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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
318/520

エヴァと魔王

遅くなりましたm(_ _)m


あと沢山の誤字脱字報告ありがとうございました お恥ずかしい 修正させていただきましたm(_ _)m

八岐大蛇の降臨したエヴァと、魔王形態となったナーダとの戦いは、まるで天界の怒れる神々の戦いを連想させる 激しい攻防が繰り広げられるが 双方が決め手に欠き 

辺りがすっかりと闇に包まれる


練兵場の依り代から蘇生した、天武の面々とアラン、ブルート、ルイは、エヴァの“絶対に参戦するな!!”という伝言を聞かされ、自分達が行っても足手まといになるだけだと、壁面の映像を祈るように見つめていた

「エヴァに草薙剣を抜かせてしまったな。。。」

ルイが唇を噛み締めながら呟く

「これでエヴァが、ナーダを倒してくれても俺達は、どんな顔をしてエヴァに会えばいいんだ?」


「ブルート先生 天女様は、本当に自分を生贄にしてナーダと戦っているのですか!? 勝っても負けても死んでしまうということですか??」

「嫌だ!!そんなの絶対に駄目!!そんなの耐えられない!!」

「お腹に赤ちゃんが居るのが、わかったばかりなのに。。。アラン様、天女様を助けて下さい!!」

「。。。。。どうすれば。。。。」

信忠が茶々が千代がアランに縋るような眼差しを向ける


月明かりに照らされるエヴァとナーダ

そして少し離れた場所で、巧みに時間停止を繰り返しながらナーダの攻撃を避け

時には、エヴァの補助にと立ち回っている 井伊直政

時の精霊ハロルの時間を操る能力は、魔王であるナーダの圧倒的な暴力を持ってしても

仕留め切ることの出来ない 稀有な能力だと言うことが、証明されていく

天武の子供達の中でも、精霊との親和性が茶々と並んで高く、実戦の中で使い続けてきた

直政とハロルは、徐々にハロルの能力を解放していく

時間遅延から時間停止へ そして間もなく新たな能力を手に入れようとしていた

「耳の奥が、熱い。。。これってハロルが僕の頭に何かを仕込んでいる時の感覚だよね? 時間停止を覚えた時もこんな感覚だった。。。」



エヴァが草薙剣を振るう 稲葉山の土が岩がめくれ上がり、うねりを上げ大波のように

ナーダへと襲い掛かる 瞬間移動でエヴァの背後へと飛んだナーダの真下から、その事を読んでいたかのように、地表から突き現れた巨大な岩の手が、ナーダを捕らえる

握り潰そうと閉じられた大岩の指の隙間から黒い瘴気が漏れ出ると、ボロボロと崩れ落ちる巨大な岩の手

長良川の上空までナーダを誘い込んだエヴァが、数十本の竜巻を生み出すと

水上を縦横無尽に走り回り長良川の水を巻き上げていく 巨大な水の鞭となった竜巻が

次々とナーダに襲い掛かる 

竜巻に弾かれ、叩き落され、1本の竜巻に飲み込まれると、次々と周囲の竜巻が合わさり山のように巨大になった竜巻が、ナーダを揉みくちゃにする 

その竜巻に絶え間なく水刃を投げ込んでいく エヴァ

「これで死んで下さい!!」


竜巻の水が黒く染まり パーーーーーンッと弾け 周囲に大雨を降らす

そこには水を滴らせた、無傷のナーダが浮遊していた

「女よ なかなかに楽しかったが、我に傷を与えることも叶わぬようだな そろそろお前に絶望を与えてやることにしよう あの地下の穴蔵に隠れている人間共をすべて殺せば

お前は、どんな声で泣くのだろうな フッハッハッハッハッハ!!」

「絶対にさせません!!」

ナーダの体に纏った瘴気がどんどんと膨れ上がり、爆散すると小さな無数の粒となって

新岐阜城の方へと散っていく

「我の竜鱗をあの周囲にどれだけ撒き散らしたと思う?」

万を超える、竜鱗に瘴気の粒が結び付き 次第に手足が生え 頭が盛り上がっていき

長い尻尾が生える 人の背丈ほどの黒い体を鱗で覆われた、爬虫類のような生物が

長く細い舌を出し入れしながら 新岐阜城へと向け行進していく



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