龍皇の憂鬱
イノリのターンです 書いていて楽しいw
「いよいよ明日ですね」どこか落ち着きの無い 本多忠勝
「……そうか……明日か……」表情の読みにくい アラン
「ああ 明日だね〜」 どこか楽しそうな 妖狐
「ついに明日なんだな!」興奮して拳を握りしめる ルイ
「そう言えば、明日だったんだな?」冷静を装っているが、読んでいる本が逆さな ブルート
「ええ 明日ですよ イノリの1stアナムネシスです みんな落ち着いて下さい!」
そう言いながら、空のお盆を持って”あたふた”と家中を歩き回っている エヴァ
「なにが明日なんですか?なにか楽しい事があるのですか!?」
忠勝が召喚した木の葉天狗に蹴り飛ばされ、5人の前に転がり込んでくる イノリ
「ああっ そうでしたね〜」
ピュンピュン竹を振り回しながら、再び木の葉天狗へと向かっていく イノリ
「なんなんだ? あの反応は?」
イノリを指差しながら、首をひねる ルイ
「いや どんな職業になろうが、イノリはイノリだから何でもいいと……」
申し訳なさそうに、頭を掻く 忠勝
「確かにそうだな、それよりも問題はエラドだな……そのために集まっているんだからな」
ブルートが鋭い視線を全員に向ける
「ん?エラドっていうのは、何だったけね?」
「お玉様 エラドっていうのは、日の本でいう後見人の事だよ こっちでは親代わりという意味だな まぁ俺が適任だと思うんだけどな」
「ルイよ、あんたじゃ心配で日の本に帰れないよ あたしが引き受けてやってもいいけどね〜」
「お玉様は、日の本に帰るのですから、論外です ここはやはり僕が一肌脱ぎましょう」
「………既婚者が…………適任…………」
「あ~ その事ですが、家内と話し合いまして、明日の職業が決まってから誰かにお願いしようと思っています 例えば戦士系ならアラン殿に魔術系ならブルート殿に隠密系ならルイにという事でどうでしょうか?」
「ちょっと待て!隠密系ってずいぶんと範囲が狭いんじゃないか?」
ルイが身を乗り出して抗議をする
「そんな事ないぞ、盗賊に暗殺者、詐欺師にならず者、斥候や密偵だろう レアなところだと
忍者なんかもあるな」
「ブルート……それ全部、イノリがなりそうもない職業だぞ?」
「そうでもないと思うぞ、イノリは身軽だからな、適性は十分だ それに父親の忠勝が言うのだからな、ここは従おう」
「あたしが、蚊帳の外っていうのが、気に入らないけどね……んっ!?なにかが来るよ、忠勝!とんでもないのを召喚したのかい!?」
「いえっ なにもしていませんが!?」
50階層ボス部屋のドーム中央に閃光が弾ける
咄嗟に障壁を張り、この場にいる全員を守るブルート
立ち昇る砂煙がじょじょに晴れ、閃光に眩んだ目も戻りかけた全員が見たものは
この世界の龍種を統べる者であり、この世界の秩序を護る者 【龍皇】
「久しぶりじゃな 古竜様」
「「「龍皇様!!お久しぶりです!!」」」
ー『古竜様……?とてつもなく嫌な予感がするのですが……』ー
眉根を寄せ、龍皇を見る エヴァ
「うむ……」
龍の王に相応しい、威風堂々とした体躯だが、心なしか今日の龍皇は小さく見える
「はじめまして龍皇様!イノリに稽古をつけに来てくれたん…ゴニョゴニョッ?」
隣にいた木の葉天狗が、慌ててイノリの口を塞ぐ
「ふむ その娘が、その方らの子供か……親も普通ではないが、なるほど尋常でない魔力量と
身体能力だな」
「はい 明日で7歳になります。 もしかして龍皇様は祝いに駆けつけて下さったのですか?」
本多忠勝が目を輝かせて、龍皇を見る
「ああ もちろん、それもある……イノリだったな おめでとう」
「どうしたんだい古竜様? 言いたいことがあるのなら、はっきり言ったらどうだい?」
鋭い視線を龍皇に向ける 妖狐
「ああ 実はな、日の本に……」
「お断りします!!!」
龍皇の言葉をぴしゃりっと遮る エヴァ
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