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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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伝書鳩

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ありがとうございますm(_ _)m

海津城城下で散策を楽しむルイ

茶屋で団子を頬張り 次は何処の店を冷やかそうかと

歩き始めたときに ルイの魔力に引かれ一羽の鳩が肩に止まる

両足に括り付けられた紙片を取り広げる

〈1月16日迄に岡崎城に集合! エヴァ〉

脳内に転写された地図を確認する

「ふむ だいぶ期日までには余裕があるな さっきの茶屋の女の子を遊びに誘うかな」鼻の下を伸ばし だらしなくニヤける

左足に括り付けられた もう一枚を広げる。。。。。。。

〈道中 信濃 甲斐 駿河 遠江 三河のすべての城に

 魔力アンテナを設置し連絡用の鳩を置いてくること〉

「ちょっと待て! 何個の城があると思ってるんだ!! 何個の山を超えると。。。こんなに小さな紙にどれだけの情報を? 

 なぜ読めてしまうんだ??」普通の人には極小の点にしか見えない なぜか読めてしまう ルイ

色々なことを諦め 海津城に戻り物見櫓に竹を突き立て

魔力を通す 鳩に識別が出来るように 魔力回路1番が海津城と

脳内地図に書き込む 空間収納から鳩小屋を取り出し設置する

従属した鳩を一羽放り込み 足早に内藤昌豊を探しに城内に入る

気配察知で二の丸にいることを確かめ中庭を駆け抜ける


「内藤様! 聞いてくれ 物見櫓に鳩小屋を設置して鳩を一羽

 入れてある 俺やお館様に連絡したい時には鳩の足に文をつけて飛ばせば 俺が何処にいようが俺のもとに届くぞ

こちらから連絡したい時にも、どこから飛ばしても鳩小屋に

到着するから 必ず毎日見てくれ 餌やりは忘れないでくれ

 じゃあ 次の城に行かないといけないから またな」

早口で捲し立てると 風のように部屋を出ていく ルイ


脳内地図を広げて、走りながら道程を検討する

「北東に進んで飯山城 同じ道程を戻って南に葛尾城。。。

 残り6日で62城 1日に10城は絶対に行かないと。。。。

 これ絶対におっぱいの仕返しだろ!!」

泣き叫びながら 馬よりも速い速度で野山を突き進んでいく

エヴァの発案による、各領土に設置された伝書鳩により

あらゆる局面を武田家は常に有利に運ぶことになるのは

もう少し先の話



その頃エヴァは、自室で煎餅を齧りながら ルイの魔力周波数は

いくつ有るのか? 鳩を何羽まで従属させられるのか?

などと頭脳労働に勤しんでいた


出陣の準備で慌ただしい 浜松城

各領主たちも、それぞれの領土へと帰り戦の準備に追われていることだろう

糧食や備品の納入のために朝から何台もの牛車や大八車が出立して行く

そのような光景を縁側に座りながら眺めているエヴァ

暇なようである いや間違いなく暇なのだろう

勉強会をしたくても昌幸は、慌ただしく走り回り

話し相手といえば徳本先生しか居ない

そんな中、本丸の中庭を横切り こちらへと歩いてくる

井伊直虎、直政親子

エヴァの足元まで歩み寄り 中庭の土の上に正座から平伏する

額は地面スレスレ 2人揃って見事な土下座である

エヴァにとっては、何度も見た儀式であるが 正直好きにはなれ無い しかも子供の土下座など生理的に受け付けないようである

「天女様 我が兄の忘れ形見である」「ちょっと待って」

直虎が震える声で話し始めたところを、ぶった切るエヴァ

「はっ?」「ごめんなさい でも私には、そこが人間の座るところだとは思えないのです しかも直政君は病み上がりです

あなた方の様式美に意見はしたくないのですが 誰も見ていない この場では不要としましょう」

「はっ??」 「こちらへ上がってください ここでお話をしましょう」そう言い縁側の自分の横を指差すエヴァ

「そんな! 滅相もございません」額を擦り付けんばかりに平伏す直虎

「そこではお話をしたくないのですが。。。どうしましょう?」

「天女様 ありがとうございました」そう言うと 直政が立ち上がりエヴァの横に腰掛ける

「あわわ 直政」口をパクパクとさせ 言葉にならない 直虎

「どうですか? どこも痛いところはありませんか?」

「はい 天女様のおかげで以前よりずっと調子がいいです」

直政の頭に手をやり 微笑む

「あなたは聡い子ですね 領民を大切にする 立派な領主になってお館様を助けて下さいね」

「はい 天女様に約束します!」

直虎のパクパクが止まらずに本気で心配になる2人








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