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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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出陣2

鳴海城 二の丸 羽柴秀吉、秀長兄弟が与えられた部屋にて遅い昼食をとっている

「兄者、やはり水野信元は裏切りましたな」

「徳川の縁者が多すぎる故な。。。家康殿の生母がいて伯父が城主ではのう 殿の予想通りってこっちゃ」

「先ほど沓掛城より築田政綱殿が到着されたようですな」

「佐久間信盛殿も頭の痛い事だろうに、この城下に25,000は多すぎるじゃろ さっさと攻めてもらわないと

兵糧だけでもえらいこっちゃのう」

「斥候の報せでは、沓掛城に4000 緒川城に7000が向かっていると言う事ですが 少なすぎますな。。。

それと面白い噂を聞きました」箸を止め 秀吉の顔を伺う

「天女と龍神殺しじゃろ?」

「さすが耳が早い なんでも武田信玄の病を治したとか 三方ヶ原の負傷者をすべて治療したとか

 500人を30分ほどで殲滅したとか 本当ならば是非とも会ってみたいものですな」

「驚くほど美しい巫女が居るのは、本当のようじゃ それが天女様などと呼ばれておるのじゃろ。。。

 さっさと食え 築田政綱を迎えて軍議じゃ」


鳴海城 本丸 佐久間信盛私室

「先ほど殿より早馬にて報せが届きました」佐久間信盛が信長の花押の入った文を広げる

「どのような内容じゃ?」読み書きが心許ない秀吉が小声で弟の秀長に聞く

「水野信元の居る、刈谷城を攻めよと言うことですな」秀長が一同を見渡しながら口を開く

「岐阜も手薄になっている故 早々に決着をつけて浅井、朝倉に備えよと言うことでしょう」

佐久間信盛が少しホッとしたように見解を述べる

「我らも戦支度は整っております 一晩休ませていただければ 明日にでも出れますぞ」

先ほど到着したばかりの築田政綱にそのように言われては、反論する者は居ない

「さすが、桶狭間の功労者ですな 頼もしい限りです この秀吉 築田殿を差し置いて 総大将を仰せつかっておりますが お力をお貸しください」秀吉が、頭を下げる

「信長様には、色々気遣って頂いております いったん沓掛城を捨て こちらで合流した後 改めて取り返せと

言う事でしょうな 寡兵ですが、何なりと申してくだされ」

「では、明朝の出陣でよろしいですな」


沓掛城城下

「ご丁寧に堀に架かった橋をすべて落として鳴海城へ向かったようですな」山県昌景が呆れたように笑う

「ここでいったん腹ごしらえをして、予定通り鳴海城へ向かいますか」榊原康政もつられて笑みを浮かべる

「ここを素通りして、鳴海城を攻めるとは、さすがに思わんじゃろう がっはっは」大笑いする 馬場信春

「ここからの動きを敵に悟られるわけにまいりません 怪しい者は、全て捕らえますよ」

エヴァが本多忠勝に向かって頷く

「はっ 心得ております」

「では、食事にしましょう お腹が空きました」

簡易な陣を張り大鍋にてほうとうが炊かれる もちろんエヴァの要望でエヴァ専用小荷駄隊が用意されていた

木陰に腰を下ろす エヴァ 本多忠勝 徳本 

「徳本先生 もう一杯 頂きたいのですが。。。」徳本に器を差し出し 上目遣いに微笑む 器を受け取り

陣までおかわりを取りに行く その隙きに

「忠勝殿 貴方に新たな加護を与えます」

「はっ ありがたき幸せ」箸を置き 片膝になり頭を下げる

杖を掲げ念じる 「視覚強化、聴覚強化、身体加速」杖から放射される、薄青色の光に包まれる本多忠勝

「えっ?」一瞬めまいに襲われ眉間を押さえる

「初めてですと、慣れるまでにちょっと時間がかかります 徐々に慣らしてください 少しずつ焦点を遠くに

 あそこの木に止まっている鳥 向こうの丘の黄色い花。。。どうです? 見えますか?」

「見えます! お〜 あの鳥の鳴き声も聞こえます!! 500メートルほどもありますのに」

「今のあなたは、あそこまで10秒ほどで走れてしまいますよ ただしこの加護の効果は2時間ほどで切れてしまいます その都度 掛け直しますので 絶対に鳴海城に斥候を帰らせないでくださいね」

「はっ 命に換えましても」








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