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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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大垣城の修練3

エヴァを中心にして車座に座る 天武の面々

「みんなの、ここまでの修練の結果ですが 正直に言って驚いています 精霊や魔法を

ちゃんと理解されているのですね いつどこが、戦いの場になるかわかりません

みんなには、自分や仲間を守る術を身に着け、さらに強固な物にしてもらいたいのです」


そんなエヴァ達の元へ、砂煙を上げながら駆けてくる 2人の大男

練兵所への生け垣を飛び越えると、縮地術でさらに加速した本多忠勝が、エヴァの足元に滑り込んでくる

「ハァッハァッハァッ! ブルート達を呼んで参りました そして前田慶次郎との勝負にも勝ちました!!」

ハァッハァッと肩で息をしながら、得意満面で報告をする 忠勝

「汚いぞ!忠勝!!縮地術など、そんな術をまだ教えて貰っていないぞ!!!」

「勝負は勝負だ!約束通り、次の酒席で“安来節”を披露してもらうぞ!! がっはっは」


「お兄様、安来節ってなんですか?」

茶々が、満腹丸に聞く

「どじょうすくいを真似た踊りだよ どじょうを取るザルを持って、腰には魚籠びくを下げ

鼻に銭を着けて、箸を鼻の穴に刺して、踊るんだ あと豆絞りの手拭いで頬被ほっかむりもするな」

「それは、武士として、この上ない屈辱ですね。。。」


「エヴァ、お前の旦那。。。考え直したほうが良いんじゃないか?」

井伊直政を連れたブルートが呆れ顔で話す

「何にでも一生懸命な所が、また良いのです。。。 それは置いておいて 井伊直政君の防御魔法を見せてもらいたいのですが」

「直政は、4属性すべての壁を作れるけど、必要ないかもな 見たほうが早いな

エヴァ 直政に風刃を撃ち込んで見てくれ」

「また風刃ですか? 数少ない私の攻撃手段の信頼性が著しく低下しているのですが?」

宝戟ほうげき[三叉に分かれた槍]を体の正面で、両手で持つ直政に風刃を撃ち込む

直政に吸い込まれるように飛翔する風刃が、直政に触れる寸前で地面に落ちる

「えっ!?」

「エヴァ もっと同時に撃ち込んでいいぞ」

初段より速度も威力も高めた風刃を5枚同時に飛ばす

直政の宝戟がわずかに左右に揺れた気がした。。。先程と同じように、力無く落ちる風刃

「えっと どういうことでしょう?」

「もちろん、時の精霊ハオルの能力だが、前に話したように時間や時空に干渉できる

自分の周囲の時の流れを遅延させて、攻撃を叩き落としているんだ」

「簡単に言うけど、それって大変な事じゃないの?」

「ああ 大変なことさ、でもこれから、空間と空間を繋げる転移術や、時を止めるのも可能だと思っている」

まるで自分の事のように得意気に語る ブルート

「いつか、私達が帰ることも可能になるのかしら?」

「帰りたいのか?」

「この子達を置いては、帰れないわね、あの人も」

前田慶次郎に安来節を指南している、本多忠勝を見る


その日の夜

天武の男子部屋に天武の全員が集まっている

「天女様は、僕たちの身を案じて、防御魔法を極めるようにおっしゃるし、その気持ちも有り難く思う

だから僕たちは、天女様が悲しまないように

死ぬことも、傷つくことも許されない

しかし守っているだけでは、この戦いは終わらないと思うんだ」

いつもみんなを纏める役割の織田信忠が、全員の顔を見渡す

「つまり攻撃魔法も極めようということですね」

井伊直政が、皆が理解できるよう話の流れを作る

「茶々は、風刃を覚えましたよ!」

「茶々も頑張っているものな!」

満腹丸が妹·茶々の頭を撫でる

「茶々が、頑張ってるのは、みんな知っているぞ

ただ、僕たちがみんなの力を合わせると、きっともの凄い攻撃魔法が出来ると思うんだ」

「信忠君 僕は、ずっと前にブルート先生に聞いたことがあるんだ最強の攻撃魔法は、なんですかって?」

満腹丸にみんなの注目が集まるが、上を向いて何やら考え込む。。。

「それで満腹丸、ブルート先生はなんと言っていたんだ??」

「術の名前が。。。えっと。。。忘れたけど

空の上にある、雲のもっと上から、大きな石を召喚して落とすんだって」








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