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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
221/516

鞍馬 ·奥の院·魔王殿

遅くなり申し訳無いです

妖狐の背に乗り、京を目指す エヴァと本多忠勝

《そろそろ降りるよ、しっかりと掴まっているんだよ》

初めて空を飛ぶという体験をした本多忠勝は、真っ青な顔でコクコクッと頷く

《この参道を登って行くと、鞍馬寺の本堂に出るよ そこから1kmほど、奥に行くと

あんたらの目的の魔王殿がある 行けば何をすればいいのか、わかるだろうさ》

鞍馬山の麓で、エヴァと本多忠勝を降ろした妖狐は、何か気になることがあるようで

落ち着きなく、西の空を見ている

「お玉様は、一緒に行ってくれないのですか?」

《ここには、ちょっと面倒なのが住んでいるからね あたしは、ここまでだね》

「お玉様!すぐに戻りますので、必ずここで待っていて下さいね!」

通常の狐の大きさに戻った妖狐の目線まで腰を折り、懇願する エヴァ

《野暮用を済ませたいんだけどね。。。それに、すぐには、終われないと思うけどね》

「でしたら、私だけでも、すぐに戻りますので待っていて下さい」


妖狐と別れ参道を登って行く

「旦那様、危ないと思ったら すぐに戻って来て下さいね 尊天の力より貴方の方が

大切なのですから。。。」

「必ずや その力を手にして戻ります! もう貴女の足手まといなるのは嫌なのです」

「足手まといなど思ったことはありません!」

「しかし、実際に天武の子供達にも劣るのは、明らかですから」

この世界では、卓越した力を持つ忠勝が、力が足りぬと思い悩んでいた事を不憫に思う このような戦いに巻き込んでしまったのは、自分なのにと。。。

「わかりました 貴方が、尊天の力を授かることを祈っています」

「はい それが何よりの励みとなります!」

長い長い参道を登り 鞍馬寺の山門をくぐる

そこで住職の許可を取るべく 本尊へと向かう


「住職、お初にお目にかかる 拙者は、将軍·武田信玄に仕える 本多忠勝と申します

しばらくの間、奥の院·魔王殿で修行をさせて頂く許しを戴きたく、まかり越しました」

「私は、ここ鞍馬寺·住職の双念と申します 

お二人の事は、よく存じております 天下無双·本多忠勝殿に天女様でございますね 

京の都中が、お二人のご結婚の話で持ち切りでございます ご結婚おめでとうございます 

そして本多忠勝殿、貴方はここへ来るべくして来られた事も、理解いたしました」

目を細め、忠勝を見る 住職の双念

「ありがとうございます あの旦那様が、ここに来るべくして来たというのは。。。

どういった意味でしょう?」

「毘沙門天と千手観音の加護をお持ちなのですから 想像に難くないと言う事です」

「三位一体、尊天の加護をなんとしても得なければならないのです 何か助言を頂けませんでしょうか?」

藁にもすがる気持ちで、住職に迫る 忠勝

「そうですね。。。真言はご存知ですね?」

「はいここに、写しを持参しております」

「それでは、真言を唱えなさい 貴方に資質と覚悟があれば、尊天が応えてくださいます ただ。。。当寺の歴史上、いえこの国の歴史上 尊天の加護を授かった者は居ません

あまりにも強大な力ゆえ、私利私欲の為に真言をいくら唱えても、尊天が応えることは無いでしょう しかし民の為、人類の為であれば、応えて下さると伝わっております」

「住職!ありがとうございます!!俄然やる気が出てきました!!」

がっしりと両手で住職の手を握る 忠勝

「尊天が応えてくださってから 本当の試練の始まりです 決して諦めないで下さい

そして負けないで下さい」

「双念様、もし負けたら。。。どうなるのでしょうか?」

不安そうに聞く エヴァ

「涅槃に帰るだけです その時には、当寺で手厚く葬らせて頂きます」

さらりっと答える 双念住職

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