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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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龍虎火花を散らす

「あの【毘】一文字の旗印は、上杉家の物ですな この時間に到着するとは、夜を徹して駆けて来たのでしょうな」



新岐阜城 最下層 練兵場

「天女殿! 久し振りであるな、酒と越後の米を山ほど持ってきたぞ 陣中見舞いだ受け取ってくれ」

「それは、ありがとうございます 上杉謙信殿自らが来られるとは。。。

なぜ高坂昌信殿までご一緒に?」

「海津城は通り道だからな、一緒に連れてきたのだが?」

「もう上杉も武田も関係ない、この国最後の大戦を見に行くぞと無理矢理に連れて来られました ご迷惑でなければよいのですが。。。」

「迷惑と言うことはないのですが、あちらにすでに馬場信春殿も山県昌景殿に内藤昌豊殿等が、明け方からどんどんと到着されまして。。。」

エヴァの指差す方を見ると、馬場信春達が楽しそうにルイ達と談笑しているのが見える

「あいつ等、お館様の許可など取っていないのだろうな。。。拙者もだが。。。」

「良いではないか、どうせこの戦いで負けたら守る国など無くなるのだ 最後に天女殿の顔を見て死にたいと思うのはみんな一緒だ それはそうと本多忠勝殿は、どこに居るのだ?」

「旦那様は、尊天の加護を得るために京の鞍馬寺に。。。」

寂しそうに目を伏せる エヴァ

「尊天と言うと、毘沙門天と千手観音と護法魔王尊の三位一体の加護の事なのか!?」

身を乗り出し、喰いついてくる 上杉謙信

「はい そのように聞いていますが?」

「わしは生涯をかけて、毘沙門天の加護を授かる為に嫁も娶らず、子も作らず精進してきたのだが、忠勝殿は毘沙門天のみならず尊天の加護を授かろうとしているというのか」

「つらい修行だそうです。。。」

「いや、つらいとか苦しいとか、この世の言葉で表わせるものでは無いと思うがな

太古の昔から、唯の一人も授かった者など居ないのだからな」


「天女様 将軍·武田信玄公が到着されたようです」

おりんが、エヴァに耳打ちをする

「おりんちゃん こちらが越後の上杉謙信公です」

「あ 貴女はもしや毘沙門天のゆかりの方ではないでしょうか!?」

エヴァを押しのける勢いで、一歩前に出ると、おりんの手を握る 上杉謙信

「はい 母の代から毘沙門天と千手観音の加護を授かっております」

「おおぉぉっ!!まさかこのような所で、これほど強く毘沙門天の加護を授かる方に

お会い出来るとは!!まさしく毘沙門天のお導き」


「おいっ!越後の悪童狐!!我等のおりん殿から、その手を離さぬか!!」

「ほう これはこれは、甲斐の耄碌もうろく狸殿ではないか 久しいのう」

「火竜の前にお主から成敗せねばならぬようだのう」

「川中島での決着を、この場でつけるのも一興よのう」

「いつまで手を握っておるのじゃ!!おりん殿から離さぬか!!」

バチッバチッと火花を散らす 越後の龍と甲斐の虎


「お館様も上杉殿もその辺で。。。子供達が見ています」

高坂昌信が仲裁に割って入る

「高坂!?なぜお前がここに居るのだ!?」

「わしが海津城より攫ってきた ほれ向こうにも大勢居るぞ?」

人影に紛れるように身を低くする、馬場信春達

「お前たちまでか〜!!天女殿の迷惑になると考えられんのか!!??」

《《《《《《《《《あんたもなっ!!》》》》》》》》》

心の中でツッコむ 一同


「「天女様!!天武のみんな久し振りじゃのう!!陣中見舞いじゃ!!」」

鳴海城から到着した 武田勝頼と山県昌満

「お前たちまでもか!!!???」

「げっ!!なぜお館様が??」

後頭部をしたたかに殴られる 勝頼

「まったくどいつもこいつも領土を留守にしおって!」

「まぁまぁお館様、我が領土に攻め入る者など居りますまい 上杉殿もここに居りますし みんな居ても立ってもいられなかったのでしょう 我等と同じです」

「ほう それは、どういう意味だ?真田幸隆殿」

おりんの手を、しっかり握ったまま 首だけを巡らす 上杉謙信



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