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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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魔王2

「お兄ちゃん!!お兄ちゃんが死んじゃった〜!!」

「アラン様〜!!アラン様が死んでしまいました〜〜!!」

床にヘタリ込み、泣きじゃくる茶々と千代 その2人を背中から抱きしめる お雪


「天女様。。。お目覚めですか? なぜ泣いているのですか?」

おりんが、エヴァの顔を覗き込む

「えっ!? 私が泣いているのですか?」

自分の目元に手をやり、濡れた指先を見つめる エヴァ

「みんな死んじゃったと聞こえましたが。。。?」

しーんと静まり返った大食堂内 

壁面の映像に目を遣る そこには、フォゴもナーダの姿も無く 片腕を失った夜叉と

その後ろには、身長3mほどの吸い込まれるような闇、漆黒と言う言葉では足りないほどの闇を纏った異形が、宙に浮いている 彼らから50mほどの距離を置いて酒呑童子と化したルイが、童子切安綱を手に立ち 映像からも肩で息をしている様子が覗える


「フォゴは? ナーダはどうしたのですか??」

「ナーダがフォゴを喰べたのです みんなの攻撃で満身創痍となったフォゴをナーダが肉の一片も残さずに喰べたのです その後に酷く苦しみだしたナーダにみんなで攻撃を試みたのですが、夜叉の決死の反攻にあい、凌ぎ切られてしまいました」

「みんなは?ブルートは?アランは?子供達は!?」

「天女様 落ち着いて聞いて下さい フォゴを喰べたナーダが、酷く苦しんだあとに仮死状態のように動かなくなり、しばらくすると脱皮を始めました そして現れたのが、あの姿になったナーダなのです その後、瞬間移動のように一人一人の目の前に現れ、手の平から覇気を浴びせるとみんな一瞬で蒸発してしまったのです 鬼神の覇気でなんとか相殺したルイと時間停止で逃れた直政君だけが無事ですが。。。いつまで逃げ切れるか」

「待って下さい!?みんな死んだ??」

「あっ!? 茶々ちゃんの即死回避で、練兵場に依代を用意していましたので、復活までに時間は掛かりますが、大丈夫です。。。」

ほっと胸をなでおろす エヴァ

「良かったです 即死回避が使えたのですね。。。やはり即死回避が作動しなかったのは、私が原因だったのでしょうね。。。2人を助けに行かなくては!」

「「天女様!!やめて下さい!!!」」

おりんとお雪が声を揃える

「天女殿!わしも一部始終を見ていたが、あれは強いとかそういう次元の話では無い!

生物の枠の外、伝え聞く神話の神々でさえ、あれほどの力を持っていたとは思えん!!

行ってはならんぞ!!」

武田信玄が酷く憔悴しきった顔で訴える


「それでも、私は行かねばなりません ここに居る全員が殺されるのを指を咥えて見ているわけにいきませんから 私はみんなを救うために遣わされた天女なのですから」

行かせまいと玉龍を胸に抱き、ふるふるっと首を振る お雪を抱きしめる エヴァ

「大丈夫です お雪ちゃん 私は死にません。。。このお腹の子が成長し、ともに過ごす夢を見ました ですから私の死に場所は、ここではありません!」

お雪から、そっと玉龍を受け取ると大食堂の扉へと歩きだす


「「「「「本多忠勝!!貴方はどこに居るのですか!!??」」」」」



地上階へと飛び出すと、三角の狐耳をぴんっと立て、九尾に空気をたっぷりと含ませた

エヴァが空中に無数の結界を撒き散らし、ルイと夜叉が切り結ぶ空域へと駆け上る

「ルイ!お待たせしました!!」

「エヴァ!!なんで来たんだ!?ナーダは、もう俺達の手に負える生き物ではないぞ!? どうやら俺達は、魔王を誕生させてしまったようだ。。。」

「ほぅ お前達にも、魔王という存在がわかるのか!? 天女と呼ばれる女よ 尻尾を巻いて逃げたかと思っていたぞ!」

「ネボア 貴方との因縁もここで終わりにしましょう!」



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