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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
224/514

京都演舞

《ほう あの娘の力は、これほどか。。。》

《侮ってはいけません!あの妖狐にも劣らぬ力の持ち主です!!》

夜叉の個体内で囁きあう 崇徳院とネボア

そう話している間にも、容赦なく圧縮され、手足があり得ない方向に曲がり

ボキボキッと骨の砕ける音が脳内に響く

《逃れないので?》

《ふむ 数百年ぶりの痛みを楽しんでいるのだが、ちと楽しみすぎたようだな

どのように、逃れれば良い?》

《考えていないので!?》

慌てに慌てたネボアが、本能的に遠く離れた御嶽山に居る、2匹の兄弟竜に助けを求める

彼らに出来る事など、何も無いのに


エヴァが、夜叉に向けて突き出していた右手の平を、ゆっくりと握りしめる

球状の封印が、その中心に向かい収束し、夜叉が圧死すると思われたその時

エヴァの右手が跳ね上がり  夜叉から発せられた ドス黒い波動により、まったく抗うことも出来ずに 球状の封印が弾け飛ぶ

己の張った 封印が、弾け飛んだことに目を丸くする エヴァ

「油断していたつもりは、無いのですが。。。ちょっと驚きました」

《崇徳院は、霧の魔獣ネボアを取り込んでいるからね 厄介だよ》


《ほ〜う ネボアやるではないか!》

《いや。。。驚きました 遠く離れた兄弟の力を使う事が、出来ました》

《それは、頼もしいな!》

《崇徳院様、ちょっと試したい事があります しばらくこの身体の主導をお貸し願えますか?》

《そうだな 今の礼だ、暴れるが良いぞ!》

封印から逃れた夜叉は、手足をだらんっと垂らしたまま かくんっと顎が落ち

開かれた口から 妖狐に向け、ドス黒い息吹を放つ 

唸りをあげながら、大気を切り裂く波動

「なぜ竜の波動!?」

エヴァが叫びながら 妖狐の全面に、波動を逸らすように斜めに結界障壁を展開する

パリンッと音を立てて砕け散る結界 上空に逸らされ雲の中へと消えていく波動

「なぜ竜の波動を撃てるのでしょう?」

《ネボアを取り込んでいるからね 考えたくはないが、ネボアも竜の力を使えるのかもしれないね》

「お玉様、行きます!」

空中に数百枚もの足場となる結界を投げ 羽衣を翻し 妖狐の背を蹴る エヴァ

結界を足場に舞うように風刃を放ちながら 夜叉へと向かって行くエヴァ

細く鋭い豪炎を吐き 風刃を滅していく 夜叉

8本の尾を鞭のようにしならせ、突風に風刃を乗せ放つ 妖狐

回復した両の手を突き出し、半透明な盾を創り出し体の前面を覆い尽くす 夜叉

カンッ! カンッ! カンッ! カンッ! 弾け落ちる 風刃

妖狐が8尾を広げ、稲妻を呼ぶ  夜叉の上空にある結界を蹴り 独鈷杵を握りしめ

何十本もの稲妻を避けながら、夜叉に向かい頭から突っ込んでいく エヴァ

「青龍!力を貸しなさい!! やあああぁぁぁぁぁっ!!!」

独鈷杵の固く鋭い部分を、夜叉の創り出した盾の中央に突き立てる

バリンッ!!! 砕け散る 盾

自分の左側に結界で、壁を作り 疾風を掛けながら、思いっきり壁を蹴る エヴァ

目にも止まらぬ速度で、独鈷杵に妖狐の稲妻を載せ、夜叉の脳天にを独鈷杵突き立てる

ドガッ!!! こちらも目にも止まらぬ速度で嵐山の森林の中へと吸い込まれていく夜叉

バサッ!バサッ!バサッ!! 数本の枝を折りながら、地面に叩きつけられる 夜叉

《ほ〜う あれを受けても無傷か?》

《はっ兄弟の強度に助けられました》

《それにしても、貴様も余も実体を持った戦いには、不慣れなようじゃな》

《お恥ずかしい。。。しかしこれほど楽しいとは、思いませんでした》

《楽しみ中に悪いが、主導権を返してもらうぞ 約束通り妖狐を滅した後は、この体は

好きにするが良い》

《はっ ありがとうございます》


「お玉様! 止めを刺してきます ここで待っていて下さい!!」

自然落下に羽衣の加速を乗せ、嵐山の森林へと飛び込んでいく エヴァ

「えっ!?」エヴァの頬を冷たい霊気が、掠めた気がした

嫌な予感に上空を仰ぎ見ると、妖狐の鼻先に手を当てている 夜叉が見える

「えっ! 瞬間移動!? お玉様っ!!!!!!」


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