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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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占い師

エヴァと忠勝に手を引かれ、荘厳なルミエル教会に足を踏み入れるイノリ

平日の早朝であるため、他に人の姿は無く、3人の足音が響き渡る

「そこの光の部屋でジョブを授かるのです イノリ1人でしか入れませんが、大丈夫ですか?」

よそ行きの服に着替えたイノリの髪を、指で整える エヴァ


「はい イノリは大丈夫です!行ってきます!」

忠勝の手を離れ、光の部屋へ向かおうとするイノリを引き止める 


「イノリ誕生日おめでとう どんな職業を授かろうとイノリは、父様、母様の大事な娘だからな

ちゃんとルミエル様のお話を聞くんだぞ 父様と母様は外で待っているからな胸を張って出てきなさい」

イノリを抱きかかえ、その頬にキスをする本多忠勝


「はい 父様、イノリが世界一強くなるための第一歩です!行ってきます!」

駆け足で、光の部屋の扉を開くと、なんの躊躇もなく部屋へ飛び込む イノリ


「世界一強くなる事しか頭にないようですが……いったい誰に似たのでしょう?」


「それは、旦那様に決まっているではないですか では、みんなと一緒に外で待ちましょうか」

可笑しそうに笑うエヴァが、忠勝の手を握り並んで歩く



“よくぞ参りました イノリ·ファべレイラ·本多。七歳の誕生日を祝福いたします。これよりあなたにジョブを授けます”

外から見ていた時には、小さな部屋だと思っていた光の部屋が、四方にあるはずの壁や床さえも認識できない光の粒子が飛び交う空間となっていた。


「ありがとうございますルミエル様、謹んでお受け致します」

見えない床に膝をつき、胸の前で手を合わせ エヴァに言われた通りに挨拶をする イノリ


”まずは、少しだけ語らせて下さい。

あなたは、特別な力を持つ父と母のもとに生まれ、数奇な運命を背負った存在です

そして、母の胎内にいる時から、偉大な力を持つ者に守られてきました。

望むと望まざるとにかかわらず、あなたはこの世界でも指折りの力を持つ存在となるでしょう

だからこそ、どうか願います。 その力を、正しき道のために使ってください……”


それを聞いたイノリの喉が“ゴクリッ”と鳴る

「イノリは世界一強くなれるでしょうか!?」


“はい その素質は十分にあります”


「イノリは世界一優しくなれるでしょうか?」


“なれると思います。わたくしも心からそれを願います。”


「イノリは世界一賢くなれ……?」


“あなたの職業はーーーーーーーー占い師です!!”

イノリの質問を途中で遮り、職業を宣告する ルミエル


「はっ!?う·ら·な·い·し……ですか?」


“はいっ占い師です では2ndアナムネシスでお会いしましょう 15歳の誕生日ですから、8年後ですね”


「あのルミエル様、占い師とは、どういったジョブでしょうか〜〜?」


      〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


重厚なルミエル教会の扉の隙間から、イノリが顔をのぞかせると駆け寄ってくる 一同


「イノリ!遅かったな!?なんの職業を授かったんだ?」

無遠慮に聞いてくる ルイ


「占い師です……母様、占い師って何でしょう?」

「う……占い師………ぷぷっ」必死に笑いを堪えるルイを、アランが羽交い締めにする


「占い師ですか?ジョブでは聞いたことがないのですが……ブルートは知っていますか?」


「ああ 知っているぞ、正しき道へと導く職業だ ある意味で勇者や賢者よりも希少だな

記録に有るのも、たった一人だけ初代マリアガ王国の国王だ この国は初代国王の常に正確な

占いにより、どんな難解な局面も判断を間違えずに興った国だと言えるわけだ」


「えっ!?占い師が!? なんの役に立つんだ?」

ルイが不思議そうにイノリを見る


「ジャンケンに勝つとか?」

その後、イノリにジャンケンで10連敗したルイは、小遣いをすべて巻き上げられるのだった。






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