信玄と家康 2
この当時
織田信長と徳川家康の関係って実際にどうだったのでしょうね〜 主従関係では無く、対等だったのでは?
とイメージしながら書いたつもりが やっぱり主従関係だった? 等と迷ったりして 文章にも迷いが出ていなければいいのですが
「もし首を落とされていたら 死に戻れなかったそうじゃ」
「ルイ殿にも感謝せねばなりませぬな、此度の戦で大勢の兵を失いました しかしそれは、戦という理の中での事
我等 敗軍であるに関わらず、失った以上の命を救っていただいた上に 忠勝を死に戻して頂き 私は、この恩にどのように
報いれば良いのでしょう?」
「天女殿は、なんの報酬も求めては来んな あのお方の望みは
出来うる限り、血を流さずに、この国を平定することじゃ」
「信玄公 貴方の望みは?」
「わしか 言うまでもない 天女殿の望みを叶えることと
幕府を再興することじゃ それに助力すると申すなら
わしは徳川の盾となる、反目するというのなら 槍にもなるぞ」
豪快に笑う信玄
「この徳川家康 生涯 信玄公の意に背くことはないと誓いまする 東国に幕府を興す 源氏の復権にお役に立てれば、思い残す事もございません」改めて 深々と頭を垂れる
「それにしても 世にも恐ろしいものを見たものよのう
死に戻りか。。。決して他言できぬというのが、口惜しいのう 皆に聞かせてやりたいが、天女殿にきつく口止めをされておるからの」
「禁忌の術なのですから、当然で御座いましょう 自然の摂理に反し過ぎておりますゆえ」
信玄と家康 二人の脳裏には、つい先程この部屋で起きた奇跡が
もう幾度も蘇っている
長い長い 呪文を天女が唱え 土色だった本多忠勝の頬に
少しづつ赤みがさし 突っ伏したまま動かぬ天女の下で
突然 思い出したように呼吸を始める忠勝。。。
部屋にいた大の男4人が流れる涙を拭うことも忘れ
ルイの手で運び出される天女を、まんじりともせず
ただ見送ることしかできずにいた
二人の間に横たわる本多忠勝 この国の歴史上、初めて死に戻った男に真実が明かされることはない
いまだ目覚める様子のない 忠勝を挟み 源氏の子孫2人の
談議は続く
「東国に幕府を興すとなりますと 将軍義昭公は、どうなりましょう?」
「領土も兵も持たぬ 信長の傀儡であるからな 居ないほうがましであろう? 今更 信長に反旗を翻したところで自分では何もできずに、主だった武将に信長を討伐せよと文を書くだけじゃ
出来るだけ穏便に隠居して頂きたいものよのう」
「信長包囲網は無視されるということでしょうか?」
「いや 義昭公の為でなく浅井、朝倉の為に動く おそらくは
信長に勝てぬであろうからのう 年が明けたら挟撃じゃな」
「それがしに、時を頂けませんでしょうか? 尾張へと赴き
信長公に降るよう説得したいと思います」
「お主には、遠江、三河の地盤を固めてもらいたいと考えているのじゃが。。。」
「三河の松平をはじめ、信玄公に与する事に異を唱える者は居りませぬ 天女様の望まれる 血を流さない平定の為にも 何卒」
「命がけの仕事になるぞ?」
「もとより覚悟の上で御座います」家康の表情が引き締まる
「来年1月の末まで待つ 良い知らせを待っているぞ」
「必ずや 良い報せを持ってまいります」
この国の未来を左右する軍議が開かれていた頃
ようやくエヴァが意識を取り戻していた
死に戻りの魔法により 己の魔力を枯渇させ、さらに己の身体を媒介にして、この土地周辺の魔素を取り込み魔力へと変換したため 通常の魔力切れの 数倍の負荷を魔力回路に負わせていた
意識はあるが、身体を動かすことは出来ない
ここまでして、会ったこともない本多忠勝なる魂を蘇生させたのは、全ては武田信玄を、この国の頂点へと押し上げ
自分とルイの身の安心、安全を保証させるためである
かなり過剰に天女演出をして見せてきたのも 恩を売るため 自分たちの価値を印象づけるためである
『私は、なんてできる女なのでしょう? それにしてもしんどい。。。お腹空いた。。。ほうとうが食べたい』
「お? 気がついたのか?」ルイが顔を覗き込んでくる
「そうか。。。返事も出来ないのか じゃあ瞬きで ハイなら1回 いいえなら2回瞬きな」
パチッ
「お腹空いた?」パチッ 「食べれるのか?」パチッパチッ
「そうか〜食べれないのか。。。饅頭あるけど ガッハッハッハ」
物凄く嬉しそうに笑うルイ
「おっぱい 触ってもいい??」パチッパチッパチッパチッパチッパチッ
「ガッハッハ ヒィッヒィッ ガッハッハ」
息をすることも忘れ 笑い転げるルイ
『3日後 殺す!!』心に誓うエヴァであった




