでな なにか問題でも?」

「いえ わしらは敗軍の将 言わば捕虜では?」

「捕虜でも腹は減ろう? すべての兵に同じものとはいかぬが飯を食わせておるので、心配せずに食え」

「かたじけない では頂きます」秀吉、秀長が揃って手を合わせ箸を取る

そこに忠勝に案内されエヴァが本堂へと入ってくる

本堂に居る、全ての者が箸を止め頭を下げる 「天女様おはようございます」

「皆さんおはようございます ん!? これは、八丁味噌を使ったお味噌汁ですね! 実に良い香りです

八丁村にお願いして、持ち込んで正解でしたね」

エヴァの登場で戦の翌日とは思えない 和やかな空気が流れる

朝食を終えた羽柴兄弟と佐久間信盛がエヴァの食事を終える頃合いを見て エヴァの前に揃って頭を下げる

「天女様 昨日は、我らの兵たちの治療にご尽力頂き 誠にありがとうございました」さらに頭を下げる

「羽柴殿、救える命に武田も織田もありません 救えなかった命を、生き残った皆さんで背負って生きていかねばなりませんね 同じ過ちを繰り返さぬようにです」

「わしらの処遇が、どのようになるかは、わかりませぬが命ある限り肝に銘じさせて頂きます」

「その処遇じゃが」いつの間にか本多忠勝の横に並んで座す 山県昌景

「天女様、風車をお願いしても宜しいでしょうか? 体調に問題がなければですが?」

「すっかり回復しています 皆さんも早くこれからの処遇が決まったほうがよろしいでしょう?」

「それでは、お言葉に甘えさせていただきます」前もって用意させていた風車を3つ取り出す

それを一つずつエヴァより渡され 風車を持った手をエヴァに両手で包み込まれ

顔を真っ赤にしながら きょとんと顔を見合わせる3人 

「ちょっと試してみますね 私が聞いたことにすべて"はい"と答えてください 良いですね?」

「「「はい」」」

「では始めます 私は、男です」

「「「はい」」」意味がわからず また顔を見合わせる3人

「次です 私は、実は女です」

「「「はい。。。?」」」3人の風車がくるくると回る  「「「えっ??」」」

「次です この天女と呼ばれている女は、どこか信用できない」

「「「はい」」」3人の風車が、またくるくると回る

「これは、嘘をつくと風車が回るのですよ では山県殿お願いします」ニッコリと微笑む エヴァ

「「「そ そのような事が?」」」

「では、拙者から 織田信長の元に帰りたい」

「「「はい」」」力無く答える3人の風車が勢いよく回る

「武田信玄に勝てる武将は、この日の本にいない」

「「「はい」」」ピクリとも動かない 風車

「これだけで十分 それぞれ事情もあるでしょう 後ほど1人1人話しましょう 天女様ありがとうございました」



夜を徹して知多半島を南に走り続けた お雪が大野城の城下に入っていた

大手門の門番に響談の木札と文を預け 城主·佐治信方に手渡すよう頼む


一方その頃 真田幸隆率いる 5000の兵が大野城に向け行軍していた



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