表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
237/514

岐阜城 再建3

少し離れて材木の伐採に励んでいる、羽柴組の面々が、山頂を見上げると

稲葉山の山頂から、いく筋もの土砂が舞い上がり 山の中腹あたりに着地する 

あたかも数匹の龍が、稲葉山で舞踊っているように見えたと後に語っている


3時間ほどで、地下へ地下へと掘り進む作業も、20mを超え 魔力回復の為に早めの

昼食を兼ねた休憩となる

ルイの空間収納から、岩村城で山のように握ってもらった 握り飯を取り出し

全員に配る

「ではみなさん、食後には2時間ほど仮眠をとって下さい 魔力が早く回復しますからね 休むのも仕事ですよ」

「「「「「「「「「はい!天女様!!」」」」」」」」」

「では、ルイ 羽柴組のみなさんにも昼食を届けに行きましょう」

「ああ そうだな行こうか」


麓への道を下っていくと、どこからか聞こえてくる、勇ましい歌声

「♬♪俺たちゃ 木を切る〜ヘイヘイホー ヘイヘイホー♪♫」

「♬♪俺たちゃ 皮を剥く〜ヘイヘイホー ヘイヘイホー♪♫」

木こり顔負けの手際で、木々を伐採していく羽柴組と弓兵の面々

伐採された丸太を麓まで下ろす部隊 皮剥きをする部隊 大割りする部隊 

挽き割りする部隊に分かれ、効率よく製材された木々が積み上がっていく

「これは、天女様とルイ殿、ご苦労様でございます」

「羽柴殿、お疲れ様です 昼食を届けに参りました それにしましても凄い手際ですね

羽柴組のみなさんは、何でも出来てしまうのですね」

「はははっ 戦闘は、からっきしですが 土と木を扱う事でしたらお任せ下さい」

「それは、頼もしいです! お渡しした図面のような寝台、卓、椅子の制作も可能でしょうか?」

「それもお任せ下さい!ただ木を乾燥させるのに、数週間の時間が必要になりますが」

「それには、考えがあります」

積み重ねられた製材済の材木に手をかざし 封印魔法で密閉すると

風魔法に火魔法を乗せ、適度な温風を高速で循環させる これにより材木の内部から強制的に湿気を追い出し さらに重力魔法で圧縮することで、歪みも反りもない完璧な材木が出来上がる

「エヴァ。。。材木の乾燥にどれだけ複雑な術式を。。。」


そして数時間後、目覚めた天武の面々によって作業が再開され

ドドドドドドォォォォォッ!!!!!!

ガガガガガガガッァァァァァァッ!!!!! バババババババッァァァァァッ!!!!!ゴゴゴゴゴゴッォォォォォッ!!!!!! 縦揺れに横揺れ 爆音がこだまする


「今日の作業は、ここまでにしようか みんなお疲れ様」

「「「「「「「「「「お疲れ様です!! ブルート先生!!」」」」」」」」」」

地下50mまで掘り進められ、壁を高い圧力をかけながら、火魔法により焼き固められ

結晶化された壁面からは、所々赤や青の鉱石がキラキラと光を反射し、なんとも幻想的な

雰囲気を醸し出している

「ブルート!あれってルビーやエメラルドだよな!?」

「そうだな、ここの地脈が酸化アルミニウムやクロムが多いって事だな かなりの強度が期待できるな」

「いやいや あれだけで一財産だろ? お雪ちゃんに指輪を何個作れるだろう?」

「明日には、鉄化ですべて覆い尽くすから、見れるのも今日だけだけどな」


この夜、深夜までヤモリのように壁面を這いずり周り、カンッカンッと宝石をほじくる

ルイの姿を見たものは居なかった



その頃、本多忠勝は、身も心もボロボロに憔悴しきっていた

虚ろな目で大空を見上げる またしても全裸で、大海原に小さな筏で投げ出され

照りつける太陽に全身を焼かれる 忠勝の精神も極限まで追い込まれ、自分がもはや

どの位の期間この海原を漂っているのかさえ、さだかでは無い 夜の無い世界で空を見上げること以外に出来ることが無く 1ヶ月にも2ヶ月にも感じられる時間 

食事を摂ることも 睡眠を取ることも出来ずに、小さな筏の上で寝返りを打つ事もできず継続して襲ってくる痛みに耐え続けている

投げ出された当初は、手足の指先から、自分の細胞が燃えるような、ひっくり返るような

激しい痛みに襲われていた もしも痛みに耐えかねて海にでも落ちれば

2度と這い上がれぬような、自分の身体の制御をすべて奪われるほどの激痛

指先の激痛が収まってくると、手の平へと足の甲へと徐々に身体の中心に向かって

登ってくる 細胞が燃えつき、新たな細胞が生まれているとでも言うのだろうか。。。

「地獄の試練と言っていたが。。。これは、無理だろう?」



ブックマーク&星で評価などして頂けると嬉しいですm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ