表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
339/519

勇者·本多忠勝

«天女よ あ奴らをここで戦わせては、地下に避難している者たちに被害が出るぞ»

「そうですね 空へ誘導します 直政君をお願いします」


無数の結界を投げ 玉龍を脇に挟み、結界を蹴りながら上空へと駆け上がる エヴァ

玉龍に魔力を注ぎ、いくつもの小型の竜巻を創り出すと風刃をそれぞれに投げ込んでいく

「ナーダを切り裂いて下さい!行け〜!!」

唸りを上げ 地上のナーダへと襲い掛かる いくつもの竜巻

3mもの巨体とは思えない 軽快な脚さばきで、次々と襲い掛かる竜巻を交わしながら

上空のエヴァに竜爪を飛ばす 瞬間移動でエヴァの前に現れた忠勝が、それを弾く

巨大な忠勝の蒼い背中に守られた エヴァが「ほぅっ」と溜め息を漏らす

愛する者に守られる安心感、長い時を生きた自分が、初めて味わう少女のような

感情に戸惑う エヴァ

「旦那様。。。その腰に挿した団扇は何なのですか?」

「えっ!? あっ忘れていました 魔王殿で貰った物です 使ってみましょう!」

蜻蛉切りを背に結び付け 羽団扇を手に取る 神通力を通し面積を増した羽団扇を地上のナーダへと向け扇ぐ

“ぶわっ〜〜〜〜っ!!”とてつもない突風! まさに神風が、エヴァの創り出した 竜巻をも呑み込み 地上の砂や石、岩までも巻き上げる 上空へと巻き上げられたナーダが

強風に揉まれ、態勢を立て直そうと藻掻くのだが、まるで質量を持った突風が、上下左右

あらゆる角度からナーダに襲い掛かり まるで子供が乱暴に扱う操り人形のように空中で上へ下へと奇妙な踊りを披露する ナーダ


「旦那様!凄いです 良い物を頂きましたね!!」

「はい これを鞍馬山の大天狗に持たれた時には、手も足も出ませんでした。。。

近づけば飛ばされ、何度地面に打ち付けられた事か。。。」

急に思い出し、しょぼんっと肩を落とす 忠勝

「その憂さを、魔王ナーダで晴らしましょう!!」

「そうですね!見ていて下さい!!」

羽団扇を握る手にさらに力を込め ナーダに向けて扇ぐ 忠勝から発せられた竜巻がうねりながらナーダを呑み込み さらに高空へと押し上げる

「行ってきます!直政君をお願いします!」

「旦那様、ご武運を!」

自らも竜巻へと飛び込み ナーダを追う忠勝


周辺の雲までも吹き飛ばし、吹き荒れる竜巻の中 睨み合う ナーダと忠勝

極限まで細く絞った黒い息吹をナーダが放つ 羽団扇を一振りし軌道を反らすと

懐より取り出した雷大鼓を乱れ打ち、幾本もの雷をナーダへと落とす 

一瞬動きの止まったナーダへ蜻蛉切りへと持ち替え

弓へと変幻させると、すかさず引絞り 千本を越える矢を放つ 【神威·千本桜】

蒼い尾を引き、ナーダへと迫る矢

尻尾を振るい 瘴気を纏った竜鱗を飛ばし 千匹を越える魏頭魔を産み出す ナーダ



地上より上空を見上げる エヴァと直政

「忠勝さん 凄いです!ナーダと互角に戦っています!!」

「ええ。。。本当に。。。魔王殿でどれほどの苦行に耐えたのか。。。何度も死んだと言っていました 指の肉が裂け、剥き出しになった骨を岩の隙間に突き立て、崖を登ったそうです その他にも様々な試練を私や仲間を救う為に乗り越えて戻られたのです」

«尊天と言うのは、そういう者だ 並の精神力、体力の人間が与えられる加護では無い

この星に厄災をもたらす者が現れた時、それを討つ為に宇宙の大いなる意志が650万年もの太古に用意していたのが、三位一体·尊天じゃ 650万年もの間、その加護を授かる者が居なかったのだ 魔王の誕生と同時に、お前の夫がそれを授かった。。。

そういう運命だったのだろう»

「魔王を倒す者と言うことですか?」

直政が古龍に問い掛ける

「エヴァの旦那は、勇者という事だな!」

いつの間にか、直政の背後に立つ ルイが応える


ブックマーク&星で評価などして頂けると嬉しいですm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ