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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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時の宝戟

説明ばかりの回になってしまいました

その解釈は間違っているよ など言いたい方も居るでしょうが

中学生レベルの知識で書いた物だと思って、読んでやって下さい

«ここからは、ちと難しくなるが、時間も無いのでな ついてこれん者は置いていくぞ

お前達が、今見ている世界は、3番目の次元なのだ、面倒なので3次元と言うぞ

1次元というのは、線じゃな»

エヴァと直政、2人の頭の中に八岐大蛇が描いた直線が浮かび上がる


«その線を切断するぞ»

2人の脳内の線が切断され、切断面が拡大される

«面になったであろう?紙のような物だと考えても良いな これを2次元と言う»

「なるほど!だからこの世界は3次元なのですね!?」

「えっえっ?直政君!何がなるほどなの??」


«ふむ 察しが良いな つまりこの面となった2次元を、また切断すると縦と横に加え奥行きが生まれる これが今見えている3次元と言うわけじゃな»

2人の脳内に紙のような平面が切断され拡大される 

«小僧 お前の時の精霊の能力は次の次元 4次元に干渉出来る能力なのだ»

「つまり、この世界 3次元を切断すると言うことですね!?」

「えっと。。。なるほど切断するのね。。。? どうやって、何を切断するのかしら?」

考える事を放棄した エヴァ


«では切ってみるか?切った切断面にもう1つの次元の世界があると、その頭で理解するのだ、今いる世界から4次元を経由し3次元に干渉するというイメージだな»

「理屈は理解できましたが、どのように切ればいいのでしょう?」

«お前の精霊だけが持っている【時の宝戟ほうげき】を使うのだ そこから動かずに、あそこに見えている玉龍を取ってみよ!»

500m以上離れた所に穂先を地面に突き立てている 玉龍に赤い点が重なる

「あっ!お玉様、青龍あんな所に。。。ごめんなさい」

「やってみます!時の精霊ハロルよ、僕に新たな力を与えて下さい【時の宝戟】を貸し与え下さい!」


見えているすべての物が色褪せる 直政だけの時の世界、妖狐の宿る玉龍を片目で見て、時の宝戟と化した草薙剣を振るう 

直政と玉龍との間、ちょうど中間地点に巨大な時の刃が突き立つ 空間が裂け、色褪せた世界が大河の流れのように滝壺へと落ち、呑み込まれていく

玉龍の突き立つ地面と井伊直政の足元までが、すべて滝壺へと落ち 直政の目の前に突き立つ 玉龍

«お前の前から落ちて消えた世界が、4次元 時空の異なる世界だ»

「古龍様は、この時の止まった世界で見えているのですか!?」

«我に時という概念は無いからな しかし1度で理解し成功させるとは、恐ろしい小僧じゃな がっはっはっは! 我の目に狂いは無かったということか! その玉龍を手に取るが良い»

「ありがとうございます!まさか古龍様に褒めて頂けるなんて。。。」

«ちなみにお前の精霊は、次の次元である5次元まで干渉する権限を有しているぞ»


「あの。。。直政君。。。?」

動けるようになったエヴァが口を開けて“ぽかんっ”と目の前の光景に立ちすくむ


「5次元? この4次元をさらに切断した世界ですか?」

«ふむ 人間の矮小な脳で理解するのは無理かもしれんが、我の管理する異世界では

【パラレルワールド】と呼ばれている»

「異世界?パラレルワールド?ですから古龍様の言葉には、イメージとか聞き慣れない言葉が出てくるのですね!?」

完全に置いて行かれている エヴァ

«その事は、まぁよい では直政 天女の夫を助けるとするか、奴に死なれても困るのでな»

「直政君を名前呼び!? 私には、お前とか天女としか言ったことがないのに!?

お玉様!酷いと思いませんか!?」

手渡された玉龍に縋るように話しかける エヴァ



瘴気の渦巻く球の中で、大天狗の変幻も解け 本多忠勝の姿で魏頭魔と戦い続ける

ときおり飛来するナーダの爪の攻撃に体中を貫かれ、再生速度が明らかに遅くなっている事に焦りを募らせる 忠勝

「ここから、なんとか脱せねば これ以上失態を晒すわけにはいかん!」

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