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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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ネボア一人旅2

ブラジル、サンパウロ州の南に位置する

パラナ州に住んでいます ブラジル怖いでしょう? とよく聞かれますが

20年間で特に怖い思いをしたことは無いです

泥棒に入られた事は、ありますが 日本でも空き巣に入られた事があるので同じですね

自宅前の生け垣に弾の入った拳銃が、捨ててあった時には、ブラジルだな〜とは思いましたが



「気づきましたか!?」

「何にだ?」食事中の箸を止め、エヴァに聞き返す ブルート

「そうか、ここに居る中で、ネボアに遭遇したことがあるのは、私と忠勝殿だけですね」

名前を呼ばれ、不思議そうにエヴァを見る 本多忠勝

「ネボアと言うと、大嶽丸様が憑依されたとか言う、霧の魔獣でしたな!」

ようやく思い出し、得意気に胸を張る 忠勝

「ああ ある意味で一番厄介な奴か。。。」

「城下町の端で、こちらを伺っていました 岩村城の戦いで2匹のバハムートからネボアの気配を感じていたのですが 今は、単独で行動しているようですね」

「2匹のバハムートから気配を感じていたと言うのは、バハムートに融合していたという事か?」

「融合というよりは、憑依していたのだと思いますが。。。バハムートの動きにネボアの意識を感じられなかったので、命令系統つまり脳への憑依ではないかと思うんですよね」

「そんな事まで、解るものなのか?」 

興味深そうに聞いてくる ブルート

「だって融合していたら、ネボアの痛みが聞こえてくるでしょう? バハムートの苦痛しか聞こえませんでしたから。。。」

「エヴァ。。。お前。。。怖い。。。」

「違うんですアラン!!あの時は、狂戦士モードになってしまって。。。」

「まぁ それは置いておいて、偵察に来ていたと考えるべきか? ここにほぼ全ての戦力が集結している事が知られたという事だな」

「岐阜城に移動するのを、早めたほうが良いかもしれませんね。。。」

「そのネボアの目的地は、ここだったのだろうか?」

「権力者に憑依するために、京の都に向かった可能性は高いですね 各所を結界で囲んでいますので大丈夫だとは思いますが。。。」




眼下に広がる、想像していたよりも、はるかに広大な、この国の都に目を剥くネボア

ほんの数ヶ月前に母竜ベヒーモスが火の海と化した区画も、確認できないほどに

整然と建築物が並んでいる

脆弱だと思いこんでいた 人間という種族は、これだけの都市を築けるほどに優れており

あれほどの被害を出しながらも、わずかな期間で復興させるほどに忍耐強いというのか?

低空を飛行しながら、すれ違いざまに数名の人間の頭の中を覗いてみる

商人、職人、武士、書生等 様々な人間に憑依する事により、この国の体制などもより

理解する事が出来た 

太古より、天皇という君主が国を統べており、政治の中枢を担う

そして武家の頂点に将軍が据えられ、本来であれば都の、さらには国全体の治安を担う

という 二極化した形態を採っており

言い換えれば、天皇、貴族のいる朝廷が頭部で 将軍、武家のいる幕府が身体と言える

本来であれば、頭部である朝廷の命令を、それを受けた手足である幕府が、朝廷の意に沿い動くと言うのが建前なのであろう

しかし その時代、その時代で朝廷の影響力が大きくなったり 幕府の力が大きくなったりと、振り子のように貴族側に振れたり、武家側に振れたりを繰り返してきた

人間というのは、実に興味深い生き物だ 権力のために親兄弟、肉親に手を掛ける

かと思うと 己の主君の為に容易に命を投げ出すという

ネボアが理解に苦しむ矛盾した生態を持っている 

天皇あるいは、将軍に憑依できない物だろうか? 居場所は掴んでいる

天皇が内裏と呼ばれる、都の中心部の広大な敷地に居り

将軍·武田信玄なる者は、下鴨神社と言われる神殿に滞在しているようだが

そのどちらもが、強力な結界魔法で護られており、進化したネボアでも侵入することは

困難であった

そして その両名ともに、その敷地から出ることがないという 情報も掴んでいた


思い出したかのように、赤と黒のバハムートに意識を向ける 300kmほど離れていても、問題なく意識を共有できている事に安堵する

黒いバハムート“ナーダ”の傷はほぼ癒えており “フォゴ”の傷は、あと数日で全快となるだろう それまでの間、この人間共の都で情報を集めるとしよう



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