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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
23/514

それぞれの浜松城

幸村登場ですが 

信繁が本当なのでしょうが。。。ここは幸村で

幼名 弁丸ですが ややこしくなるので 幸村で



死に戻りの儀から一夜明けた浜松城内

半身を起こせるようになったエヴァは、朝からほうとうを平らげ

真田昌幸との勉強会に没頭している


「つまりお館様の当面の敵は、尾張の織田信長 越後の上杉謙信ということですね?」

「天女様のおかげで、徳川殿が味方に付きましたので このまま三河を抜け 美濃、尾張に侵攻だと皆は、思っております」

「越後の上杉は、お館様の手引による一向一揆に手を焼いて

しばらくは、動けないと」


おおおおぉぉぉ!!!! うおぉ〜〜〜!!!!

すると突然 この本丸の裏手 天守曲輪の中庭より歓声が上がる

「何事でしょう? ちょっと見てまいります」腰を上げようとする昌幸をエヴァが制する

「必要ありませんよ 本多忠勝殿が目覚めたようです」


天守曲輪の中庭には、入城を許された 酒井忠次、内藤信成

等 主だった家臣団が集まっていた

そこに真田幸隆を伴った徳川家康が現れる

片膝をつき頭を垂れる一団 それを凝視し泣き顔とも笑い顔とも見える表情を引き締め

「忠勝の意識が戻った!!」吠える 家康

おおおおぉぉぉ!!!! うおぉ〜〜〜!!!!

   おおおおぉぉぉ!!!! うおぉ〜〜〜!!!!

酒井忠次が家康のもとに歩み寄り 歓声を鎮める

「殿も ご無事で何よりでございます」

「うむ お主らもな」家康のねぎらいに 頭を垂れたまま

黙って次の言葉を待つ

「忠勝は、わしを守るために〚龍神殺しのルイ〛殿と一騎打ちのすえ敗れ 重傷を負っておったが天女様の奇跡の術のおかげで

救われた 暫くは静養が必要だが安心するが良いぞ」

本人の知らぬところで〚天女の付き人〛から〚龍神殺し〛に昇格するルイ


「本多忠勝は、ルイ殿に敗れて亡くなったと聞いておりましたが?」昌幸が聞いてくる

「幸いにも心の臓を、僅かに外れていましたので なんとか一命を取り留める事が出来ました おかげでこの有様なのですが」

「と言われますのは、本多忠勝の治療にお力を使い過ぎたために床に臥せていると?」眉を寄せながら視線を落とす

「恥ずかしながら そう言うことになりますね」

「天女様! あまり無理はなさらないようにお願いします

 その。。。天女様の奇跡の術を、我々常人が修徳することは

 叶わぬのでしょうか?」必死の形相で訴え聞いてくる

「努力と才能なのですが。。。残念ながら 子供の時分から

 鍛錬を積むことが必要なのです」事実 エヴァとルイが育った孤児院では、独り立ちをしたときに困らぬよう

幼い時から魔法の英才教育を施していた 

「私には、幸村という5歳になる息子が居ります 是非とも天女様にお導き頂くことは、叶いませんでしょうか?」

『この国の方は、額を畳に擦るつけることが好きなのですね。。。』などと考えながら昌幸を見る

「幸隆殿の孫で、昌幸殿の息子ですか 見込みがあるかも知れませんね」微笑みながら答える まさに天女の笑みで見るものすべての心を射抜く 一瞬呆ける昌幸

「はっ はい有り難きお言葉 是非とも一度お目通しを」


「おおぉぉ!!」 「それで!!どうなったのじゃ!?」 

今度は、すぐ前の本丸の中庭よりどよめきと歓声が聞えてくる

龍神殺しの噂を聞きつけ 皆がルイを囲み武勇伝を聞きに集まっていた

どこから用意したのか木箱の上に乗り 鼻を膨らませながら

得意気に水龍神リヴァイアサンとの戦闘を語るルイ

死に戻りの事は、秘密にするよう念を押しているので大丈夫だと思うが 少々不安になるエヴァ

「そりゃ〜大きいぞ この本丸よりもでかい 馬でも一飲みだ」

「おぉっ それはすごいのう どのように水中の龍神様と戦うのじゃ?」

「それはな、天女様に護符を頂くんだ 水の上も歩けるし 少しの時間なら水中も自由に動けるぞ」

「おぉっ 天女様に! それは大したものじゃ」

武勇伝は続く


「ルイ殿も、すっかり溶け込んでおりますな」楽しそうに笑う 

「調子に乗りすぎなければ良いのですが」苦笑いのエヴァ

「天女様が、この部屋に運び込まれてから 気が付かれるまで

片時も離れず診ていられました 慕われておいでですね」

「そうですね 弟のようなものであり 唯一の家族ですから」


浜松城に久方ぶりの平和な一日が過ぎてゆく

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