岩村城無情2
「くっそーー!!こいつ等なんて事を!!」
「やめろー!やめてくれっーーー!!!」
「逃げるんだーー!頼む!!逃げてくれーーー!!!」
悲鳴と怒声が乱れ飛ぶ 大食堂内
目を見開き、強く唇を噛みしめ画面を凝視する 武田信玄
「ここへ来る前に腹を満たしていると言うのかっ!!
人間も腹を満たすために生き物の命を頂くが、こ奴らのは虐殺ではないか!!!」
噛みしめた唇から血を滴らせ、押し殺した怒声を吐く
「満腹丸君の所へ行ってきます!おりんちゃん一緒に来てください!!」
おりんの手を取り階下の練兵場へと駆け出す エヴァとおりん
天守閣で雷撃の衝撃で気を失っていた秋山虎繁が目を覚ます
「いったい何が起こったというのか? お前達!目を覚ますのだ!!煙に巻かれるぞ!! 起きろっ!!!」
燃え上がり、今にも屋根が崩れ落ちそうな天守閣から2人の従者を引きずり階下へと逃れる
「おつやと御坊丸を避難させておいて、本当によかった。。。死に場所は、ここと決めているが、この命簡単にはくれてやるわけにはいかんぞ!!」
居室に飛び込み、床の間の鎧に立て掛けられた長槍を手に取ると階段を駆け下り
中庭へと飛び出す 秋山虎繁
そこには、目を覆いたくなる光景が。。。 腕が頭が足が、あちらこちらに散らばり
腕を引きちぎられた男の頭に喰らいつく黒い竜 咀嚼しながら頭を上げ 虎繁を見る
“グルルルッ”と喉を鳴らし 何やら値踏みでもするように目を細める ナーダ
武田信玄より下賜された愛槍をナーダに向け正眼に構える 秋山虎繁
「虎繁!!逃げるんじゃ!!そんな所で死なせる為にお前を行かせたのではないぞ!!
逃げろ!!!」
凄惨な中庭が映し出された画面に向かい叫ぶ 武田信玄
最下層 練兵場
北西の隅に繭を張る、満腹丸の元へ駆け寄る エヴァ
「満腹丸君 起きて下さい」
「。。。。。。。。。。。。。。。」
「満腹丸君!私です 起きて下さい!」
「天女様?。。。ネボアを消化するまで、まだ時間が掛かります」
「はい 解っています ネボアと話をしたいのですが」
「ネボアと話を? ちょっと待って下さい」
巨大な繭の正面に内側から黄色い光が灯り 焼け切れるように円状の穴が空き
徐々にその穴が大きくなっていく
「天女様 その穴から手を入れて、僕の背中に触れるとネボアと話が出来ると思います」
「ありがとう満腹丸君 よく聞いて下さい 今、岩村城が2匹のバハムートに襲われ
沢山の人が惨たらしく殺されています その虐殺を止める事と満腹丸君の解呪を条件に
ネボアを開放しようと思うのですが?」
「天女様!僕の解呪は後回しでもいいです すぐに止めさせて下さい!」
「ありがとうございます満腹丸君 必ず貴方も助けますから!」
正面に開かれた穴から腕を差し入れ、満腹丸の背中に触れる エヴァ
「ネボア聞きなさい! 聞こえますか?」
“天女と呼ばれる女か?”
脳内に直接ネボアの声が響く
「貴方の兄弟達が、人間の城を襲っています 今すぐ辞めさせなさい」
“何を言っている? 我の兄弟達も腹が減れば人間を襲う 餓死しろというのか?”
「今そのことについて議論する気はありません 貴方はこのままでは、あと数日で満腹丸君の体内で消化され消えて無くなることを理解していますか?」
“まったく驚くべき能力だな、我が抗う術が見つからないのだからな しかし我の兄弟達が救いに来ると信じているぞ”
「そこで貴方に交換条件です 貴方を兄弟に引き渡す代わりに、この満腹丸君の解呪と虐殺を今すぐにやめさせなさい」
“ふむ。。。断ったら?”
「この場で貴方の息の根を止めます 10秒で決めて下さい」
“どうやら、本気で言っているようだな。。。”
「あと5秒です」
“わかった その条件を飲もう フォゴ、ナーダよ遊びは止めて、我を迎えに来てくれ”
「満腹丸君の解呪は?」
“すでに済んでおる”
「おりんちゃん、満腹丸君を見て下さい」
「はい天女様、確かに解呪されています」
「では満腹丸君 ネボアをこの封印結界の中に移しますね」
ブックマーク&星で評価して頂けると嬉しいです




