利家と秀吉
琵琶湖の湖面が凍るという 前代未聞の騒動を巻き起こしたメテオだったが
丸1日を掛け、琵琶湖周辺の被害を調査した結果、漁をしていた漁船の船底が凍りつく
等の被害があったものの、夕方には氷もすっかりと溶け、日常の風景が戻っていた
「みなさんお疲れ様でした 幸い、たいした被害も無く済んで良かったです
ただメテオは、環境に与える被害が、あまりにも甚大ですので封印ですね」
「はい 天女様、みなさんもご迷惑をお掛けしました」
「「「「「「「「ご迷惑をお掛けしました」」」」」」」」
「お前らが、あれほどの魔力操作が出来るとは、見誤っていたよ メテオは封印だが
違う形で、より実戦的な攻撃魔法を一緒に考えていこう」
「はいブルート先生、よろしくお願いします」
「信忠様が、これほど立派になられるとは、信長公も喜ばれている事でしょう」
「前田利家殿、僕に敬称は、やめて下さい 天武の規則でもありますので」
「これは失礼いたしました 信忠殿、しかしながらこの利家、織田家の再興を信じております」
「利家殿。。。まだまだ学ばなければならない事が、沢山ありますし、みんなで火竜を討ち、父の仇を取った後に、許しを頂けるのであれば。。。その時は、力を貸して下さい」
「若様、この前田慶次郎 微力ながら、お家再興の際には、力になりますぞ!」
「ありがとう慶次郎殿、しかし最後に父と話した時に言っておられた 天女様に怨霊を
祓って頂いてから、自分の愚かさに気づいたと。。。これからは、織田の為にではなく
尾張のため、この日の本のために残りの人生を使うのだと 利家殿も慶次郎殿も力をお貸し頂けるのならば、その事を肝に命じて頂きたい」
「さすが若様!どこまでも着いていきますぞ!!」
その日の夕刻、岩村城下の復興作業に向かう羽柴組の約800名が宿営の為に大垣城に入る
「前田利家殿、慶次郎殿も、お久しぶりで御座います この秀吉おめおめと生き恥を晒しておりまする」
秀吉、秀長兄弟が揃って頭を下げる
「羽柴殿、頭を上げてくだされ 生き恥を晒しているのは、我らも同じ
お二人は、都の復興や鳴海城の再建など大層ご活躍されていると聞いております
織田縁故の者達が優遇されているのもお二人のお陰かも知れませぬな」
前田利家が二人を労う
「我等は、元々が土いじりしか出来ませんからな それで皆の役に立っているのなら
本望かもしれません 利家殿こそ、ここ大垣城を任されるほど 武田信玄公の信も厚く
我らの方こそ、鼻が高いというものです」
「すべては、将軍·武田信玄公の懐の深さゆえでしょう あの方には、徳川も織田も関係なく日の本の人間と見えているのでしょう 信忠様の帰る場所を守る為にも、信玄公の
期待に応えねばなりませんな」
「その為にも、岩村城下の復興 その後は、岐阜城の再建をつつがなく終えて参ります」
「岐阜城をですか!? 拙者も通りがけに見て参りましたが、何も残ってなどおらず
焼け野原となっておりましたぞ!」
前田慶次郎が興奮気味に話す
「鳴海城も二条城も焼け野原から、わずか1,2週間でさらに強固な城塞となりました
今は、土魔法の使い手がさらに増えていると聞いております
もっと早く、もっと強固な物ができるやも知れません いやはや魔法というものは
恐ろしい限りですな」
「昨日の日中に魔法の恐ろしさは、身を持って体験しました」
メテオを思い出し、ぶるっと背筋を震わせる 前田利家と慶次郎
「あとここだけの話なのですが、岐阜城の再建の後に、浜松城の改修を仰せつかっています 将軍は、浜松城に幕府を置くおつもりのようです
徳川家康殿の嫡男·信康殿を重要な役職に徴用されるとの噂ですな」
「なんと!東国に幕府を移すというのは、真でしたか。。。信康殿が、信忠様に対して
遺恨など待っていなければ良いのだが。。。」
その後も遅くまで、元織田家臣の同窓の会は続く
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