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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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魔力欠乏

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ありがとうございますm(_ _)m

「見てわかりませぬか? この方が、天女様です」

「確かに、天女の如き お美しいが」

「わかりますか! 秀長殿 美しく、賢く、お優しく、お強い

それが天女様です」うんうんと頷く 忠勝となぜか徳本

「ここに居る負傷者のほとんどが、わしらの兵では?。。。」

秀吉が重傷者の集められた区画を見渡す

「そうじゃよ 武田軍の負傷者は、わずかな者じゃったからの」

「これは、徳本先生 ご高名な先生自らが治療なされているとは、誠に有り難い事です」深く頭を下げる 秀吉

「いや わしは、天女様を眺めておるだけじゃ ふぉっふぉっふぉっ」白い髭を扱きながら 目を細める 徳本

「先生まで、天女様と?」

「ふむ まぁ 見ておればわかる」


「手の空いている方は、負傷者の具足を脱がせてください

矢を受けている場合は、矢には、触れないように 呼吸の浅い者は、こちらまで運んで下さい」

「わしらも手伝っても?」徳本に秀吉が聞く

「もちろんじゃ 傷の深い者から天女様のもとに運ぶのじゃ」

負傷者の具足を脱がせながら、横目で天女様と呼ばれる 巫女を

盗み見る

腹と肩に矢が残った、若い兵の横に緋袴の汚れを気にすることもなく座り 矢を受けた腹に杖をカザ

黄色い光が矢の刺さった傷口を包み 左手でそっと矢を引き抜く

若い兵の顔に苦悶の様は見られない むしろ安心しきった赤児のようにさえ見える

矢の抜かれた傷口がみるみるうちに塞がり 肩の矢の治療へと

移る

今見たものが、信じられずにポカンッと口を開き 脱がせた具足を手に固まる 秀吉

「あれが天女様じゃよ 納得したか?」

徳本の問に、口を開けたままコクッコクッと頷く


「はい もう大丈夫 次は。。。貴方ね」

この区画でもっとも傷の深い者から、順番に治療していく

次々と運び込まれる 負傷者 

次々と奇跡のような治療を続ける天女様

次々と具足を脱がしていく 秀吉と秀長 いつの間にか加わっている 佐久間信盛

意識のない者の具足を,矢に触らぬように脱がす作業は、思った以上に重労働であるが 確実に救われる命と思うと時を忘れ没頭していく

「頑張るんじゃ 天女様が助けてくださる もうちっとの辛抱じゃ」そう声を掛けながら なぜだか溢れる涙にも気づかず手を動かす事を止める事ができない


早朝より続く作業、太陽が頭上に登り1月だというのに春先のような暖かさを与えている

「お腹が空きました。。。命に関わるような重症者の治療は、すべて終わりましたので 休憩にしましょう」

ふらふらっと立ち上がろうとするエヴァに慌てて駆け寄る 忠勝

「大丈夫です 魔力が空のようです。。。ご飯を食べて 休めば 大丈夫」

『可愛すぎる!!』と心の中で叫び 意識の朦朧としたエヴァを抱きかかえ 本陣へと歩きだす 本多忠勝

その後ろ姿を平伏し見送る者たち 口々に「ありがとうございます」 「まさしく天女様じゃ」 「ありがたや」

「あの方の為なら死んでもいい」 「おらの嫁に」 『幸せすぎる!!!!』これは、忠勝の心の声である


エヴァを本陣の隅に横たえ、寝顔をずっと見ていたい衝動と戦いながら エヴァに背を向け仁王立ちの 忠勝

そこにエヴァを心配したのか 馬場信春と榊原康政が歩み寄る「「天女様は、大丈夫か?」」

「我々に加護を与えたことと、負傷者の治療にお力を使いすぎたようです しばらく休まれれば大丈夫との事です」

「そうか、心配ではあるが 天女様が大丈夫と言われるのなら 大丈夫なのじゃろう」馬場信春が胸をなでおろす

「それにしましても、天女様の加護は凄まじいですな まだ体中に力が漲っておりますし、耳を澄ませば 

敵砦内の兵士の動きまで察知出来るのですから」榊原康政が感嘆の声を漏らす

「天女様が居られる限り 負ける気もしないのう」 

「もし天女様が天にお戻りになるとなったら 考えただけでも恐ろしいですな」

うんうんと納得し合う 2人

突如 滂沱ボウダの涙を流す 本多忠勝 なぜか横で滂沱の涙に咽ぶ 徳本








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