特攻
「僕達が、不甲斐ないばかりに。。。申し訳ありません」
北条氏直がお雪の前に割って入り 風魔党員に頭を下げる
「若っ! 止めて下さい!そんなつもりで言ったわけじゃないです 天武のみんなは本当によくやっていると思いますよ それに比べて大人の俺達が、なんの役にも立っていないように感じちまって。。。どうにも情けなくって。。。」
「それは、僕達も同じです これだけの力を与えて頂いたのに、わずかな時間稼ぎも出来ずに殺されるなんて。。。」
「えっ!? 殺された?? 殺されたってのは、どういう事ですか?」
「ここに居る 全員は、茶々の即死回避の魔法が掛けられているんだ 1度だけ死んでも、蘇る事が出来るんだよ」
「それで、弓兵の何人かが、死んだと思っていたのに けろっとしているのは、その魔法のお陰ですかい!?」
「おりん様の話では、死ぬ数分前の状態で蘇るらしいから、どれだけバラバラにされて死んでも大丈夫らしい この戦いで天武の1番のお手柄は、間違いなく茶々ちゃんと天女様をこの場に呼んでくれた 千代ちゃんだな」
「そんなこと無いよ 全員が頑張ってるから みんなが生きているんだよ!!」
「そうです お雪殿の言うとおりです。。。と言うことはですよ、俺等も1度は死んでも大丈夫って事ですな!」
「小太郎殿。。。何を考えているのですか?」
「お前ら!聞いたか? 1度は死んでも大丈夫らしい お前らの中で死んだ奴はいるか? こんな機会はなかなか無いぞ 死んでおかなきゃ損ってもんだな!!」
「「「「「「「おおっ!!それは確かに!!」」」」」」」
「茶々〜 ちょっと来てくれ〜 ここにおかしな事を言っている大人達がいるぞ〜!」
満腹丸の繭の前で、膝を抱え座る 茶々が振り向く
「茶々は今、おかしな話を聞きたい気分では無いのですが。。。」
「風魔党のみんなが、即死回避があるのなら特攻をすると言っているんだ 本当に
大丈夫なのか?」
「ちょっと待って下さい ベルとフローに聞いてみます」
目をつむり、口元だけをわずかに動かす茶々に注目する 一同
「特攻をして肉体がすべて蒸発しても大丈夫なように ここに依代を残して行きなさいって言ってるよ 藁や紙で人形を作って、その中に髪の毛等を入れて行けば、ここで蘇るから気兼ねなく死んできなさいって。。。」
「何気なく、酷いことを言う 精霊だな。。。」
「頭!俺の頭を見てくれよ!!ハゲなんだけど、どうしよう!?」
「馬鹿野郎!爪でも入れとけ それで心配なら、%@毛でもいいだろう!」
“ドッガンンンンンッッッッッ!!!!!!”
壁が振動し、天井からパラパラと埃が舞い落ちる
「お前たち、急いで人形を作るんだぞ! 十人一組で上に行って、矢が無くなるまで射るんだ 天女様の為に少しでも時間を稼ぐぞ!!」
「「「「「「「「「おおっ!!」」」」」」」」」
その話を聞いていた 弓兵達もせっせと人形を作り始め 前田慶次郎の指示の元
特攻部隊が組織されていく
地上階の床面が破壊され、天女御殿が剥き出しとなる
「婦女子の部屋を覗くとは、感心しませんね! 羽柴組のみなさんがこだわり抜いて作って下さった私の部屋を!!」
2匹のバハムートが放つ竜の息吹に結界と風魔法で、なんとか反らしているが
同時に放たれた息吹に対応できずに、大穴を開けられてしまう
それを見て急降下してくる ナーダ 低空で息吹を溜める フォゴ
低空で滞空するフォゴに風刃で牽制しながら 玉龍でナーダに斬りかかる
尾の攻撃を交わしながら、大穴を背にして息もつかせぬ攻防を繰り広げる エヴァ
その時、大穴から殺生石の鏃のついた矢が十本放たれ、強化された筋力で射られた矢が、低空を飛ぶ
フォゴに襲い掛かる 凍結の掛けられた矢がフォゴの全面で練られていた獄炎球を霧散させ、僅かな時間ではあるが、フォゴの動きを止める
「みなさん!危険です!!逃げて下さい!!」
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