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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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メテオ2

羽衣を、羽ばたかせるように駆けながら 指示を出す エヴァ

「お雪ちゃん!精霊ヴァルキュリアの加護【鼓舞】をみんなに!!」

「はい!天女様、ヴァルキュリアよ願いを聞いて下さい ここに集いし魔力に脈動を!

奮い立たせよ!!」

魔力を持つ者たちの魔力量が上昇し、行使する魔法の質までもが変化する

「茶々ちゃん!千代ちゃん!信忠君!3人で竜巻を作って下さい、巨岩の軌道を西へ逸らせます」

大垣城の西側に巨大な竜巻が発生し、巨岩に向け伸びていく

「信勝君!氏直君!その竜巻に火球を撃ち続けてください そして政宗君!炎の精霊エフリートに、竜巻に炎の加護をお願いして下さい!! 上昇する気流が出来て、落下速度が鈍るはずです」

「はい!天女様 炎の精霊エフリートよ 我の魔力を喰らい、すべてを燃やし尽くす獄炎の熱波を顕現させよ!!」

伊達政宗の体から、赤い光が解き放たれ、竜巻へと向かうと大きく渦を巻く竜巻上部に

飲み込まれ ぼっ!!と言う炸裂音を発し、数本の火柱が立ち昇る

その竜巻が、氷の巨岩を、わずかに押し上げジュッ!ジュッ!と体積を削っていく

地上には大粒の雨が降り注ぎ、たちまちの内に泥濘を作る

「満腹丸君、直政君その場で、土魔法で、出来るだけ大きな石の塊を作っておいて下さい 

忠勝殿と慶次郎殿は、私が合図をしたら4人で、その石の塊を撃ち出して下さい 

幸村君は、待機です」

「「「「「はい天女様!!」」」」」

満腹丸と直政が、両の手を翳すと何もない空間に丸い石が浮かび上がり、徐々に厚みを増していく その後ろに待機する忠勝と慶次郎に真田幸村


「アランとブルートは、私に着いて来て下さい!!」

空中に結界魔法で次々と足場を作り出し、上へ上へと飛ぶように登って行く

「偉いことになったな、子供達の魔力がこれ程の物とは。。。正直、驚いたよ」

ブルートがエヴァの後ろを飛びながら、話し掛ける

「私も驚いています、なぜこんな事を思いついたのかも」

「すまん。。。俺のせいだ、だいぶ前にだが、最強の攻撃魔法はなんだと聞かれて

伝説級魔法メテオインパクトだと教えてしまったんだ まさかこんな形で再現するとは

思いもしなかったが。。。」

バツが悪そうに、うつむくブルート

「こんな形で、再現するとは、思いませんよね。。。絶対に被害を出さずに、なんとかしなければ、いけませんね あの子達の将来のためにも。。。」

そう話しながらも、一歩一歩結界魔法で作った階段を登って行く

炎の奔流と化した、竜巻の熱がちりっちりっと伝わってくる 耐熱強化を3人に掛け

地上の満腹丸達が、作り上げている石を見ると直径10mにも届こうかという大きさだ

風魔法に乗せ、各々に指示を出す

「満腹丸君、直政君、忠勝殿、慶次郎殿 その石をアラン目掛けて、思いっきり撃ち出してください!」

なんの戸惑いもなく、持てる力の全てでアランの背中に向けて巨石を撃ち出す4人

「幸村君!鉄の精霊フェローに語りかけて、その石を、鉄の塊にしてもらって下さい」

一瞬で鈍い光を放つ、鉄塊へと化けた巨石がアランの、背中に風を切りながら迫る

「アラン!貴方の大槌でメテオの中心へと弾き飛ばして下さい!! 私とブルートで風の道を作り誘導します」

アランが大槌の柄を極限まで伸ばし、身を屈めた頭上を鉄塊が通過すると同時に大槌を振りかぶり渾身の力で叩き、弾き出す

唸りを上げながら、風の道に乗りメテオへと突き進む巨大な鉄球

炎の竜巻に煽られながら、西へ西へと流されていたメテオの中心に向けて、吸い込まれるように消えていく鉄球

ドッガアアアアァァァァンンンッッッ!!!!!!耳をつんざく爆音が響き

上昇するかのように軌道が上を向き、巨大すぎる花火のように爆散するメテオ

その瞬間に湧き上がる絶叫!咆哮!歓声!人々の声が大垣城を包み込む

粉々に砕けた青い破片が琵琶湖に降り注ぎ 湖面を凍らせる


大垣城の中庭に舞い降りた エヴァ、アラン、ブルート

地面に額を擦りつけ土下座する天武の子供達


「貴方達は、何をしているのですか?」 優しく聞くエヴァ

「はい まさかこのような大変な事になるとは思わず 軽率でした」

「「「「「「「「ごめんなさい!!!!!」」」」」」」」

「貴方達には、なんの非もありませんよ ちゃんと私達に断ってから術を行使したのですから 詳細まで聞くのを怠った私達にも責任があります」

「それでも一歩間違えば、大変な被害を出していたかも。。。」

織田信忠が力無く応える

「みんなの力で、それを回避できたのですから 良しとしましょう

それよりも破片が降り注いだ、琵琶湖の漁師や琵琶湖の東側の住民や農地に被害が無かったか、手分けして調査をしなければなりませんね すぐに向かいますよ」

「「「「「「「「「はい天女様!!!!」」」」」」」」」


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