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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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いざ新岐阜城へ

「景勝 お前は、主だった者を連れて避難するように 市中、すべての集落の領民にも

触れを出せ 強制ではないが、命の惜しい者は北の伊達家か毛利家を頼れとな」

「そんなっ!拙者も義父上と共に、天女様の元へ行きとう御座います!!」

「まぁ〜そう言うな 天女殿達が負けるとは思わぬが、万が一と言うこともある

もっとも天女殿達が負ければ、この国の何処にも逃げ場など無いがな。。。

そうなったら1日でも長く上杉家を存続させるのが、お前の仕事だ」

「拙者も火竜を見てみたかった。。。天女様にもお会いしたかった。。。」

しゅんっと肩を落とす 上杉景勝

「そうだな 火竜に勝ったら鱗の1つも、土産に貰えるように天女殿に頼んでみよう

楽しみじゃのう」

50名ほどの従者を連れ、早朝に出立するために忙しなく旅支度を始める上杉謙信の

後ろ姿は、その背中から抑えきれない高揚が滲み出ていた



京の都 下鴨神社 葵生殿

「お館様!天女様より文が届きました!!」

「おおっ!久しぶりじゃのう!早速読んでくれ」

「では失礼して“お館様、要件だけ伝えます 今より2日後の夕刻に火竜達との決戦となり 京の都まで被害が及ぶと予想されます 毛利を頼り、すぐにでも避難して下さい 

朝廷にもそのようにお伝え下さい”と書いてありますが。。。

天女様が、このように言われるのは、初めての事で御座いますな よほど厳しい戦いに

なるということでしょう」

「そうであろうな。。。幸隆、誰か2,3人市中の菓子屋に行かせて 天女殿の好物の

羊羹だの餅だのを買いに行かせてくれ お前は、内裏へ行ってこの事を伝えよ

避難するかどうかは朝廷の判断じゃな わしは早朝に岐阜城へ立つぞ」

「お供いたします 孫たちを戦わせて、老い先短い爺が逃げるわけにもいきますまい」

「ふっはっはっはっは 孫が見たいだけじゃろう! 民たちはどうする?」

豪快に笑う 武田信玄

「一応触れは出しますが、あの火竜と天女様達が戦っている時に、京を捨て逃げる民は

居りますまい」



岡崎城 徳川信康 居室

「この文が誠であれば、毛利家を頼るにしましても、安芸の国まで2日となりますと、すぐにでも出立せねば間に合いませんな」

「岐阜城では、僕と年端も変わらぬ 織田家の嫡男や浅井、伊達、北条、真田の嫡男に

将軍·武田信玄の孫まで戦っているのだぞ 僕を笑い者にしたいのか?」

「信康様は、徳川家の跡取り たとえ少しでも危険とわかっている場所に行かせるわけには参りません、徳川家からは井伊直政も本多忠勝も出向させており大層な活躍だと聞き及んでおります 誰も徳川家を笑い者にする者などおりませぬ」

早口で弁明する 榊原康政

「僕が天武に入りたいと言った時も反対したよね?」

「当然に御座います 信康様が、最前線で戦うなど言語道断で御座います」

「康政、仮に徳川家が再興したとして、誰が戦わずに引き篭もっている主君に付いてくると言うのだ! 僕が行った所でできることなど何も無いかもしれない、それでもこの国の領主として、一人の男としてこの国の行く先を決めるであろう戦いを見ておかねばならぬのだ!! 異論は認めぬ。。。わかってくれ 康政」

「。。。。。。。殿、それがしがお供いたします」



隼サンダーの驚異的な移動速度で日付の変わる前に、ルイがアンテナを設置した範囲内すべての城に文を届け、毛利、最上、上杉へは避難民を受け入れる要請の文まで届け終わる

2日後にいよいよこの国の未来を左右する事になる戦いが始まると、国中が色めき立つことになり、天女達との縁のある者達が陣中見舞いと称し、旅支度を始めるのであった 





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