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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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イノリ日の本へ

おかげさまで400話となりました 応援してくださってありがとうございます

次話より、イノリが日本で暴れ回ることになります。 ご期待ください!


毎日いいね!してくださる方ありがとう そのおかげでここまで続けることができました。 もうしばらくお付き合いください


結城謙三

「いろいろと反省点もあるだろうが、正直に言うとジョブを授かったあとのイノリは、反応速度が格段に速くなった。それにともない回避も攻撃への切り替えも、その矢印の恩恵なのだろうが

的確に最適解を導き出されているようだな……」

ブルートが腕を組み、イノリの戦闘スタイルを分析する。


「でも父様とお玉様の戦いには、まったく付いていけませんでした……」

しょんぼりと肩を落とす イノリ


「うん、あれは無理だ。S級冒険者の俺たちでも誰も付いていけないから気を落とすな」

ルイが元気づけようと、イノリの頭を“ポンポンッ”と叩く


「……ああ…………驚いた…………合格だ…………」


「そうだな、アランの言う通り、俺たちの攻撃をすべてかわしながら、お玉様との連携も取れていたんだからな合格だろう?エヴァも心配だろうが、ドラゴンを相手にしても戦えると思うぞ」


「そうですねブルート……心配は絶えませんが、お玉様もいますし送りだそうと思います」

イノリを抱き上げ、その頬に自分の頬を寄せる エヴァ


「これから古竜様に加護をいただいたイノリと、九尾になったお玉様の2人には、我々でも

勝てるかどうか……」

エヴァとイノリの2人を背後から抱きしめる 忠勝


「ああ、あたしもイノリの占い師とかいう職業が、これほどの物だとは思わなかったよ

もし崇徳院の怨霊が、あの当時の力だったなら負ける気がしないね〜 あんたたちも安心しな」


「お玉様にそう言ってもらえるなら安心ですが、もしも万が一の時には……わたしが日の本に行きますから、幸い行くことは出来るらしいので」


「あんたが日の本に行ったら、もう戻れないんだよ?身重の天女を置いて来るなんて馬鹿なことを考えるんじゃないよ!」


「それでもイノリの危機を指をくわえて見ているなど……」


「大丈夫です父様!イノリは、圧倒的にこてんぱんにして来ます!!お玉様にも指1本触れさせません!!」


「そうかい、あたしを守ってくれるのかい じゃあもうちょっと特訓を ちっ!来たようだよ」


天井から光の粒が降り注ぎ、ドーム中央に渦を巻き、龍皇の姿を形作りながら集まっていく


「ふむ 集まっているようだな、アナムネシスの儀も無事終わり、稀有な職業を授かったようだな イノリよ精進するがよい」

威厳のこもった低く重い声が、腹の底まで響いてくる


「はい!龍皇様、占い師のジョブを授かりました。矢印が出て、その通りに動くと“ズッバーーン!!”といって“ドッガーーーン!!”です」

身振り手振りで、龍皇に説明する イノリ


「ん? 矢印??占い師のスキルは、迷った時にどちらを選択すれば良いのかを教えてくれると聞いていたぞ……希少過ぎてな遡ると、この王国の初代国王の職業が占い師だったのだが、右か左か?攻めるか引くか?あらゆる二者択一の場面で最適な答えをだすのが占い師のスキルだと

聞いておるぞ、そのスキルのおかげで、この王国が建国できたとな」


「凄いです!王国は、占い師が作ったのですね?イノリもじゃんけんは強くなりましたが

イノリ王国を作れるでしょうか?」


「ああ 作れるとも、これより我が加護を授ける故な、覚悟は良いな?」

イノリにそう言いながら、全員の顔を見渡す 龍皇


「龍皇様、その前に一言だけよろしいでしょうか?」

エヴァが龍皇に向かい、一歩前に出る


「なんだ?申してみよ」


「もしもイノリが、日の本で命を落とす様なことがあれば、わたしと旦那様の2人は生涯

龍皇様を許すことはありません」

きつく龍皇を睨みつける エヴァ


「それは俺たち3人もだ なっ!アラン、ブルート」

ルイの発言に頷く アランとブルート


「あたしを仲間外れにするんじゃないよ まぁあたしの命に代えてもイノリは守るけどね」


「ふむそれは恐ろしいな そうならぬために我が加護を授けるのだ、それと同時に送ることになるからな、別れを済ませておけ」


「イノリお雪ちゃんを頼んだぞ!」

「日の本は、本当に美しい国だ。見聞を広めてくるといい」

「………みんなと…………仲良く…………」

「イノリ、お前の祖母の名は、植村小夜という おそらく三河国に居るはずだからな訪ねてみるといい 日の本のことを頼んだぞ!元気でな!イノリ」

イノリを囲み、一人一人が抱きしめる


「はい!みんな心配しなくても大丈夫です!! 父様の故郷を守って来ます!!」

そのイノリの背中を強く抱きしめるエヴァ


「お玉様の言う事をちゃんと聞くんですよ、道に落ちているものを拾って食べてはいけませんよ、人に会ったらきちんと挨拶するんですよ、寂しくなったらいつでも帰ってきなさい

あなたはわたしたちの宝物なんですからね……」

泣いている顔を見られないように、背中からイノリを抱きしめ続ける エヴァ


「では、そろそろ送るぞ、九尾とイノリよ お前たちの使命はネボアを消滅させる事だ。

あの世界に居てはならない存在だからな、お雪と怨霊の件は、お前たちに任せる

イノリに加護を授けると同時に送るぞ」

妖狐とイノリの足元に金色の円が現れると、イノリの身体が大きく脈打ち、徐々に光の粒へとなっていく


「忘れていました!お玉様も早く裸に!!」



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