ルイの受難
遅くなりすいません
大垣城 早朝
「天女様!昨夜は、ご挨拶もできずに申し訳ありません」
エヴァを見掛けるなり、走り寄ってくる 羽柴兄弟
「何も気にされる事などありません 私も昨夜は、早くに床につきましたので
それよりも、岩村城下の復興の件 お手数ですが、よろしくお願いします
今回は、土魔法が使える者は、同行できないのですが お雪ちゃんに同行してもらいますので予定よりも早く終わると思いますよ」
「住居部分の基礎は、終わっていると聞いております、木材も運び込んで頂いているそうですので、終わり次第 岐阜城に向かわせて頂きます」
アラン、ブルート達が瓦礫を撤去した際、土台の工事を終えていた
さらに近隣の領主や村落から、木材を手配していたので、羽柴組が到着次第
仕事に掛かれる段取りとなっており、お雪のヴァルキュリアによる【鼓舞】を受ける事で、さらに工期が早まるであろう
「はい よろしくお願い致します 秋山虎繁殿にもよろしくお伝え下さい
では、お雪ちゃん ルイとおりんちゃんとお玉様の護衛をお願いしますね
ルイの様子を見て、移動するのが無理そうなら しばらく岩村城に滞在させてもらって下さいね」
「はい 天女様お任せ下さい!」
岩村城へ向け、出立して行く 羽柴組の800名とお雪
順調に東へと歩みを進める羽柴組の一行
かなりの強行軍ではあるが、今日の夜遅くには、岩村城下に入る予定である
「羽柴様、申し訳ないのですが、先に岩村城へ向かわせて頂いても構いませんでしょうか? ルイ達の事が気になって。。。」
「これは、お雪殿 もちろん構いませんが、女一人で道中危険ではありませぬか?
もしお雪殿の身に何かあれば、天女様に会わせる顔が無いのですが」
「それは、ご心配には及びません 熊や猪でも、私の脚に着いてこれませんので
皆さんに【鼓舞】の術を、お掛けしていきますので、予定よりも早く到着されると思いますよ では、一足先に岩村城でお待ちしております」
そう言い、効果範囲を最大にして【鼓舞】を掛けると、飛ぶように駆けて行く お雪
「兄者!身体が嘘のように軽くなりましたぞ!!」
秀長が、その場でぴょんっぴょんっと跳ねて駆け出す
「頭、なんだか知らないですが、無性に走りたくてしょうがないんですが!」
「仕事がしてぇ〜 早く仕事がしてぇ〜 歩きながら出来る仕事は無いっすか?」
「岩村城は、まだか!?到着したらパッパッと家でもなんでも建てちまいやしょうぜ!」
【鼓舞】の効果とは、身体能力だけでなく、やる気まで最大限に上昇させるようだ
「お雪殿を、是非とも羽柴組に欲しいのう!!」
まだ陽も高いうちに、岩村城へと入る お雪
案内された部屋に入ると 床の間の豪華な座布団の上にお玉様が、丸まっており
奥に敷かれた布団で横になっている ルイ そして枕元に座る おりん
「みんな無事で良かったです! ルイは、無事そうじゃないけど!?」
半泣きで、ルイの枕元に駆け寄る
「お雪ちゃん来てくれて嬉しいです! ルイは寝ているんですけど、せっかくお雪ちゃんが来てくれたのですから 起こしましょうか?」
「いえ それでしたら、寝かせておいて下さい ルイの具合はどうなのでしょう?」
「だいぶ原型を取り戻しました 最初は、半身がぼろぼろでしたが。。。見ます?」
おもむろに布団をガバッと捲り上げる おりん
首から腰にかけての左半身の皮膚は、再生しておらず 筋肉が剥き出しの状態で
昔に見た 重度の火傷を負った、遺体を思い出した お雪が言葉に詰まっていると
「大事な所は、無事ですから 大丈夫ですよ」
思わず大事な所に目をやる お雪
「そ。。。そんな心配はしていません!!」
「たとえもげても、再生させますけどね もげていたほうが、もう少し大きく再生してあげたんですけどね。。。」
「えっ? これって小さいのですか??」
お雪が、しげしげと眺めながら、おりんに聞いてみる
「私もよく知らないのですが。。。お玉様が、ルイのは可愛らしいと仰っていました
アランさんのは、それはもう凄いんですって」
「。。。。。。おりんちゃん。。。布団を掛けてくれないか。。。」
本気で泣いている ルイ
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