陣中見舞い
続々と到着する 各領主と従者により、徐々に人口密度を増していく練兵場
山のように積まれていく、陣中見舞いの土産
京の甘味に天武の子供達が群がり それを嬉しそうに眺めている 武田信玄
そこに羽柴秀吉が、自ら案内してきたのが、浜松城より駆けつけた。。。
「お館様、天女様 徳川信康殿と榊原康政殿が到着されました」
大量の糧食を手土産に練兵場へ姿を現す 徳川家康の遺児·徳川信康
「将軍·信玄公、天女様ご無沙汰致しております この信康、陣中見舞いに馳せ参じました」
「ほう 信康殿しばらく見ぬうちに立派になられたのう 家康殿にどんどんと似てきおる それにしても康政、お主がよくここへ来る事を承諾したものよのう?」
「信玄公 お久しぶりです この国の武将として、この戦の行く先を見届けるのは、当然の務めでございます」
『出立の間際まで反対していたがな。。。』
「天女様、亡き父の事では、あれほどの尽力を頂きながら 天武の招集に駆けつける事が出来ずに日々心を痛めていました お許し下さい」
「信康殿、貴方には、お館様に与えられた大事な使命が有ります 天武のみんなには
それぞれの使命が。。。この国の為に、力を尽くす場は違えど気持ちは一緒です
何も心を痛める必要など無いのですよ」
エヴァの背後から、進み出た織田信忠、信康の前に片膝をつく
「お初にお目にかかります 織田信長の嫡男·信忠に御座います」
この信忠の所作に周囲の者たちから、緊張が走る
今年の正月に信忠の父、織田信長が信康の父、徳川家康を手に掛けたことを知らぬ者は、この場に居ない
その後、信康には将軍·武田信玄が後見人となり、浜松城を与えられ
徳川復興の旗印として、また武田・徳川同盟の象徴として務めを果たしていた
「信忠殿、頭を上げて下さい 同じ武田家の庇護を受ける者同士 聞けば天武では敬称も禁止と聞いております 残念ながら天武には入れませんでしたが この国を思う、志を共にする者として接して下さい」
「私の父が、信康殿の父、家康殿への所業を考えると。。。」
さらに頭を垂れる 信忠
「それも天女様から聞いています 織田信長殿には、怨霊が取り憑き悪さをさせていたとか、例えそうでなくとも父親の責を子が負わねばならぬと言うのであれば、我が父も武田と一戦を交え、誰かの父親を手に掛けているでしょう 戦の世で、それを責めても詮無き事でしょう」
信忠の目線まで腰を落とす 信康
「そのように言ってくれると、この1年の間 心の中でもやもやと燻ぶっていた物を晴らしてやる事が出来ます」
「信忠君。。。でいいですか?天武のみなさんを紹介してくれますか? 色々と話を聞いてみたい」
「もちろん! 井伊直政君は知っていますよね 他のみんなを紹介しましょう 信康君あっちです」
「聡明な子供達ですね。。。信康君が、もし天武に入っていたら どんな能力を身に付けていたか見てみたかったですね」
「あそこは榊原康政が超過保護じゃからな許さんのだろうな」
「そう言えばお館様、みんな知っていますので言いますが。。。私、子供を授かりました。。。」
「そうか、子供か。。。ええええっ!! 天女殿に子供!! 天女殿も若いおなごであるから、これほどに驚くのも無礼じゃが。。。天女殿に子供か。。。当然忠勝は、まだ知らぬということか、ちと心細いのう」
「はい ですが、無事に戻ると信じています」
その後も真田昌幸、井伊直虎、浅井長政、お市の方夫妻ら近郊の武将らが続々と駆け付け、天武の子供達との久々の対面を果たし、久し振りに見た、長男·満腹丸が繭に引き籠もっていると知った時の浅井夫婦の顎が落ちんばかりの反応に爆笑が起き
練兵場全体が大いに盛り上がり、活気を漂わせる
2匹のバハムート襲来まで あと7時間
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