満腹丸の呪い
童夢内で待つ、お雪やおりん、風魔党の面々、天武の子供達と羽柴組、弓兵の精鋭部隊といった岐阜城に居る、ほぼ全ての者達に迎えられる
満腹丸の元気そうな顔を見て、童夢内に安堵のため息が溢れる
「お兄ちゃん!! 無事で良かった〜!!」
満腹丸の姿を見るなり、駆け出し満腹丸の胸に飛び込む 茶々
「心配を掛けてごめんよ、茶々 この通りなんともないから 泣かないで」
「満腹丸、心配したぞ!でも無事で本当に良かったよ」
「みんなに心配かけてごめんなさい つい虫を探すのに夢中になってしまって。。。」
「みんなに話があります この場所は、ネボア達に知られてしまったという事です 子供達や、非戦闘員の方々には、何処かに避難してもらいたいと考えていましたが。。。ネボアが瞬間移動を使える今、この国で安全な場所など無いと言えるでしょう ネボア達が動く前に、こちらから討って出るのが最善と考えます」
「エヴァ それには、賛成だが お前の旦那は、いつ帰ってくるのか、まだわからないのだろう?」
「はい わかりませんが、これ以上この国の民を危険に晒すわけには、いきません。。。今日の満腹丸君が無事だったのは、亀羅のおかげです、幸運だったと言えるでしょう
次も幸運に恵まれるとも限りません」
「凄えな!満腹丸!!あのネボアと戦って無傷だったとは、でもな次に奴等と対峙したら、必ず逃げろよ」
「うん わかったよルイ先生。。。」
そう答えた満腹丸の顔色が急激に青ざめていき、力無く崩れ落ちる
「「「「「「「「「「「「満腹丸!!!!」」」」」」」」」」」」
「お兄ちゃん!!!」
満腹丸を支えたエヴァが、満腹丸に治癒魔法を掛ける
「そんな!満腹丸君 亀羅の甲羅では、呪いを防げなかったというのですか?」
「天女様、お兄ちゃんは大丈夫ですか!? 治せますか!?」
おりんが駆け寄り、満腹丸の胸に手を当てる
「茶々ちゃん 私の力では、この呪いを解く事も、見つける事も出来ないようなの。。。
おりんちゃん、満腹丸君は、どうでしょう?」
「この呪いは、かつて京の都を襲った 崇徳院の呪いと似ていますね この国で行使された呪いで、もっとも強力な物の1つです」
「解呪は?この呪いを解呪する方法は有りますか?」
「おりん様!お兄ちゃんを助けて下さい! お願いします!!」
「茶々ちゃんのお兄ちゃんは、必ず助けるわ 安心してね」
おりんの治癒の光で、徐々に呼吸が安定していく満腹丸
「おりんちゃん 満腹丸君の解呪が出来るのですね?」
「体に直接触れられたわけでは無いようなので、呪いの進行がとても遅いようなのです
ですから、私の力でなんとか進行を止める事は出来ますが、解呪までは無理そうです」
「どうすれば!?どうすれば満腹丸君を助けられますか!?」
「術者を倒すと呪いの効力は弱まります その後、尊天の加護を授かった本多忠勝殿でしたら、解呪する事は可能でしょう」
「ネボアを倒して、尊天の加護を授かった旦那様を待つ。。。みんな、やるしかありませんね!?」
おりんに満腹丸を預けたエヴァが立ち上がり、全員を見渡す
「「「「「「「「「「「「「「おおっ!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」
童夢内に全員の雄叫びが木霊する
「ちょっと待てよ!」
そう言うと童夢の出口へと駆け出す ルイ
扉を開き、1羽の鳩を招き入れると、脚に結び付けられた文を外して広げる
その文に目を通すと、茶々の元へと行き そっと手渡す
「茶々、お前たちにだ」
泣き腫らした目を擦り その文を満腹丸の眼前に広げる 茶々
「お兄ちゃん!私達に妹が産まれたって!!女の子で名前は“江”だって、早く逢いたいね お兄ちゃん早く元気になって 会いに行こうね!」
意識の無い満腹丸が微笑んだように見えた
ブックマーク&星で評価などして頂けると嬉しいですm(_ _)m




