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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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エント·キング対兄弟竜2

木人の身体は、茶々の自動回復で抉れた部分が、徐々に盛り上がり修復される

余談であるが、花の精霊フロウを持つ茶々であるから、エントの化身である木人を回復出来るわけだが、エヴァやおりんの回復魔法は、植物であるエントを回復する事は出来ない


手足の動作を確認する 特に支障をきたす部分は無いようだ

抉られた、脇腹の装甲を庇うように、盾で覆い隠し 2匹のバハムートに対峙する

ナーダの黒い瘴気の中にフォゴを収め、みるみるうちに千切れた腕と片翼が盛り上がり

再生されていくのが見える

「あんなの反則じゃないか!?」

「やっとの思いで、削ったのに。。。」

「信勝君も幸村君も、天女様に言われたように天女様が戻られるまで、防御に徹しよう」

年長の北条氏直が2人を落ち着けるが、彼自身の胸中も穏やかではない

彼の精霊である、フーカーのスキルで、相対する敵の力量を感じる事の出来る 氏直には

赤いバハムート·フォゴから感じる重圧も並では無かったが

黒いバハムート·ナーダから感じられる重圧に足の震えを止める事が出来ないでいる


ネボアが兄弟竜に干渉する あの忌々しい天女が治療中であり 今は、動く事が出来ない 

そしてドーム内の現状を、最上部まで回廊が続き、500名もの射手が狭間から外を覗い狙いをつけている事 数名の子供達がエント·キングを操っている事 ネボアを縛り付けているのが、拙い魔力の少年である事を。。。


回復を終えたフォゴが踵を返し、ドームの外壁に両の手の平を当てる 

全身に赤き竜の覇気を纏う 周囲の空気が震え、地面の土が吹き飛び、宙を舞う

赤い覇気が、頭部から降り、脚部から登っていき肩へと集り、それを両腕に収束させ

超高温となった覇気が、ドームの外壁へと伝わっていく 

フォゴを核として、円上にドームの外壁が赤く染まり、土と鉄で強化された外壁が

見る間に侵食されていき、その内部に居る射手達が、熱波に焼かれ、逃げる間もなく体内の水分を一瞬で蒸発させられ、ドーム内の床へと重なり落ちる

「みなさん逃げて下さい!! 地下の最下部まで避難します!!!」

お雪が、ありったけの声量で叫ぶ

「みんな逃げるんじゃ!! 回廊はもう通れん、飛び降りろ!! 強化と鼓舞を授かった わしらなら大丈夫じゃ!! 見ておれ!!!!」

そう言うと、最上部より身を乗り出し、迷うことなく飛び降りる 羽柴秀吉

それを見た茶々が、風魔法で上昇気流を作り出し落下速度を抑えると

ふわりっと着地する 羽柴秀吉 それを見た射手達が、次々と手摺を乗り越え飛び降りる

「よし!最下層練兵場まで避難するぞ!!わしに続け!!!」

消し炭のように即死したかに見えた射手達も、即死回避の効果で生気を取り戻し

戸惑いながらも起き上がると、最下層に続く階段へと走る


ドーム外では、フォゴの外壁への攻撃を阻止しようと、大筒から氷の弾丸を撃ち込むが

すべてをナーダに叩き落され フォゴに近づく事さえも叶わず

ナーダの腐食攻撃に為すすべもなく削られていく


「みんな、このドーム内にもう一体のエント·キングを出す魔力は有るかな? 

天女様やみんなが避難する時間を稼がないといけない」

「信勝君、外のエント·キングを解除すれば 出来ると思うけど。。。あの腐食攻撃に対する防御力が、圧倒的に不足しているよね」

「信勝君!幸村君!みんなにお願いがある!!僕をエント·キングの中に入れてくれないか? フーカーのスキルで操剣も投擲も持っている僕なら、もっと戦えると思う!

みんなには、エント·キングの防御に専念して欲しいんだ」

「氏直君。。。それは、危険すぎる 天女様とも遠距離で操作が出来るからと許可して頂いたのに。。。」

ドームの東側の外壁が真っ赤に染まり、今にも崩れ落ちそうなほどに黒ずみ始める

「このままでは、天女様も誰一人守る事が出来ない!!」

「わかった 残った魔力をすべて使って防御力重視のエント·キングを作ろう 実は、中に人が入る事は、実験済みだから問題は無いんだ。。。動作が機敏になる分、遠隔で戦うよりも強いとは思う」

「ありがとう、信勝君 時間が無い!始めよう!!」




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