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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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人外達の宴2

岩村城 二の丸内 客間

「ルイ殿、今日の分の、酒樽が届きました」

「ああ ありがとう そこに置いておいてくれ」

「すいません 重いのに毎日、ご苦労様です」

おりんが頭を下げる

「とんでも御座いません 我々の為に戦い退けて下さった ルイ殿やお狐様の要望であれば、我らにできる事でしたら、何なりとお申し付け下さい

もちろんおりん様も、何なりとお申し付け下さい」

小姓が、深々と頭を下げ、部屋を出ていくと ルイが手をかざし、2つの酒樽を空間収納に入れ 昨日の分の空になった酒樽を出す

この酒樽は、“童子切安綱”と“草薙剣”に宿る 酒呑童子と八岐大蛇へのお供えである

「毎日、酒樽を運んで貰うのも大変ね」

「そうなんだけどさ お雪ちゃん 前に3日分をまとめて容れた事があるんだけどさ

こいつ等、1日で全部飲んでしまって 次の日に催促するんだよ?

そもそも酒呑童子に酒を供えるって約束してないんだけど。。。」

空間収納内で“ギクッ”とする 酒呑童子

「何を言っているのルイ!? 今回の戦いも大活躍だったそうじゃない 童子切安綱

そう言ったら八岐大蛇様の方がただ酒飲みって事ね!」

空間収納内で“ギクッ”とする 八岐大蛇




酒呑童子《実に優しくて、良い娘であるな お雪と申したか? もしも、このわしを手にする事があれば、十二分に働いてやらねばなるまい》

八岐大蛇《何を申しておる! 実にけしからん娘ではないか!!

この我に向かって、ただ酒飲みとは、天罰を与えてやらねばならんな》

酒呑童子《まぁまぁ旦那!飲みましょうぜ!!》

八岐大蛇《まぁ確かに、お前は良い仕事をしたのは確かじゃがな ルイが殺されたと思い込みおって。。。狂戦士化したのには驚いたぞ》

酒呑童子《恥ずかしい所を、見せちまいやした 頭に血が登っちまいまして、天女が

手にしてくれたお陰で、なんとか治まりましたがね》

八岐大蛇《それで。。。お前だけが、あの火竜の親子それぞれに一太刀浴びせたわけだが、実際のところ親子で手応えは、どうだったのだ?》

酒呑童子《それが、まったく違った。。。母竜の方は、張り詰めた腐肉を切っているような感触だったが 子竜の方は、鉱物を削っているような感触だったな

それが、どうかされましたか?》

八岐大蛇《ふむ ちょっと気になったものでな。。。》

酒樽に首を突っ込み、ゴクゴクッと飲み干していく 鬼と大蛇


妖狐《ちょっと お邪魔するよ》

酒呑童子《これは、九尾の姐さん 顔を出すなんて珍しい事もある》

妖狐《あんた等も、気づいているのか聞きたくってね》

八岐大蛇《御嶽山の事か?》

妖狐《ああ 数日前に母竜の気配が消えたと思ったら 2匹の子竜の魔力が膨れ上がり

ついさっきは、ネボアとか言う霧の魔獣が動き出したね》

八岐大蛇《あの霧の魔獣は、分裂したと思ったら、2匹の兄弟竜に憑依というより、融合したように思うがな まさかさらに分裂したと言うのか?》

妖狐《あたしには、そう感じたがね。。。どちらにしろ厄介な事になったね》

八岐大蛇《奴等が、どれだけ強大になろうと逃げるという選択は無いのだろう?》

妖狐《あの子らは、逃げるなど考えもしないだろうし、逃げる場所もないだろ?》

酒呑童子《奴等が、どれだけ強くなったが知らないが、戦えばいいじゃねえか!?》

妖狐《あんたには、わからないのかい!? あの2匹は、生き物の域を超えちまったんだ 仮に、このあたしが九尾になったとしても 勝てる気がしないほどのね》

酒呑童子《いや わしは、気配探知とかは苦手なんだが。。。本当にそれほどなのか!?》

八岐大蛇《我も生き物の域を、はるかに超えておるぞ 我に任せておけばいい》

酒呑童子《そうだぜ!姐さん 旦那がそう言うのなら間違いねえや》

妖狐《天女を贄にするってのが気に入らないのさ! 古龍様、このあたしが生贄じゃあ

駄目なのかい!?》

八岐大蛇《我の贄には、若い娘と決まっておる 九尾よお前は、1000歳を超えておるじゃろう!! 腹を壊すわ!!》

腹を抱えて笑う酒呑童子を睨みつける 妖狐

妖狐《わかっているよ!!誰か他のものじゃあ駄目なのかい!?》

八岐大蛇《あの子竜が相手では、霊格で言っても釣り合う者など居らぬじゃろう?

あの天女の血族であれば考えても良いぞ 面白くない事に夫を見つけおったしな》

妖狐《あの娘に血族なんて居るわけないじゃないか。。。。》



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