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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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エラドの儀

再度、ルミエル教会に向かう エヴァと玉藻前の間で手を繋き゚歩く イノリ

昼を前にして、人通りの増えた目抜き通りでは、妖狐である玉藻前の着物と妖艶な美しさが

往来の老若男女の注目を集め、すれ違ったあとも振り返り、その後ろ姿に魅入る人でちょっとした渋滞までもが起こり始めていた。


「あたしもまだまだ捨てたもんじゃないね〜」

上機嫌に胸を張り歩く 玉藻前


「お玉様、妖気がだだ漏れです 少し抑えてください」

ちょっとした騒動を起こしながらも、目的地であるルミエル教会の扉を開ける

エヴァに作法を教わり、イノリとともに宣誓の間へと入る 玉藻前

それを1人礼拝堂で待つ エヴァ

階上に嵌め込まれたステンドグラスから、柔らかな陽射しが差し込む中

胸の前で指を組み合わせ、静かに目を閉じ言葉にはださない祈りを繰り返す 




ルミエル教会 宣誓の間


吹き抜けの硝子天井から、聖なる光が降り注ぐ堂内。中央に揃って立つイノリと玉藻前。


「この場に集いし者よ いまここに、新たなる契約が結ばれんとする。イノリ、その魂の行く末を見守るエラドを定める儀式です。

汝、イノリよ……誓うか? この契約のもと、己が運命を共にすることを」

誰もいない吹き抜けの空間から、静謐で厳かな声が降りてくる


「はい、誓います」

真剣な眼差しで応える イノリ


「エラドたる者よ 汝はこの者の導き手となる。危機の時は守り、迷いの時は導き、その歩みを見守る者なり。異界からの旅人よ、汝はイノリのエラドとなることを誓うか?」


「誓います この者の運命がいかなる道を辿ろうとも、影のように寄り添い、母の如く包むことを。たとえ離れる時が来ても、魂は常にともにあらんことを」


静寂が満ちる中、“ふわりっ”と暖かな陽光が2人を包み、契約の印が刻まれたことを悟る。


「されば、この契約は成された。ルミエルの名のもとに、汝らの絆が永遠に続かんことを」

聖なる鐘の音が鳴り響き、儀式は厳かに終わる――


「イノリよ、あたしが強引に決めちまったけど本当にあたしがエラドで良かったのかい?」


「はい!お玉様が良いです。優しくて、綺麗で強くて獣に変幻が出来るなんて、イノリの夢です!いつかイノリも獣に変幻してみたいです!!」


「イノリ……あたしゃ元々が獣で、人間に変幻できるようになったんだよ……」

呆れたようにイノリを見る 玉藻前


「えっ!?」

目を見開き、絶句する イノリ



          〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「もうすぐイノリたちが帰ってくるだろう イノリが日の本へ持って行けるものは、身体で覚えた技術と頭で覚えた知識だけだ。今日中に占い師のジョブで何が出来るのかをイノリの身体に叩き込んでやろう」

ドーム中央でブルートが中心となり、ルイ、アラン、本多忠勝の4人が頭を突き合わせる


「そうだな、俺たち4人の攻撃をある程度でも凌げれば、日の本に行っても怖いものなど無いだろうからな」

ルイが楽しそうに笑う。


「…………………本気で…………行くぞ…………!」


「イノリのために、かたじけない!S級冒険者のみんなと渡り合えれば、エヴァも安心するでしょう」

3人に頭を下げる 忠勝


「さすがに5分も持たないだろうが、なんでも経験だからな!」


「じゃあアランと忠勝が前衛で、ルイは遊撃だな 僕が後衛を務めるよ」


その時、転移魔法陣に淡い光が灯り、3人の影が浮かび上がる


タワーシールドを構えたアランが、身構え

本多忠勝が大天狗へと変幻する

日の本のクナイを模した短刀を数本、両手の指の間に挟んだルイが影に潜み

鬼蜘蛛の黒い糸をドーム内に張り巡らせる ブルート


「うわ~~~凄いです!!イノリの稽古ですね!?ありがとうございます!!」

そう言うと、アランのタワーシールドに正面から向かっていく イノリ


「エヴァは、回復を頼む!お玉様はイノリとの連携を意識した加勢をお願いします!」

それを聞いた玉藻前が妖狐へと変幻する





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