満腹丸の危機
2度、3度と長良川の川面を飛び跳ね 川底に“ごとりっ”と横たわる亀羅
亀羅の変幻が解け、ゆっくりと川下へと流されて行く 意識の無い 満腹丸
「「「キーッキキューキッキーキ!!」」」 (あの子供を死なせるな!!)
満腹丸を助けようと土手を滑り降り、長良川に飛び込む3匹の河童達
先行していた エヴァとルイが、ようやく空中に浮かぶ夜叉を視認する
「満腹丸君の魔力反応が!? 私は、満腹丸君を探しに行きます ルイ、あの夜叉の姿をしているのは、ネボアです お玉様との戦いでは、瞬間移動を使っていました
あの右手には気をつけて下さい 触れられると呪いが発動します」
「わかった!あいつがお玉様の仇という事だな。。。満腹丸を頼む!」
「お願い!無事でいて!!」
長良川のやや上流に満腹丸の微弱な魔力と、どこか覚えのある妖力を3つ感知すると
羽衣に風魔法を纏わせ、土手を一息に飛び越え、河原を飛ぶように走る エヴァ
「「「キーッキッキキューキッキーキー!!」」」(こっちだ早く助けてくれ!!)
大きく手を振る3匹の河童が、満腹丸を背負い河原へと這い上がっている
横たえられた満腹丸に駆け寄る エヴァ
「ありがとう あとは、私が見ます」
満腹丸の胸元を開き、手を当てる 心臓は、正確な鼓動を刻み 伝わってくる波動からも
特に異常な点も見つからず 心から安堵のため息を漏らす エヴァ
「どうやら、衝撃で気を失っているだけのようです 助けてくれて、ありがとう」
「「「キーッキキューキッキーキッキキーーキュキッキキューキーッキキューキッキーキーキュキッキーキュキッキキーッキキューキッキーキ!! キュキッキッキキーー」」」
満腹丸と夜叉の戦いを、事細かに説明してくれる 河童達
「そうですか。。。呪いの攻撃を受けたのかは、定かでは有りませんが、亀羅で戦ったのでしたら、あの甲羅が、呪いも竜の息吹も防いでくれたのかもしれませんね。。。
そう言えば、貴方達、見覚えがありますね?」
「「「キーッキキューキッキーキ!!」」」
「あ〜そうでした 木曽川で幼い男の子に相撲で5人抜きされて、負けた河童さんですね 貴方達は、怪我は無いですか?」
「「「キキキューキッキーキー!!」」」
ちょっと涙目の河童達が負傷した仲間の居る方向を指差す
「では、行きましょう 案内して下さい」
上空の夜叉と目があった気がした。。。
「よくもお玉様を!満腹丸を!!“幻影散棘”」
ルイを中心に回転する童子切安綱の複製が12本、ルイが太刀を振り下ろすと同時に夜叉に向けて飛翔する12本の太刀 一瞬、夜叉の居る空間が歪んだように見えた すると
なにかに吸い込まれるように頭から姿を消す 夜叉
「これが、瞬間移動か!? ならば現れるのは、俺の背後か!?」
自分の背後に向けて、童子切安綱を横に払う ルイ
「居ない。。。。。。。。?」
太刀を振り切った姿勢で固まる ルイ
「ルイ!敵はどこだ!?」
ブルートとアランが駆けつける
「いや。。。逃げたみたいだ。。。」
少し顔を赤くする ルイ
「そうなのか? 虚空に向けて太刀を振るうから、見えない敵なのかと心配したよ」
「あれは、素振り?。。。そう素振りだ!」
「そうだったのか、すっかり元気になったようだな エヴァと念話で話したが、満腹丸は大丈夫そうだ 向こうで待っているぞ 素振りも済んだのなら、行こうか」
岐阜城から、東へ20km上空
瞬間移動を繰り返し、岐阜城の上空から離脱した ネボア
「さすがに天女とルイ、さらに2人の相手は、少々手に余る それにしても、どこに行っても、あの2人が現れるのは、なにかの因縁なのかもしれんな。。。早々に排除せねば
邪魔でならんな。。。」
さらに瞬間移動を繰り返し、御嶽山へと帰る 夜叉の姿を借りた ネボア
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