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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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亀羅対夜叉

亀とハチドリの合成変幻で、2m近い亀の甲羅に籠もり ゆっくりと回転をしながら

浮上する 満腹丸

「キーキューキーキュキューッキーキュキキッーキュキーキュッ!」

「お前は、子供なんだから、後ろで見ていろって!? 僕も戦えるのに。。。」


満腹丸の元に、1匹の河童を残し 四股を踏んで、夜叉へと頭を低くして突進していく

2匹の河童 《キキューキッキ キーキーッキキュー!!(あの右手が危険だ、俺が抑えるから、お前は思いっきりぶちかませ!!)》

《キッキキュー!キッキ!!(わかった!任せろ!!)》

夜叉の左から、低い姿勢のまま突進していた1匹が急制動から、上体を起こし夜叉の目の前で、両の手の平を打つ“バッチンッ!”猫だましから一瞬怯んだ夜叉の右腕にしがみつき

手の平に触れぬように、手首を固定し肩に足を絡める 

そして夜叉の腰に、思いっきりぶちかまし、腰に手を回す もう1匹

夜叉の踵が、土にめり込み わずかに後退する

「身の程をわきまえろ 雑魚が!!」 夜叉が吠える

瞬間移動で100m上空に2匹の河童をまとわせたまま現れ“どんっ!”と竜の覇気を発するあまりの衝撃にしがみついている事さえ出来ずに、空中へと投げ出される 2匹

「「キーッキキューキッキーキ〜〜〜!!」」

「今、助けるからね!!」

上空に向け、急上昇する 亀羅 上空で1匹目の河童を、甲羅で受け止めると、もう1匹に向けて、急降下し、地面ギリギリで甲羅で受け止めることに成功する

「危なかった〜〜!今度は、僕が戦うから見ていて 僕も戦えるんだよ 天女様に褒めてもらったばかりなんだよ!!」

「「「キーッキキューキッキーキ!!」」」 「うん 気をつけるよ」

残った仲間の元に2匹を降ろすと、再び上昇していく 満腹丸

回転しながら、上空に居る夜叉へと一直線に迫ると、さらに速度を上げる

甲羅の隙間から手甲の刃が突き出すと“ブーンッ ブーンッ”というハチドリの羽音に

刃が風を切る音が混じる 夜叉の伸ばした手が、亀羅の甲羅を“バッチーーン!!”と鞭の

ようにしなり叩きつけられる 強烈な破裂音が響き渡るが 勢いを殺される事なく

直進し、夜叉の胴を掠める 夜叉の着ている襤褸が引き裂かれ、宙を舞う

「麻痺が効かぬのか? おとなしく捕らえられていれば良いものを、ならば死ね!」

右手の“麻痺”を解除し“呪い”を発動させる 夜叉の右手が黒いもやに包まれる

さらに赤い兄弟竜との同調を強めると、夜叉の口裂から白煙が上がる


「避けられたか〜 こいつをやっつけて天女様やみんなに褒めてもらうんだ!」

夜叉の後方で旋回すると、さきほどの鞭のような腕の攻撃を警戒して上下左右と不規則な軌道で夜叉との距離を詰めていく 満腹丸

広範囲な竜の息吹を放ち、これ以上近づける事を嫌っているように見せる 

よく観察していれば、気づけているはずだった 夜叉の右手の肘から先は、瞬間移動の

入り口の中に消え 満腹丸の上方に開いた出口からは、夜叉の肘から先が、長く鋭い爪を

くねらせ、満腹丸を待ち構えていた

広範囲な息吹を吐くことにより、空中には噴煙が広がり 瞬間移動の出入り口を隠蔽する

竜の息吹を上昇して避ける亀羅の下腹を、息吹の業火がちりちりと焼く その動きを見て

肩までを瞬間移動の入り口に差し込み、上昇してくる 満腹丸を待ち構える 夜叉

広範囲な息吹を避けながら、その空間、その場所へと誘導された 自身の右腕を限界まで

伸ばし 亀羅の甲羅を、夜叉の鋭い爪が掠める ほんのわずかな、髪の毛1本ほどの傷

「危なかった!?あんな所から腕だけが出てくるなんて!」

甲羅の中央の傷から、黒い靄が立ち昇る 次第に広がり始め、目に見えて失速していく

「な。。。何が起こっているんだ!? 真っ直ぐに飛べない!!」

挙動の不安定になった亀羅に、竜の息吹が襲いかかる

ボオオォォォーーーーッ 炎の尾を引きながら、長良川へと落ちて行く 満腹丸




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