エント·キング
出来上がった ばかりの岐阜城の地下5階·練兵場で修練に励む、天武の子供達
エヴァを始め、先生役全員が所用で忙しく 魔力操作の自主練を行っていた
「みんな、ちょっと聞いてくれ」
修練の手を止め、みんなに呼び掛ける 織田信忠
「何でしょう?信忠君」
「なになに?もうお昼ごはん??」
「茶々、朝ごはん食べたばかりだろう そうじゃなく、みんなに聞いてもらいたい事が
あるんだ」
「どうしたのですか?あらたまって」
「直政、お前は元服していたな?何歳になった?」
「はい、昨年に元服しまして、今は、13歳になりました」
「そうか実は、僕は来月で16歳になる 天女様達は、僕らが子供だという理由で、火竜との戦いに連れて行くつもりは無いようだが、僕は戦いたい 直政、お前はどうだ?」
「僕も戦いたいです! そのつもりで修練してきたのですから!!」
興奮した様子で、声高に答える 井伊直政
「僕も同じ事を考えていました 戦いに連れて行ってくれるように天女様にお願いしようと考えていました」
目を輝かせて、話に入ってくる 北条氏直
「そうか!氏直も11歳で元服を済ませていたのだったな 僕達も戦えるのだという事を、天女様たちに認めて頂かねばならないな」
「あの僕は、元服はまだですが。。。10歳になりました 茶々やみんなを守るために
僕も戦いたいです」
「満腹丸、お前もか そうだな、では僕達がどうすれば、天女様達に認めて頂けるか
4人で知恵を出し合おう!」
あーだ、こーだと盛り上がりながら、その場を離れていく4人
あとに取り残され、ぽかーーんとする 茶々、真田幸村、武田信勝、伊達政宗、千代
「茶々達だって、戦えるのに!」
頬を膨らませて、拗ねる 茶々
「確かに、ちょっと失礼でしたね 僕達が戦えないと決めつけているような。。。」
何やら思案顔の幸村
「気を練る修練でも、僕たちの方が早く習得したのを忘れているようだな」
鼻息も荒く、4人の背を睨みつける 信勝
「僕達の力が、どれほどか 見せつけてやりましょう!!」
俄然やる気になる 伊達政宗
「私は、アラン様と一緒に戦えるのなら何でもいいけど」
千代の熱は、未だ冷めない
「でも。。。茶々達も戦いたいって言っても、天女様達は絶対に許してくれないよ?」
「う〜〜ん そうだな、顔を隠して、こっそりついて行くのは、どうかな?」
「幸村君、みんなでお面を被るって事? 楽しそう〜茶々の気の色で赤いお面がいい」
「じゃあ僕は、青で 信勝君が、黄色で 正宗君が緑色 千代ちゃんが桃色でしたね」
「顔を隠しても、気配探知ですぐにバレるけどね。。。」
「政宗君!楽しければいいと 茶々は思うの!」
「だったらさ 気配探知で、気づかれないくらい遠くから戦えればどうだろう?」
「信勝君 そんな事が出来るの??」
「僕達の力を合わせれば、出来るんじゃないかな? ここの天井は確か10mだったよね 頭が当たらなければいいんだけど 見ててね」
静かに目を閉じ、胸の前で手を組む 信勝
“すべての生命の父にして この大地の父である精霊エントよ お前のすべての子供達の為に 我の願いを聞き入れ 我の召喚に応え給え!”
練兵場の中央の天井に黄色い光の粒が集まり、緩やかな渦を巻きながら、地面へと降りてくる
「すごい綺麗。。。」
うっとりと目を細める、千代
「なんとも幻想的な光景ですね。。。」
地面に降り注ぐ、光の粒が徐々に巨大な人型を形作っていく 丸太のような頭部に、丸太のような胴体、丸太のような両腕に、丸太のような両足。。。
「茶々とお兄ちゃんで、子供の時にこんなの作りました!」
頭部の2つの節穴に黄色い光が灯り ギロリッと茶々を睨む
「ごめんなさい!! え〜とエントでいいのかな?」
「いや 名前は、考えてある超戦隊呂棒エント·キングだ!!」不思議なポーズを決めながら 叫ぶ 武田信勝
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