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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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刈谷城

「天女殿、誠に徳川信康と本多忠勝だけを連れて

水野信元の所へ行かれるのか?」信玄が心配そうに眉をすぼめる

「ええ 信康様の祖母も大伯父様も居りますし 家康公のお悔やみも申し上げなくては なんでしたら私と信康様を婚約者ということにして、入り込むのも面白いですね」ハッハッハ

「天女様、私には正妻が居ります 申し入れは、誠に有り難いのですが。。。さすがにひと回り歳が」

「はっ? 正妻?? 信康様はお幾つでした?」信康の最後の台詞を、言わせないとばかりに被せる

「13歳です 元服は、済ませております ちなみに妻も13歳でして結婚4年目になります」頬を赤らめ チクチクといらない情報を入れてくる


「さて!忠勝殿 異存はありませんね!」強引に話を反らしたようだ

「もちろんにございます 天女様の手足である拙者に是も否もございません」

妙にちぐはぐな3人に1人不安な信玄であった

「お館様 私達が戻り次第 鳴海城に向け出陣でよろしいですね 準備をお願いします」

「大野城(知多半島南端)と沓掛城は、放って置くのか?」

「どちらも戦わずして、取れますので 放置でよろしいかと」

「天女殿が、そう言うのであれば そうなのであろう うむっ では、帰るのを待つとしよう」


刈谷城までは、歩いても半日の距離である

家康の長男である信康本人の来城に、入城の許可もすぐに降り 本丸の奥の間に通される

信康の祖母である、於大の方様を椎ノ木屋敷まで呼びに行くので、しばらく待つようにと言われる

「信康様、この地の名物は、何なのでしょう? 美味しいものはありますか?」どうやら空腹のようだ

「ございます 平たく伸ばした麺に出汁つゆを入れ、ここ刈谷で捕れたキジや山菜を具材にしまして

最後に葱やかつを節を載せて頂くのですが とても美味しゅうございます 名前を雉麺と言っていたのですが

最近では、きしめんで通っているようです」信康も空腹のようだ

「その平たい麺というと、ほうとうのようですね? あの信州味噌で軽く煮込んだほうとうは絶品です」

「いえいえ きしめんは、あのような野蛮な麺ではなく つるつると滑らかで しっとりと優しい噛みごたえの

上品な麺でございます 信州味噌でなく醤油味で頂きます」

ぐぅ〜〜〜 ん? 顔を見合わせる2人 自分ではないと首を振る。。。 忠勝の腹の虫のようである

「味噌と言えば天女様! 天女様のお好きな味噌田楽の味噌は岡崎城より八丁離れた村、八丁村で作られております 信州味噌のように米麹を使わず 豆麹だけで2年も熟成させて作られておるのです」信康の郷土料理愛は、相当なもののようだ

「それで あの独特の苦味の中になんとも言えない旨味が生まれるのですね! 味噌田楽も好きですが、ほうとうも好きです 甲乙つけがたいですね きしめんも食べてみたいです」

ぐぅ〜〜ぐぅ〜〜〜 同時に忠勝を見る 素知らぬ顔で中空を見つめているが、顔が少し赤らむ 

「きしめんを食べられましたら ほうとうの事など忘れてしまう事請け合いにございます」鼻を膨らませながら意気込む 信康

「それは、ますます食べてみたいです! お腹が空きました」

不意にゆっくりと開いていく襖 慌てて襟を正す3人

「久しぶりであるな 信康」水野信元がゆっくりと部屋へと入ってくる

「お久しぶりでございます 大伯父様 お祖母様」

「息災そうで何よりじゃ きしめん。。。用意させるか?」


どうやら聞かれていたようである ぐぅ〜〜ぐぅ〜〜〜ぐぅ〜〜〜ん?









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