八岐大蛇の首
八岐大蛇 《そもそもルイが死んだら 奴の亜空間に居る我等は、どうなるのだ??》
酒呑童子 《どうなるんでしょうね? 永遠に閉じ込められるとか?》
八岐大蛇 《冗談じゃないぞ!?酒樽を誰が持ってくるのだ!!》
酒呑童子 《永遠に禁酒でしょうな。。。》
八岐大蛇 《さっさと行って、片付けて来い!!》
酒呑童子 《心配するところが、酒ですかい? 旦那もわしも酒で失敗してるってのに》
《ルイ!古龍様が煩くてかなわん そろそろ俺に身体を寄こせ!!》
「お前、あのゴーレムと連携とか出来ないだろう?」
《お前まで、我を馬鹿にするのか!?連携くらいできるわ!! こう見えても昔は
沢山の子分共を連れて暴れまわっていたのだ!!あのゴーレムを守りながら戦えば良いのじゃろう?任せておけ!!》
「俺も魔力が、心細くなってきたからな。。。休ませてもらえるのは助かるが。。。」
《ああ!寝ておれば良いぞ 起きた頃には、終わっているかもしれんがな!!》
酒呑童子 《じゃあ ちょっと行ってきます》
八岐大蛇 《今夜の酒樽も忘れないように言っておけ》
酒呑童子 《それどころでは、ないと思いやすぜ》
八岐大蛇 《これを持って行け お前の望む物になるぞ》
八頭八尾の八岐大蛇の七つの頭が、右端の首に噛みつくと、根元から噛みちぎり
酒呑童子に放り投げる
それを拾い上げた酒呑童子が、槍を思い浮かべると、穂先から柄、石突きまで龍鱗が隙間なくびっしりと張り付けられた 禍々しくも神々しい見事な一本槍へと化ける
酒呑童子 《これは、見事なものですな!しかし今、必要なのは。。。》
全身を鬼化していたルイの身体が、筋肉が盛り上がり厚みを増していく
骨格までが音を立てて作り変えられ 小柄なルイの身体が、身長で2mを超え
鬼化ではなく、2本の角までが生え、鬼神そのものの様相に変わり赤く変色した皮膚から蒸気が上がる
右手には刀身が、黒く染まった“童子切安綱”を握り
左手には八岐大蛇の首を変化させた 全身が隠れるほどに巨大な、龍鱗が張り付けられた
大盾を構える
「ルイ先生!それは!?」
「ああ信忠 これが伝説の酒呑童子だ 連携なんか出来ないからな ちょっと下がって
休んでいてくれるか? 少しでも魔力を回復させるんだ」
《連携くらい出来ると言っておるのに!しかしちょっと邪魔だから下がっておれ》
まるで全身の凝り固まった筋肉を解すかのように、大袈裟な伸びをすると
鬼神の覇気を赤いバハムート·フォゴへと放ち、縮地術で一気に間合いを詰め
大盾に体を預け、さらに踏み込むとフォゴの鳩尾へと捻りを加えながら、大盾を叩き込む
フォゴの体が浮き上がり、受け身も取れずに地面を転がりながら吹き飛ぶ
その勢いのまま、高く飛び上がると地上のフォゴに数百本もの黒い太刀の雨を降らせる
両手を交差させ、頭部を守るフォゴの全身が翼が傷つき 鮮血が吹き出す
態勢を立て直そうと、上空より迫りくる鬼神化したルイに炎球を連射するが
その尽くを大盾に弾かれ、容易く間合いを許すと、さらに強烈な大盾の
一撃をまともにくらい、その体を地面へとめり込ませる
《古龍の旦那も、こんな良いものがあるなら、もっと早くに出せば良いのにな
まぁ自分の首を喰いちぎるんだから そう簡単には出せんか?酒樽を山積みにすれば
もう一本くらい差し出しそうだがな!! ガッハッハッハッハ》
大盾を一本槍へと変化させると、童子切安綱を空間収納へと入れ
両手で上段に構え、立ち上がり上空へと逃れようと羽ばたこうとするフォゴに
柄を長く持ち、思いっきり叩きつける “ぐっしゃっ”と左の翼がひしゃげ
この戦いで初めて、フォゴの顔が歪むのを見る
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