イノリ日の本へ行く?
!?が無茶苦茶多い話になってしまいました!?
50階層ボス部屋のドーム内が“シーーーーンッ”と静まり返る
「いや……エヴァよ まだなにも言っていないのだが……」
大きな体躯を折り曲げ、あごを床に付けてエヴァの視線まで降りてくる 龍皇
「何のことか解りませんが、お断りします!」
龍皇の鼻先で、腰に手をやり堂々と睨みつける エヴァ
唖然と立ち竦む 本多忠勝
「な…なにを言っているのですか?古竜様は我々の主なんですよ?まずは、お話を聞いてみなくては……」
「旦那様、先ほどから悪い予感しかしないのです。 それもイノリに関係した」
「とりあえず聞いてみたらどうだい? 呑めない話なら断ればいいさ」
お玉へと変幻し、エヴァの横で一緒になって龍皇を睨みつける 妖狐
「イノリに関わる問題なら、俺たちも黙っては居られないぞ 古竜様」
ルイたち3人も、揃って龍皇の鼻先に集まる
「古竜様がイノリを危険な目に合わせるわけが無いじゃないですか!みんな落ち着いて下さい」
この世界への転移や、職から住居まで世話をしてもらった忠勝は、人一倍に恩義を感じていたのである 現在幸せに生きていられるのは龍皇のおかげだと……
忠勝以外に睨みつけられながら、龍皇がその重い口を開く
「隠してもしょうがないからな、簡単に言うとイノリに日の本へ行ってほしいのだ……」
“だぁぁぁぁぁんんんっ〜!!!!!!!!” 大天狗へと変幻した忠勝が、誰の目にも留まらぬ速さで、大斧を取り出し振るう そして龍王の鼻先をかすめた大斧が、床に深々と突き刺さる
「待てっ!待てっ!待てっ!待てっ!忠勝っ!話を最後まで、ちゃんと聞け!」
「これは古竜様、あんたが悪いよ」 「やはりわたしの心配が当たっていました」
「まぁ、しょうがないよな 当てなかっただけましだよ」 「そうだな、話し方が悪いな」
「………………愚………………」
“フゥーフゥーッ”といまだに鼻息の荒い、本多忠勝
「古竜様!日の本には強い人がいっぱい居るんですよね!? イノリは行ってみたいです!!」
「そうだろう〜! そうだろう〜!お〜居るとも、いくらでも居るぞ イノリは行ってみたいか!? イノリは、いい子だな~ それはそうと実はなネボアが動き出したのだ……」
「ネボアが? 10年前の戦いで古竜様が取り込んだはずでは?」
「そうなのだが、おぬしらも知っておる通り、物を持っては次元を渡れぬのだ つまりネボアは我も気付かぬうちに異物として排除されてしまったのだろうな なっ!?」
「なっ!? ではありません!! つまりは古竜様の落ち度ということですね!?」
激しく詰め寄る、エヴァ
「なにを言う、我の落ち度はみんなの落ち度ではないか!?」
「その理屈は、まったく解りません!!」
「ネボアもそうなんだが、九尾よ お前が死に戻ると同時にな崇徳院の怨霊までが姿を現したのだ」
「それは、またネボアと融合したということかい!?」
「いや……今のところは、まだ接触してはいないのだがな お雪に憑依をしおった」
「「なっ……お雪ちゃんに!?」」
エヴァとルイが同時に声を上げる
「ふむ お雪は、今では群を抜いて最強の人間だからな……いや人間の枠を超えてしまっているがな」
「そういうことなら、あたしが日の本に戻るよ ネボアも崇徳院もあたしが片をつけねばならない相手だろう……送っておくれ」
そう言うと一歩進み出る 妖狐
「九尾よ、もちろんお前には行ってもらうが、お雪に憑依した崇徳院は強いぞ もし仮にまたネボアと融合するようなことがあれば、前回の二の舞いになるのではないか?」
「古竜様、それでしたら わたしと旦那様も一緒に送って下さい イノリにはまだ荷が重いです」
「知っているとは思うが、異なる次元への渡りは、一往復のみだ エヴァは無理だし、忠勝が行くことは出来るが、戻れんぞ?」
それを聞いて、見つめ合う エヴァと本多忠勝
「イノリが行きます!!イノリがお玉様と悪者を倒して戻ってきます!!」
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