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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
342/519

時空を超えし者達

《時が動き出す。。。》


雨のようにドーム内に降り注いだ、数百の細い息吹が、人々の肩や腕、背中や運の悪い者は脳天を貫く “じゅっ”という音を立て体内を貫通した息吹が床面をも溶かす


【慈愛に満ちたる天の光 天使の息吹となり 傷つきし者を癒やし給え 天光治癒】

と同時にエヴァが広範囲に治癒魔法を掛ける ドーム内が黄色く暖かい光に包まれる

玉龍を手にしたエヴァの魔法は、効果が増幅し四肢欠損や即死でない限りは 

瞬時に傷を癒やす 

運悪く脳天を貫通された者でさえ 息吹が極細だった事が幸いし即死には至らず

本人でさえも何事が起きたのか理解しないまま、頭を押さえ天井を見上げていた

「なんとか間に合いました!しかし。。。」

忠勝の首の刀傷は癒え 失った四肢も、あと僅かな時間で再生するだろう しかし

上空のナーダの息吹は、すでにナーダの体全体を隠すほどに膨れ上がり

十分すぎる時間を与えすぎてしまったことを物語る


「このドームが、あれに耐えられるのか!?」

「絶対に無理だろう!?」

「ここまで、みんながよく頑張ってくれたよ!悔しいけどここまでだな。。。」

「ああ 最後に凄い物を見せてもらった、我が人生に悔いはないが、あんな化け物を後世に残してしまうのは申し訳ないな」

みんなが思い思いの言葉を口にする ここまでの戦いを見て ナーダの顔前にある息吹が

どれほどの威力を持つのか、理解しているが上の感想である


「エヴァ!!あれをどうする!?」

「ブルート。。。あれを弾き返す術は。。。旦那様!!」

四肢が未だ癒えない、忠勝が目を覚ます

«これ以上、我の国の民を、あの魔王に一人も殺させぬ!»

「「古龍様!!」」

古龍の声を聞くことが出来る エヴァと直政が声を上げる

«直政よ!よく聞け! あの息吹が着弾する瞬間に、この空間すべてを我の治める亜空間に一瞬だが移すぞ

我が合図をしたら、この空間すべてを包み込むように切り取るのだ 

お前の術と我のエネルギーがあれば、成功するはずだ 合図と同時に切り取る事だけを

考えろ!エヴァよ、直政を支えよ!!»

未だ動揺している直政を後ろから抱き締める エヴァ

「解りました 古龍様。。。初めて名前を呼んでくださいましたね」

«これが、最後になるかも知れぬからな»

「直政君、解ったわね?貴方なら出来るわ」

「はい 天女様!大丈夫です 必ず成功させます!!」


「エヴァ?何を話しているんだ?」

「みんな聞いて下さい! 直政君の術と古龍様の力で、この空間すべてを息吹が着弾する瞬間に、古龍様が治める亜空間へと一瞬ですが飛ばすそうです」

「そんな事が出来るのか!?」

「すげぇ!時空を超えるという事だな!?」

ブルートとルイは、すぐに反応するが、ほとんどの者達は、なんの話か理解出来ず 

ぽかんっとしている


「来ます!念の為、身を低くして下さい!!」

高空より、ナーダから放たれた 米粒ほどの漆黒の息吹が、みるみるうちに、その大きさを増していく 映像で見ているにも関わらず、圧倒的な威圧感と存在感を持って2,000人の頭上に迫る 黒く燃える巨大な息吹 

反射的に頭を抱える者達 腰を抜かしへたり込む者達 ごくりっと息を呑む

«今だ!!!!» 八岐大蛇が叫ぶ!

草薙剣を上段から振り下ろす 直政 

古龍の欠片が体内に残ったエヴァには見えていた 現実世界で草薙剣を振り下ろす直政と

それに重なるように、平行世界で【時の宝戟】を振り下ろす 

直政が、ドーム内を丸く切り取ると、水が巨大な滝を流れていくように、亜空間と呼ばれる滝壺へと流れ落ちていく 

衝撃に備え、右手で忠勝の手を握り、左手で直政を抱き寄せ、思わず身体を硬くする

エヴァ。。。



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