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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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夢の精霊サンドマン

玉龍を脇に構え、足の裏から大地の気を取り込むように息を吸い上げる

丹田に気を留め置き いっぱいになった肺から細く長い息を吐き出す

「お玉様、力を貸してくださいね」

地面を強く蹴り、宙へと飛び立つエヴァの両眼が細く長く切れ上がり、三角形の耳が

風に押し付けられ、空気を十分に含んだ九本の尾が、エヴァの身体を押し上げる

上空より迫りくる無数の火炎球を、尾に溜めた気流の操作で右に左にと巧みに交わし

下降してくるフォゴへすれ違いざまに、脇に構えた玉龍を払い上げ 左肩の肉を抉る

そこに待ち構えていた、ナーダの鋭い尾の刺突も 九本の尾を広げ急制動を掛ける事で

難なく交わすと、玉龍の石突をナーダの鳩尾へと撃ち込む

その場に滞空し、鋭い爪で、強靭な尾でエヴァを叩き落とそうと攻撃を繰り出す2頭の竜

それを大薙刀·玉龍と九尾で迎え撃つ エヴァ 飛騨高山の上空に甲高い剣戟が鳴り響く


“カンッ!カンッ!ゴツッ!カンッ!ズボッ!シャッ!ゴンッ!!ガシッ!!カンッ!!

シャッ!ゴンッ!!ガシッ!!カンッ!ゴツッ!カンッ!ズボッ!シャッ!ゴンッ!!”

吹き上がる血飛沫、鉱石のような竜の表皮だったものが、宙を舞う

如何なる生物の接近も許さない 赤と黒の魔力と金色の妖力がぶつかり合い混ざり合い大気を震わせ、その余波で原生林の木々が悲鳴を上げる

兄弟であるネボアを救おうと執拗なまでにエヴァを追い詰める フォゴとナーダ

仲間を、この国の民を守る為に、肉体の限界を超え 神にも近い魔獣に挑む エヴァ

お互いが、相手を自分達の生存を揺るがす 邪なものとして、滅する為に力を振るう



新岐阜城

茶々の探知の精度を上げるために、地上へと出て互いの手を取り輪になる6人

この行為に、どのような意味があるのか? 一切の意味など無いのかも知れないが

こうせずには要られない 6人だった

「アラン先生達と直政君が合流して、ゆっくりだけど、こっちに向かっています!」

「茶々ちゃん!?本当に!?みんなは無事なのね?」

「はい お雪ちゃん先生 ブルート先生もルイ先生も回復していっています」

「茶々ちゃん!天女様は?天女様も無事よね?」

「無事ですけど。。。すごい勢いで、魔力が減っていっています 魔力が無くなると

動けなくなるんですよね!?」

うるうるっと大きな瞳に涙を湛える 茶々

「ここで、私達が天女様に出来ることは無いのかしら?」

千代がみんなの顔を見渡す

「みんなで天女様の無事を祈りましょう!!」

伊達政宗が握る手に力が入る

「さっきから、ずっと祈っているさ!僕の魔力を天女様に渡せるものなら いくらでも差し上げるのに!!」

真田幸村が悲痛な叫びを上げる

「「千代が。。。千代どうしたんだ!?しっかりしろ!!」」

千代の左右で手を握る、武田信勝と北条氏直が千代の顔を覗き込む

千代の身体のどこに、これほどの力があるのか? 2人の手を強く握りしめ

頭を垂れ、小刻みに震えているのを全員が見守る

「みんな大丈夫、絶対に手を離さないで!」

顔を上げた千代の顔には眼球が無く 深く暗い穴が、そこに穿たれ その目を見つめると

吸い込まれるような錯覚に囚われる

「夢の精霊サンドマンと話してるの。。。みんなで願いなさいって。。。そうすれば

夢が現実に。。。」

「「「「「「僕達の夢。。。天女様を、ここに帰して下さい!!」」」」」」

「おりんちゃんを呼んでくる!」

天武のみんなの様子に不安になったお雪が、満腹丸を看ている、おりんを呼びに走る



意識が希薄となり、闘争本能のみで玉龍を振るう エヴァ

喉元に迫るフォゴの鋭い爪を玉龍の穂先で弾き 

ナーダの尾がエヴァの頭部があったはずの空を切る “!!??”

忽然と姿を消したエヴァに、目と目を合わせる フォゴとナーダ






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