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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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毒雀蛇

夜叉であるネボアが、エヴァの結界に囚われた事により

呪いの効果が薄れ、意識を取り戻した 満腹丸

上半身だけ、むくりと起き上がると政宗の横に転がる 結界に閉じ込められた夜叉を見る

「ビシュー変幻【マムシ+オオスズメバチ】=【毒雀蛇】」

満腹丸の寝床に鎮座する マムシというよりも巨大なツチノコ

チロッチロッ!と舌を出し、両眼の上には、蜂の触覚を備え 首から腹に掛けて厚みを増す胴体、そこから細く長い尾が続き、その先には金属のような光沢を持った毒針が見える

そのずんぐりとした体躯からは、想像も出来ぬ素早さで球状結界に飛び掛かると

鋭い尾を蛇の鎌首のように持ち上げ真上から結界に突き刺すと、顎の関節を外し毒牙を突き立てる

「「「「えっ!!??」」」」

ゆっくりと球状結界を飲み込んでいく毒雀蛇

「満腹丸君。。。そんな物を食べたら、お腹を壊しますよ。。。」

「大丈夫です 天女様、僕はこのまま練兵場まで行って、サナギ化してネボアを消化します 政宗君も千代ちゃんもみんなを助けてあげて、おりん様も天女様の治療に専念して下さい ネボアは僕の毒針と毒牙で動けません」

ずるずるとさらに丸みを帯びた腹部を引きずり、廊下へと出ていく満腹丸

「どうやら本当に大丈夫そうですね、政宗君、練兵場まで一緒に行ってくれますか?

避難しているみなさんが驚かれると思うので」

「はい わかりました!すぐに戻ります!!」


目を丸くして驚く、射手の間を抜け 練兵場の片隅で白い繭を張りサナギ化する 毒雀蛇

「満腹丸君、本当に大丈夫なんだろうね?」

「大丈夫だよ 政宗君、蛇の消化器官は骨まで溶かすんだよ ビシューも大丈夫だと言ってるから心配しないで、それよりもみんなを守ってね」

「ああ わかった約束するよ すぐ戻るからね! 羽柴様、満腹丸をお願いします!」

「ああ 任せてくれ!誰も死ぬなよ!!」

踵を返すと、人並みを掻き分け、エヴァの待つ地下1階へと急ぐ

避難を誘導していたお雪と落ち合い 共に天女御殿の襖を開ける

「天女様、みなさんの練兵場への避難は済みました お手伝いしますので、天女様もおりん様も練兵場へ避難しましょう」

「ありがとう、ご苦労様でした お雪ちゃん、もうすぐ治療も終わります時間が勿体ないので、ここで大丈夫ですよ」

「では、僕と千代ちゃんは、みんなと戦います!お雪ちゃん先生、天女様とおりん様をお願いします 行こう千代ちゃん!」

「政宗君!千代ちゃん!そしてみんなにもご武運を!!」

「「行ってきます!!」」


地上への階段へと駆ける 政宗と千代 後ろを走る千代が、政宗の背中を引っ張る

「どうしたんだい!?千代ちゃん?」

「政宗君、私ね上に行っても、どうやってみんなを手伝えばいいのか、わからない。。。私のサンドマンって攻撃魔法が無いでしょう それでねサンドマンの“陽炎の夢”を覚えてる?」

「ああ もちろん覚えてるよ すべてが実体で、すべてが実体でない分身の術だよね

あれは凄いよね!驚いたよ」

「今は、10体まで増やせるんだけど、攻撃魔法が無い私では、宝の持ち腐れでしょう? それで政宗君に“陽炎の夢”を掛けてもいいかな?」

「えっ!? そんな事が出来るの!?」

「うん 出来ると思う 家にいるポチで試したから」

「ポチって犬だよね。。。犬で出来るなら、人でも大丈夫か!? わかった少し下がってくれるかな」

階段の踊り場で、エフリートの大剣を顕現させ、政宗の全身をエフリートの業火が覆う

「僕も、こんな事が出来る様になったんだよ 準備は出来たよ!」

「じゃあいくね!“夢の精霊サンドマン!私の夢を叶えて!陽炎の夢をこの伊達政宗に”」

 階上から“ガラガラッ!!ガッシャンッ!!!”何かが崩れる音と、振動が伝わってくる



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