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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
38/515

於大の方と水野信元

前話で大伯父が大叔父になって居ました

修正しました

ブックマークしてくださった方

ありがとうございますm(_ _)m

「親より先に死ぬ以上の、親不孝はないやね。。。あの子は、どこに居ようと盆と暮には必ず便りをくれる

本当に優しい子だったんだけどね」家康の生母 於大の方が袖で涙を拭う

「お祖母様 大伯父様、私は父の仇を討ち 父の望みを武田信玄公と共に叶えとうございます」

頭を下げたまま、2人の言葉を待つ 信康

「信康 それは、ここで言ってもいい言葉ではないぞ ここは織田信長公の領地じゃ」

「大伯父様 天下泰平のために織田信長公か武田信玄公かどちらが良いのか今一度 お考えください」

「信康 お前も大人になったんじゃのう。。。ところで本多忠勝殿も久しぶりじゃのう 家康によく仕えてくれていたようじゃのう 甥に代わって礼を言う ここに居るという事は これからは、信康に仕えてくれるということ

なのだな?」安心したように うんうんと頷く 水野信元

「いえ 拙者の主は、生涯こちらに居られる天女様 唯お一人に御座います」胸を張り きっぱりと言い切る

巫女姿のエヴァを見つめる 信元

「大伯父様 ご紹介が遅れました こちらが武田家に降臨された天女様に御座います」

「お主まで、なにを? こちらの巫女様が天女だと? しかも武田家に降臨されたと?? これほどに美しければ

そう言いたくなるじゃろうが」

「ご挨拶が遅れました 信康様の大伯父様、お祖母様 この日の本のために天より遣わされた者です

 天は、この国の舵取りに武田信玄公を望んでいるという事です」

「噂は聞いていました 貴方が天女様ですか 誠に美しい 見ているだけでも寿命が伸びるというものじゃ」

於大の方様が目を細める

「な 何をたわけたことを 美しいというだけで天女だと言われても。。。えっ?」

天女に手を取られていた 於大の方の双眸から涙が溢れ、全身を暖かい光に包まれる

「長い事 生きているが、このような心持ちは初めてじゃのう おかしいのう涙が止まらぬ」

於大の方の表情から家康を亡くした哀しみの色が和らぎ 安らかな色が広がる

「胃の腑を病んでいらしたのですね もう大丈夫ですよ 長生きをなさって下さい」そっと手を離す

「兄上様」衿をただし 信元に向き合う 於大の方

「私の人生 楽しいことよりも辛いことの方が あまりにも多い人生でした 誰を恨むわけでは、ございませんが

 愛する息子を奪った者の為に 実の兄が、その息子の長男と争うのを私に見せるくらいでしたら。。。

 その前に私の命を終わらせては下さいませぬか?」

「於大よ、わしとて信康と争いとうは無い しかし信長公は、誠に恐ろしき方じゃ 水野家のためにも裏切るわけにはいかんのじゃ わかってくれ」わなわなと唇を震わせる 信元

「織田信長は、勝てませんよ それとここが攻められても援軍も出しません」当たり前のように言う エヴァ

「な 何を根拠にそのような事を!」声を荒げる 信元

「そうですね まず援軍は最前線のここではなく鳴海城に2万以上が向かっています 明日には入るでしょう

 思ったより対応が早くて驚いています」

「「「「はっ?」」」」一同まさに寝耳に水である

「勝てない理由ですが ここに居る本多忠勝とこの城内にいる すべての兵士たちが戦っても勝てないのですが

。。。。信じませんよね? そこに活けてあるお花を一輪お借りしても?」

於大の方が一輪の白い花を手渡す

「大伯父様 この花を折ることが出来ますか?」その花を信元に差し出す エヴァ

黙って受け取り 両手で折り エヴァに返す

「これが傷ついた兵です」そう言うと 左手で持った花に右手を翳す するとくの字に折れていた花が淡い光に包まれ真っ直ぐに戻る さらに青い光が包む

「もう一度 折ってください」また 信元に差し出す

「なんのまやかしじゃ?」受け取り 先ほどと同じように両手で折る。。。折れない? さらに力を加える

まったく曲がる様子もない 花びらを引っ張るがびくともしない

じっと見つめる 於大の方に手渡す しげしげと見つめ折ろうと力を入れる於大の方

「触った感触は、柔らかいのにね〜 これが天女様の神通力なのですね」

「はい 武田、徳川の兵は傷ついても私が治しますし そもそも傷つけるのも不可能かと」

黙ったまま逡巡する 信元


「兄上様、裏切るのではありません この於大の一生一度の願いでございます 私と信康のため いいえ 一族のために仇を取るのです!」







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