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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
286/515

新岐阜城に集う3

アランを取り囲むように、全員が集まってくる

「アラン先生!おかえりなさい!!みんなも無事に戻ってきたのですね!?」

みんなの顔を見渡し、うんうんと頷く アラン

その顔には、アラン達が戻ってきた喜びと、あまりにも過酷だった戦いの疲労が色濃く

表れていた

「アラン殿、よく戻ってきてくれました ドームを守り切れずに申し訳ありません

しかし沢山の死者を出しましたが、一人も死んでおりません」

羽柴秀吉の言葉に、眉をしかめる アラン

「アラン先生、茶々ちゃんの即死回避の魔法で1度だけですが死んでも蘇る事が出来るのです 実は僕も含め天武の男子は、死んで蘇ったのです 風魔党や射手のみなさんもです

そうだ!茶々ちゃん!!上で戦っているみんなにも即死回避を掛けれないだろうか?」

「ベラとフローに聞いてみたんだけど。。。あれは、色々な条件が重なって初めて行使が出来る 奇跡のような魔法なんだって。。。茶々の魔力も無いし、ごめんなさい」

私欲では無く、他者の為、己の理想の為に、死地に赴き戦うという覚悟を持った者たちが

集い、その気持ちが1つになった時に初めて行使出来るのが“即死回避”の魔法であり

大量の魔力を消費する事はもちろん、1人でも覚悟の無いものが居ると発動しない

まさに奇跡のような魔法なのであった


「アラン様 茶々ちゃん本当に頑張ったんですよ “即死回避”もそうですし、黒い竜の

腐食魔法にも耐える“生命の象徴”という魔法も。。。

ここまで耐えられたのは、茶々ちゃんのおかげです」

アランの耳元に顔を近づけ囁く 千代

「アラン殿おかえりなさい では治療をしましょう、私も通力が残っていませんので

たいした事は出来ませんが。。。」

青白い顔をした おりんがふらふらと近づいてくる

「みんな。。。本当に頑張ったんだな。。。ありがとう。。。」

自分たちの戦いに、本来関係の無いはずの、ここに居るみんなを巻き込んでしまい

しかし、それ以外の言葉が思い浮かばず 涙を溜めながら頭を下げる アラン




そして地上では、無数の結界を足場に空中を地上を縦横無尽に飛び駆け回る 人間達と

大きな翼を持ち、その人間達の5倍近い体躯と圧倒的な魔力を誇る 2頭の竜種が

天上の神々の戦いにも等しい攻防を繰り広げていた

数百本もの黒い太刀が飛び交い 岩でできた巨人が竜を叩き伏せる

上空に目を向けると、まるで羽毛のように質量を感じさせない動きで竜を翻弄し

傷ついた仲間を回復させ

竜を絡め取ろうと、空を埋め尽くすような、黒い蜘蛛の巣を張る

この戦いも数時間を越え、人間側も決定打が出せないまま 

冬が近づき、日の短くなった山間部に闇が迫りつつあった


そして竜達もここに居る、すべての者達が理解していた 魔力が切れた時に

この戦いが終わるという事を。。。


    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


八岐大蛇 『酒呑童子よ!お前は、本気で戦っているのか!?』

酒呑童子 『旦那! 今忙しいんでさっ 話しかけないで下さい』

八岐大蛇 『どうにも、もどかしくてなぁ ずっとジリ貧ではないか!』

酒呑童子 『この赤い竜も、どれだけ傷付けても、竜の覇気やらで完治するんですぜ』

八岐大蛇 『おい! 俺を使うように言え!! 再生出来ないように挽き肉にしてやる』

酒呑童子 『えっと? 誰に言うんですかい?』

八岐大蛇 『ルイの亜空間に居るのだから ルイにだろう お前は馬鹿か!?』

酒呑童子 『天女が贄とわかっているのに使う訳がありませんや 妖狐の姉さんの遺言でも有りますからね〜』

八岐大蛇 『魔力が先に無くなって、全員が死ぬんだぞ!? こいつ等は、戦っているのではなく、魔力が切れるのを待っているのだぞ!!』



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