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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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凪の時

「母上 江は連れてきてはいないのですか?」

「茶々 江は産まれたばかりですからね 二条城で初(お市の方の次女)と留守番です 次に都へ戻った時には、可愛がってあげてくださいね」

「はい母上!お兄ちゃんと一緒に精一杯可愛がります!!」

「それよりも天女様、満腹丸は本当に大丈夫なのでしょうか?」

「大丈夫です 心配いりません 呪いの進行は完全に止まっています 上空の瘴気の雲を、解除させるためにネボアと言う怨霊を一度開放しますが、私達の総力を上げて

必ず倒しますので呪いは解呪されるでしょう」

「お市 満腹丸も武家の子供だ、何があろうと狼狽うろたえるでないぞ」

「貴方の、あの満腹丸を見たときの顔は、私よりもよほど狼狽えていましたよ」

周囲に居るみんなが、うんうんと肯く


「それでは皆さん ここでいつまでも立ち話は何ですから、上階の大食堂にお昼を用意しています 休みたい方には、部屋も用意できますので羽柴組の者に言いつけて下さい」

声を張り上げる 羽柴秀吉


エヴァ達の作る建築物を初めて目にする武将達は、地下だというのに殺生石で煌々と照らされた室内や廊下、空調の整った石造りの壁や床 見る物すべてが珍しくキョロキョロと

首を巡らせながら、階上の大食堂や居住空間へと移動して行く

大食堂へと入ると 想い思いの席へと着いていく

ここでもテーブルに椅子といった 初めて見る様式に戸惑いながらも腰を下ろし

その快適さと食事の質に感嘆の声が上がる


「伝説の竜と戦うと聞いて来たが、こんな立派な建物を破壊できる生き物が居るのか?」

「なんでも一昨日の戦いでは、ドーム状の上っ面と地上階の床は、破壊されたらしい」

「そんな生き物が本当に居るのなら、冥土の土産に見ておかなきゃならないな!」

「天女様達が居る限り、まだまだ冥土に行くことは無いだろ! もしも負けちまったら

みんなで仲良く冥土行きだけどな がっはっは!」

そんな会話が、そこかしこで飛び交い 火竜達の驚異的な強さを聞きながらも

悲壮感など微塵もなく、エヴァ達の勝利を信じて疑わないという事もあるが

戦乱の世をここまで生き残ってきた者達にとって、自分達の想像も及ばない強者が

居ると聞けば、命を賭けてでも見なければならないという衝動は抑え難い物のようだ


「伊達政宗君も、こっちで一緒に昼食にしよう」

「そうそう政宗君、ここに座って 茶々の父上と母上を紹介するね」

「茶々 そう言うかしこまった話は無しにしよう 政宗君の領土は離れているからな

2日では間に合うはずも無かろう、しかし気持ちでは我等と同じように駆け付けたかった事だろう」

「はい伝書鳩にて文を頂きました 出来る事を精一杯やるようにと」

「そうだな、人間どれほど強く願っても、結局は出来る事しか出来ない

どのような結果になろうとも、誰も君達を責めたりはしないぞ、君の今出来る事を

精一杯やってくれ」


「叔父上、叔母上 挨拶が遅れ申し訳ありません」

「ああ信忠、随分と活躍していると聞いているぞ」

「僕などまだまだです 先日の戦いで天武で一番活躍したのは間違いなく茶々ちゃんです 何百人の命を救ってくれたのは茶々ちゃんですから」

「ベラとフローの言う通りにしただけだよ 一人も死なないで良かったです」

「そうか 茶々も頑張ったのだな、怖くは無かったか?」

「みんなと一緒だから大丈夫です!」


そして隣のテーブルでは、千代と千代の両親、そしてアランがテーブルを囲む

「アラン様は相変わらず気持ちの良い食いっぷりですな ささっこちらの焼き魚もどうぞ!」

「アラン様、は〜い、あ〜んして下さい」

利き腕を失ったアランにかいがいしく世話をする 千代

「自分で。。。食べれる。。。。」

「ほらっ千代 これも食べて頂きなさい 腹が減っては戦は出来んと言いますからな!」

「そうですね。。。戦いの様子をみんなに見て頂く事は出来ないでしょうか?

外に出て見る事は出来ませんからね。。。エント·キングの視覚共有の応用であの壁に映し出すとか? お願い!サンドマン!!みんなに見て欲しいの」

「おお〜私らも是非にも見たいですな」

「夢の精霊サンドマンは、みんなの願いを叶えてくれるの みなさんもここから戦いの様子を見てみたいですよね!?」

椅子の上に立ち、大声で問い掛ける 千代

「「「「「「「「「「そりゃ見たいさ!!!」」」」」」」」」」



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