表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
229/515

サウダージ

サブタイトルに迷いまして。。。

サウダージにしました。 ポルトガル語で愛しいとか会いたいと言う意味だと理解しているのですが

遠くに居る 特別な人に、会いたいけれど、それが叶わない人に使う 会いたいかと。。。


下鴨神社の境内、蹲り嗚咽を漏らす エヴァの後ろから近づいていく 武田信玄

「何があったのか、聞かせてもらえるだろうか?」

エヴァの肩に、優しく手を置き話しかける

「お館様。。。お玉様が、死んでしまいました」

武田信玄の胸に顔を埋め 咽び泣く エヴァ

黙ってエヴァの次の言葉を待つ 信玄

「崇徳院と名乗る、お玉様と因縁のある 数代前の天皇が夜叉の姿で現れて。。。」

「なんと!怨霊と言われる、75代崇徳天皇が!?」

「はい 崇徳院の怨霊が、霧の魔獣ネボアを取り込み夜叉として実体を持って

お玉様に呪いを。。。ひぇっっく」

「この国で最凶と言われる、崇徳院の呪いとは、それほどなのか。。。」

絶句する 武田信玄

「それほどの怨霊が、都で野放しになっていると言うのか?」

「いえ お玉様の呪い返しで、封じられているはずです 私がついていながら。。。

ルイにみんなになんと言えばよいか」

「天女殿、人間長く生きていると、たくさんの死を見ることになる それはもう嫌になるほどのな 大事な者の死に顔を見るくらいなら、自分が先に死にたかったと思うほどに

しかしな、天女殿 わしは思うんじゃ 先に逝った者の遺志を継ぐことが、供養になるのだと」

その時、武田信玄の脳裏には、徳川家康が浮かんでいた

「はい、私も。。。そう思います 必ず火竜を討ってお玉様の供養にしたいと思います」

少し落ち着いたのか、ようやく涙を拭う エヴァ

「ところで、本多忠勝は、一緒ではないのか? 姿が見えぬようだが??」

「忠勝殿は、尊天の加護を得るために、鞍馬寺の奥の院·魔王殿に入られて、姿を消してしまいました。。。ひっくぅぅぅぅっ」

ようやく泣き止んだというのに、また涙が溢れ出す エヴァ

聞いた事を、激しく後悔する 武田信玄



大垣城 練兵所

「ブルート先生! お玉様が。。。お玉様が、死んじゃいました。。。」

瞳に大粒の涙を湛えながら そう訴える茶々

「茶々、なぜ? そんな事が、わかるんだい??」

修練中の剣を置き、茶々の両肩に手をやる ブルート

「私の精霊ベラとフローが教えてくれました みんなにありがとうと伝えてくれと」

堪え切れずに、茶々の瞳から大粒の涙が、溢れ落ちる

「茶々の精霊ベラとフローが揃うと、知人の死がわかるというのか? それは。。。

小さな茶々には、残酷すぎるだろう。。。?」

「茶々!!お玉様が死んでしまったのか!?」

茶々とブルートの会話を聞きつけた 満腹丸が、大声で叫び、駆け寄ってくる

「みんなにありがとうって。。。言ってる」

「そんな。。。お玉様 今朝話したばかりなのに。。。」

「嫌だよ〜 お玉様〜 帰ってきておくれよ〜!」

年少組は、耐えきれずに泣き出し 年長組は、必死に涙を堪える

「みんな お玉様がどうして亡くなったのかは、まだ解らないが、おそらくは

火竜が関係しているだろう お玉様ほどの存在でも、命を落とすほどの敵だと言う事だ

みんなには、火竜との戦いの前線には立って欲しくないが、もしも俺達に何かあった時に、この国を守れるのは、君達しか居なくなる。。。戦い方を教えておいて、矛盾していると自分でもわかっているが、君達は決して死なないでくれ! どんなに無様な姿を晒そうが、生き残って欲しいと思う その為にも、しつこいようだが、己を守る術を身に着けてくれ」

「「「「「「「「「「はい ブルート先生。。。」」」」」」」」」」



上段から振り下ろされた 十文字槍の穂先が、胸をかすめ 忠勝の小袖の胸元が真紅に染まる それを気にも止めず、さらに一歩踏み込み 大天狗の首にめがけて蜻蛉切りを扱く

かくんっと忠勝の、顎が上がり 忠勝の額の真ん中に十文字槍の穂先がめり込み

23回目の死を体験する 本多忠勝


ブックマーク&星で評価などして頂けると嬉しいですm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ