岩村城慕情
おかげさまで200話となりました
読み返してみたのですが、あまりにも拙い文章にお付き合いいただき
感謝しかございません もう少しだけお付き合いいただけたら 幸いです
「では 明日ですが、私達も大垣城に立つことにしましょう 疲れているとは思いますが、生存者の捜索と、瓦礫の撤去を手伝いたいと思います ルイとお玉様は、ここで安静にしていて下さい」
そう言い、立ち上がる エヴァ
「エヴァ お前も疲れているだろう?ここで休んでいて良いのだぞ、俺達でやっておく」
ブルートがエヴァに声を掛ける
「大丈夫です 行きましょう!」
雨も上がり、泥濘んだ城下の、外周部の瓦礫の撤去に向かう
「またベヒーモス達の被害者を出してしまったな。。。」
ブルートが、黒く焼け落ちた家屋だったものを茫然と眺める ブルート
「もう一刻の猶予もありません ベヒーモスの子供達は、巨大な成竜となりました
餌を求めて人間を襲い続けるでしょう。。。親である、ベヒーモスより体も大きく
知能を有しているように感じられました 大嶽丸様が言っていましたが、親である
ベヒーモスよりも進化してバハムートと言う種らしいです」
「進化か。。。さらに強い。。。?」
「そうでしょうね、でも私達も強くなっています このような惨事は、ここで終わりにしなくてはなりません。。。」
土魔法と風魔法を駆使して、丁寧に瓦礫が取り払われていく
城下の外れに、巨大な穴を掘り、その土を利用して新たな家屋を建てる際の土台までを
日が暮れるまでに完成させ、住宅の復興には、羽柴組が出向してあたる事となる
「貴方が、本多忠勝殿ですか? 私の親愛なるお姉さまと結婚されるとか。。。?」
「はい 確かおりん様ですね、ご挨拶が遅れました 大嶽丸様のことは、残念です
心よりお悔やみ申します」
「叔父上を奪われ。。。まさか天女様まで奪われるとは。。。叔父上は、数年後には
復活しますが、あっ!天女様も貴方に三行半を突きつけ、私の元へ戻られるかも知れませんね!?」
「はっ!?なにを言われているのか、意味がわかりませんが 拙者と天女様は未来永劫
離れる事など、あり得ません!」
鼻息も荒く、反論する 本多忠勝
「貴方よりも、私の方が、天女様をお慕いしていると思いますよ なんと言っても同族ですし」
「いえ この世に拙者ほど天女様をお慕いしている者など、居りません!」
「口では、何とでも言えます 貴方は、天女様をすべての厄災から守れるのですか?」
「この命に替えましても!!」
「忠勝殿。。。力の無い者の命など、いくら有っても誰も守る事など出来ないのですよ? 敵は、ルイを瀕死に追い込むほどの力を持っているのですよ。。。
貴方は、ルイよりも強いのですか?」
「。。。。。。。。。もっともですが、いつか誰よりも強く。。。」
「そんな時間など、無い事は、わかっていますよね? 叔父上を亡くし 天女様まで失うわけには、いかないのです 口惜しいのですが、私には、戦う力はありません」
おりんの顔から微笑みは消え去り 必死の形相に変わっている
「おりん様の天女様を思う気持ちは、よく解りました どんな事があろうと拙者が守り抜いて見せます 今は、それしか言えませんが。。。」
「その槍を貸しなさい」
「はっ??」
「いいから、その槍を貸しなさいと言っているのです!」
おりんの気迫に押され、蜻蛉切りを差し出す
「私の母の代から、私達親子をお守り下さっている 天界の加護を貴方に授けます
天女様を守るという貴方の言葉を信じます」
蜻蛉切りを支える、本多忠勝の手を両手で包み込む おりん
その手が淡い光を放つと、蜻蛉切りと本多忠勝の全身に、その光が伝播していく
「本多忠勝殿、貴方に千手観音と毘沙門天の加護を分け与えました 貴方に誰かを守ろうという強い思いがあれば、きっと応えて下さいます」
重い蜻蛉切りが、非常に軽く感じられ、痛いほどに全身に力が漲って来る事が解る
「おりん様。。。。」
共に蜻蛉切りを握り合い、見つめ合う2人に忍び寄る影
「ふ〜ん 随分と仲が宜しいのですね〜」
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