エヴァ対兄弟竜2
一つ 二つ 三つ目の結界を蹴り ナーダの頭上を超え、はるか高くまで飛ぶと
上段に振り上げた玉龍を、ナーダの頭頂部へと一気に振り下ろす
それを左腕の上腕で受け、滑るように左へと移動する ナーダ
浮遊する結界を蹴りながら、風刃を放ち 追撃する エヴァ
視界の右端に翼を羽ばたかせ、飛び立つフォゴを捉え 射線上に身を置かないように
結界を移動させながら、ナーダを追う
エヴァの風刃を玉龍の斬撃を、尻尾と腕を使い 払い続ける ナーダ
上空より、炎球を連射し 結界を蹴りながら右に左へと飛ぶエヴァを追い詰める フォゴ
飛び交う炎球の合間を飛びながら、身体を反らし避ける“チリチリッ”と髪を焼く炎
エヴァの結界を蹴散らしながら、両腕に炎を纏わせ エヴァに迫る
唸りをあげて薙払われる 尻尾 ほんの鼻先を掠める 業火に包まれた 右腕
正確にエヴァの心の蔵を貫かんと繰り出される 刺突
わずかな戦いの経験でバハムート達も進化をしており、単純な攻撃一つを見ても洗練されつつあり、巨体を生かした力任せの攻撃が鳴りを潜めつつある
足元に散乱する 殺生石の矢を数本、尾を使い拾い上げると尾をしならせ投げつけてくる
玉龍で弾き、回避するが 爆破の効果が次々と作動し爆炎が立ち昇る
『私達との戦いの中で、成長しているという事ですか。。。。武器まで使われるとなると厄介ですね』
地上のナーダに目をやると、腕を組み、エヴァとフォゴの戦いを見上げている
“女 この地で、お前より強い人間は居ないのだろうな。。。 しかし我の兄弟一人にも勝つことは出来んぞ。。。 それでどうやって、ここの下にいる人間共を守るのだ?
いや。。。そもそもお前は、人間なのか?”
「喋っていないで、掛かってきてはどうですか? 私が勝てないのかどうか、その身に解らせてあげます!」
“何故お前達は、我等の邪魔をする? この地に産まれ出て、生きているだけの我等の前にこうまで立ちはだかるのだ?”
「貴方達は、私達の仲間を、人間を傷つけ殺し過ぎました これ以上、放っておくわけにはいきません」
“お前達も、鳥や魚、獣を捕らえて喰らうではないか! 我等が人間を喰らう事となにが違うと言うのだ? この地に産まれ出て間もない我らにも解るように教えてくれ”
「確かに矛盾しているように感じるかもしれませんが、人間も捕らえようとした獣に返り討ちに会うこともあります 種の存続を掛けて戦わなければならない運命と言う事です」
“お前達に勝ち目など無いと、まだ解らぬのか? 我等の兄弟を、おとなしく返すのであれば、お前とお前の仲間達は、見逃してやっても良いのだぞ?”
「この地に住む、すべての人間が、私達の仲間です! 交渉決裂ですね」
“お前は、あまりにも矮小な我が種族が、この地で生きる権利は無いというのか?”
「貴方達の母親であるベヒーモスを、この世界に連れてきたのは、どうやら私達のようです 申し訳なく思いますが、この世界に貴方達の生きる場所は無いのです そして貴方達を滅ぼすのが、私の使命でもあります」
“そうか。。。人間か我らか、どちらかが滅ぶまで。。。抗うまでだな”
「お玉様、青龍。。。私に力を貸して下さい 旦那様、私を守って下さいね」
願いを言霊に乗せる 天女の覇気で黒髪と九本の尾が、扇状に逆立つ
結界を足場に高空まで駆け上る エヴァ
竜の覇気を身に纏い 翼を羽ばたかせエヴァの後を追う フォゴとナーダ
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